19 |
Point unavailability $Q(t)$ (3) |
本ブログでは5年ほど前に初出の記事を掲載した後この記事から5本に渡り$Q(t)$について記載しました。
中でも初出の記事は計算過程を示しています。ここでは(59.5)から(59.6)への導出には説明がなかったのでここで解説します。再掲すれば、(626.1)から(626.4)への導出です。まずA(t)は、
$$ A(t):=R(t)+\int_0^t m(x)R(t-x)dx\tag{626.1} $$
ここで$m(x)$はリニューアル密度と呼ばれますが、その時間積分した$M(x)$は時刻$x$までに故障した分について検査・修理した分であり、2つの要素が掛けられています。つまり検査率を$K_\text{SM,MPF}$(const.)、故障した分を$F_\text{SM}(x)$としたとき、検査・修理は連続時間ではなく定期的、すなわち離散的に実行されるため、修理時刻$x$は、$x=i\tau,\ i=1, 2, 3,...$という飛び飛びの値をとります。
故障した時刻に無関係に修理は行われます。これは故障する確率に関わらず、検査・修理時には検査可能な故障は全て修理されるためです。ということは前回の修理時には検査可能な故障=不信頼度はゼロになるはずで、検査周期=$\tau$においては不信頼度は$F_\text{SM}(\tau)$(const.)となります。よって、$M(x)$は $$ M(i\tau)=\int_0^\tau m(x)dx=K_\text{SM,MPF}\int_0^\tau f(x)dx=K_\text{SM,MPF}F_\text{SM}(\tau),\ \ i=1, 2, ...\tag{626.2} $$ のようにconst.となります。そして、離散的な関数の積分はシグマに置き換えられるため、 $$ \int_0^t m(x)R(t-x)dx=K_\text{SM,MPF}F_\text{SM}(\tau)\sum_{i=1}^{n}R(t-i\tau) \tag{626.3} $$ となります。これらを(626.1)に代入すれば、
$$ A_\text{SM}(t)=R_\text{SM}(t)+K_\text{SM,MPF}F_\text{SM}(\tau)\sum_{i=1}^{n}R_\text{SM}(t-i\tau)\tag{626.4} $$ が得られます。$Q(t)$に書き換えれば、 $$ Q_\text{SM}(t)=F_\text{SM}(t)-K_\text{SM,MPF}F_\text{SM}(\tau)\sum_{i=1}^{n}R_\text{SM}(t-i\tau)\\ =\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png},\ \ s.t.\ \ u\equiv t-n\tau=t-\lfloor\frac{t}{\tau}\rfloor\tau \tag{626.5} $$ が得られます。さらにこれを時間$t$微分したものが弊社命名のPUD(Point Unavailability Density)であり
$$ q(t)=\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png} $$ となり、この車両寿命間の時間平均こそがPMHFとなるわけです。 $$ M_\text{PMHF}\equiv\frac{1}{T_\text{lifetime}}\int_0^{T_\text{lifetime}}q(t)dt=\frac{1}{T_\text{lifetime}}Q(T_\text{lifetime}) $$ なお、本稿はRAMS 2025に投稿予定のため一部を秘匿しています。
Leave a Comment