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Pongと強化学習 (21) |
ポリシーとベルマン方程式の関係を聞いてみます。
ベルマン方程式において、ポリシーは明示的には現れないかもしれませんが、強化学習の文脈でのポリシーの役割とベルマン方程式は密接に関連しています。特に、ベルマン方程式は、ポリシーに基づく状態価値や行動価値を再帰的に表現するために用いられます。
ベルマン方程式とポリシー
ベルマン方程式は、強化学習における基本的な原理であり、状態価値関数や行動価値関数の再帰的な関係を示します。この方程式は、ある状態(またはある状態での行動)から得られる期待報酬の合計を、即時報酬と将来の報酬に分解することを可能にします。
状態価値関数に対するベルマン方程式: $$V^\pi(s) = \sum_{a} \pi(a|s) \sum_{s', r} p(s', r|s, a) [r + \gamma V^\pi(s')]$$ この方程式では、ポリシー$\pi$が状態$s$において行動$a$を取る確率を表し、$V^\pi(s)$はポリシー$\pi$に従ったときの状態$s$の価値を示します。
行動価値関数に対するベルマン方程式: $$Q^\pi(s, a) = \sum_{s', r} p(s', r|s, a) [r + \gamma \sum_{a'} \pi(a'|s') Q^\pi(s', a')]$$ こちらでは、ある状態$s$で行動$a$を取った際の価値$Q^\pi(s, a)$が、その行動による即時報酬$r$と、次の状態$s'$で取られる行動$a'$に基づく将来の報酬の合計によって計算されます。
ポリシーの役割
これらの方程式において、ポリシー$\pi$はエージェントの行動選択戦略を定義しており、状態$s$においてどの行動$a$が取られるか(または取られる確率)、そしてその結果として得られる状態価値$V^\pi(s)$や行動価値$Q^\pi(s, a)$を計算する際に重要な役割を果たします。つまり、ポリシーはベルマン方程式を通じて、価値関数や最適な行動選択の基準として機能します。
結論として、ベルマン方程式はポリシーに依存する価値関数の定義に用いられ、ポリシー自体が価値関数の計算において中心的な役割を担っています。ポリシーを変えることで価値関数$V^\pi(s)$や$Q^\pi(s, a)$の値も変わり、それによってエージェントの行動選択基準も変化します。