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Pongと強化学習 (47) |
具体的にバッチとはどのような情報なのかを聞いてみます。
リプレイメモリから抽出されるバッチは、エージェントが環境との相互作用から得た経験の集まりです。強化学習の文脈において、「経験」とは、ある時点での状態(state)、その状態で取られた行動(action)、その行動によって得られた報酬(reward)、および行動の結果として遷移した次の状態(next state)の組み合わせを指します。リプレイメモリからのバッチ抽出により、これらの経験をミニバッチ学習に利用します。
バッチの構成要素
一般的に、バッチは以下の4つの要素から構成されます。
- 状態(States): エージェントが経験した、ある時点での環境の状態です。状態は、画像(ピクセルデータ)、センサーの読み取り値、ゲームのスコアなど、環境に応じた任意の形式で表されることがあります。
- 行動(Actions): エージェントが状態において選択した行動です。行動は、移動する方向、アイテムの使用、攻撃の実行など、特定の状態におけるエージェントの選択を反映します。
- 報酬(Rewards): 行動を取った結果としてエージェントが受け取った報酬です。報酬は、行動の結果がエージェントにとって有利か不利かを示す数値で、通常はスカラー値です。
- 次の状態(Next States): 行動の結果エージェントが遷移した次の状態です。これは、行動後の環境の新しい状態を示し、学習プロセスにおいて重要な役割を果たします。
バッチ学習のプロセス
リプレイメモリからランダムにサンプルされたバッチは、ニューラルネットワークの学習に利用されます。このプロセスは以下のように進行します。
- バッチサイズの選択: リプレイメモリから一度に取り出す経験の数を決定します。バッチサイズは、学習の効率と性能に影響を与える重要なハイパーパラメータです。
- バッチ抽出: リプレイメモリからランダムに選択された経験の集合を抽出します。このランダム性により、学習データの相関を減少させ、過学習を防ぐ効果があります。
- 学習: 抽出されたバッチを使用して、エージェントの行動価値関数(Q関数など)を近似するニューラルネットワークの重みを更新します。この更新には、通常、誤差逆伝播アルゴリズムと勾配降下法が使用されます。
バッチ学習により、エージェントはリプレイメモリに蓄積された経験から学習を行い、より優れたポリシーに徐々に収束していくことが期待されます。
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