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Pongと強化学習 (99) |
コードの続きの説明です。
このコードブロックは、Deep Q-Network (DQN) アルゴリズムの一部で、経験再生バッファの設定と環境のリセットを行っています。これらのステップは、効果的な学習と安定したアルゴリズムの実行に必要な基礎を構築します。
1. Replay Buffer (経験再生バッファ) の初期化:
rb = ReplayBuffer(
args.buffer_size,
envs.single_observation_space,
envs.single_action_space,
device,
optimize_memory_usage=True,
handle_timeout_termination=False
)
ここで、ReplayBuffer
オブジェクトを初期化しています。経験再生バッファは、エージェントが経験した観測、アクション、報酬、次の観測、終了フラグを記録するデータ構造です。学習中にこれらの過去の経験からランダムにサンプリングして学習データとして再利用することで、学習の効率と効果を向上させます。
buffer_size
:バッファが保持できる最大の過去経験数です。single_observation_space
とsingle_action_space
:それぞれ環境からの単一の観測空間とアクション空間を指定しています。device
:計算を実行するデバイス(CPUまたはGPU)。optimize_memory_usage
:メモリ使用の最適化を有効にするオプション。handle_timeout_termination
:タイムアウトによるエピソード終了を特別に扱うかどうかのフラグ。
2. 環境のリセット:
start_time = time.time()
obs, _ = envs.reset(seed=args.seed)
start_time
に現在時刻を記録し、学習プロセスの時間計測を開始しています。これは後で学習経過の分析や報告に利用されることがあります。envs.reset(seed=args.seed)
:エージェントが操作する環境をリセットし、新しいエピソードの開始状態を取得します。ここでseed
を指定することにより、環境のランダム要素の再現性を保証しています。reset
メソッドは初期観測を返します(この場合、観測とともに他の情報も返される可能性があるため、観測のみが_
を使って無視されている部分を受け取っています)。
この設定は、DQNの実行において重要な役割を果たし、安定した学習の基盤を提供します。特に経験再生バッファは、エージェントがさまざまな状況から学習できるようにし、一貫性のあるアップデートを可能にするために不可欠です。