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スタンバイシステムの平均PUD計算 |
さて、前稿の平均PUD計算は簡易的に、冗長システムの確率の1/2として求めましたが、厳密には、
例えば全ての部品を二重化しておき、片方が壊れてももう片方がそれを引き継ぐことができる
という、スタンバイシステムについて平均PUD計算する必要があります。常に両方が稼働する冗長(2重化)と異なり、主系がフォールトしたときに初めて従系が稼働するものです。
IF、SM1からなるサブシステムがあり、IF、SM1の両方ともアンリペアラブルだとします。それぞれの故障率は、λIF及びλSMとします。上記のように、IFもSM1もt=0から同時に動作している冗長系ではなく、時刻tにおいて主系であるIFがダウンし、即座にスタンバイ系であるSM1が引き続いて動作するものとします。
すると、車両寿命Tlifetimeにおける稼働度(Availability)は、IFがTlifetimeまでにダウンしないか、あるいは、途中の時刻tでダウンしたとしても、そこからSM1がTlifetimeまでダウンせずに稼働する確率なので、
Asubsystem(Tlifetime)=Pr{IF not failed at Tlifetime}+∫Tlifetime0Pr{IF fails in (t+dt]∩IF not failed at t∩SM not failed in (Tlifetime−t]}=RIF(Tlifetime)+∫Tlifetime0RSM(Tlifetime−t)FIF(t)dt=RIF(Tlifetime)+∫Tlifetime0e−λSM(Tlifetime−t)λIFe−λIFtdt=RIF(Tlifetime)+λIFe−λSMTlifetime∫Tlifetime0e−(λIF−λSM)tdt=RIF(Tlifetime)+λIFe−λSMTlifetime[e−(λIF−λSM)t−(λIF−λSM)]Tlifetime0=RIF(Tlifetime)+λIFe−λSMTlifetime[1−e−(λIF−λSM)TlifetimeλIF−λSM]=RIF(Tlifetime)+λIFλIF−λSM(e−λSMTlifetime−e−λIFTlifetime)=,ただし、λIF≠λSM
平均PUDを求めるには不稼働度(Unavailability)の時間平均が知りたいので、λt≪1の前提でR(t)=e−λt≈1−λt+12λ2t2と、2次項までMaclaurin展開し、平均PUDを求めると、 ¯PUD=1TlifetimeQsubsystem(Tlifetime)=1Tlifetime[1−Asubsystem(Tlifetime)]≈1Tlifetime[1−(1−λIFTlifetime+12λIF2Tlifetime2)]−1TlifetimeλIFλIF−λSM[(1−λSMTlifetime+12λSM2Tlifetime2)−(1−λIFTlifetime+12λIF2Tlifetime2)]=(λIF−12λIF2Tlifetime)−λIFλIF−λSM[(λIF−λSM)−12Tlifetime(λIF−λSM)(λIF+λSM)]=(λIF−12λIF2Tlifetime)−λIF[1−12Tlifetime(λIF+λSM)]= 以上から、前稿の2重化での簡易計算と完全一致します。