Article #648

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$Q(t)$とChatGPT (19)

posted by sakurai on August 24, 2023 #648

前回は、稼働度の一般方程式 $$ A(t) = R(t) + \int_{0}^{t} m(x) \cdot R(t - x) dx $$ を定期修理の場合に特殊化することにより、数式変形を用いて不稼働度$Q(t)$を導出させましたが、今回は過去記事のように、不稼働度をフォールトの検出・非検出に分けて考えさせ、$Q(t)$を導出させます。

例によってChatGPTは毎回回答が変わるので、よりましな回答をした場合について記載します。まず、以下にChatGPTに対する質問を記載します。


人間:

ISO 26262の範囲では故障率$\lambda$は一定値をとるため、フォールトの分布は指数分布となります。

一般にはSM (Safety Mechanism)にフォールトが起きても直ちにVSG(Violation of a safety goal)とならないため、意図機能が動作している間に修理が可能であり、これをリペアラブルエレメントと言います。SMの故障率は$\lambda_\text{SM}$です。

定期検査修理スキームは以下のとおりです。2nd SMによるSMに対する定期検査が、周期$\tau$で行われます。 $i$番目の検査時刻は$i\tau,\ \ i=1,...,n$とするとき、最近の検査時刻を$\tau_n$とすれば、$\tau_n=n\tau=\lfloor\frac{t}{\tau}\rfloor \tau$と表されます。定期検査により検出された(フォールト検出率を$K$, 一定値)フォールトは全て、瞬時に修理されるものとします。

SMのフォールトについて、(1)検出可能、(2)検出不可能の2つに分けて考え、それぞれの、tにおける不稼働度$Q_\text{SM}(t)$を、SMの不信頼度$F_\text{SM}(t)$を用いて表現してください。$u\equiv t-\tau_n$として$\tau$及び$\tau_n$を消去したうえで$t, u$で表現してください。exponential表現は使用しないこと。

ChatGPT:

まず、故障が$ t $で発生し、それが検出可能かどうかを分けて考えてみましょう。

  1. 検出可能なフォールト:
    これは、最後の検査$ \tau_n $以降に発生したものです。$ t $における不稼働度は、発生してから次の検査までの間故障が検出されない確率を考えればよく、これは、$ K $の補数である$ 1-K $を用いて表すことができます。したがって、$ t $における不稼働度$ Q_\text{SM}^{(1)}(t) $は次のようになります。 $$ Q_\text{SM}^{(1)}(t) = F_\text{SM}(t) (1 - K) $$

  2. 検出不可能なフォールト:
    これは、最後の検査$ \tau_n $より前に発生したものです。$ t $における不稼働度は、発生してから最後の検査までの間故障が検出されない確率を考えればよく、これは、$ K $の補数である$ 1-K $を用いて表すことができます。したがって、$ t $における不稼働度$ Q_\text{SM}^{(2)}(t) $は次のようになります。 $$ Q_\text{SM}^{(2)}(t) = F_\text{SM}(t- \tau_n) (1 - K) $$ ここで、$ u = t - \tau_n $とすると、以上の2つの不稼働度をまとめて表現することができます。 $$ Q_\text{SM}(t) = Q_\text{SM}^{(1)}(t) + Q_\text{SM}^{(2)}(t) = F_\text{SM}(t) (1 - K) + F_\text{SM}(u) (1 - K) $$ これが、定期検査と修理を行うシステムにおける、$ t $における不稼働度を表現したものとなります。


考え方の方向は良いのですが、細部でいろいろ問題がありそうです。まず検出可・不可について両者ともに$1-K$を誤って用いています。さらに、検出可の場合は最後に検出された後からのフォールトのみを考えれば良いのですが、その点について検出不可の場合と混乱しているようです。


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