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Pongと強化学習 (19) |
報酬をどのように加工するのかを聞いてみます。
報酬は直接CNNに加えるのではなく、強化学習のフレームワーク内で状態$s$や行動$a$と関連付けられて処理されます。CNNや他のディープラーニングモデルは、環境からの観測(例えば、ゲーム画面)を入力として受け取り、その情報から特徴を抽出して状態$s$の表現を形成する役割を持ちます。報酬$R$は、エージェントの行動の結果として環境から与えられる信号であり、この報酬を基にエージェントは最適なポリシーを学習します。以下に、このプロセスの詳細を説明します。
報酬$R$の決定
- 報酬の定義: ゲームの成功や失敗に対して報酬を定義します。例えば、Pongゲームにおいては、ボールを打ち返すことに成功すれば正の報酬を、ボールを失った場合には負の報酬を与えることが一般的です。この報酬は、エージェントの行動$a$が環境に与えた影響に基づいて決定されます。
- 報酬の適用: 報酬は直接CNNに加えるのではなく、強化学習アルゴリズム(例えばQ学習やDQN)において、行動$a$を取った結果として得られた状態$s'$に対して適用されます。報酬は、その行動の「良さ」を評価するための基準として機能します。
強化学習の学習プロセス
- 状態の更新: エージェントが行動$a$を取ることで、ゲームの状態は$s$から$s'$へと遷移します。この新しい状態$s'$は、再びCNNを通じて特徴が抽出され、次の行動選択のための入力となります。
- 報酬の利用: 取られた行動$a$によってエージェントが受け取った報酬$R$は、学習アルゴリズムによって状態$s$と行動$a$のペアの価値を更新するのに使用されます。この過程で、エージェントはより高い報酬を得られる行動を学習していきます。
報酬の役割
- 報酬$R$は、強化学習においてエージェントの行動選択を導く重要な信号です。エージェントは、報酬を最大化するように行動選択のポリシーを調整し、最終的にはタスク(ゲーム)を成功させるための最適な戦略を学習します。
結論として、報酬はCNNではなく、強化学習のコンテキスト内で状態$s$や行動$a$と結びつけられます。CNNは環境の観測から状態を表現する特徴を抽出する役割を持ち、報酬はその状態と行動の結果に対して評価されるものです。エージェントは、報酬を基にして行動の価値を更新し、最適な行動選択を学習していきます。