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Pongと強化学習 (53) |
一般論で返されたのでPongでどのように設計するのかを聞いてみます。
Pongゲームのようなシンプルな環境で強化学習を行う場合、全結合層(Fully Connected Layer, FC層)は、畳み込み層(Convolutional Layers)やプーリング層(Pooling Layers)からの出力を受け取り、最終的な行動選択や価値推定に必要な計算を行います。FC層の設計は、タスクの種類(価値ベースの強化学習、ポリシーベースの強化学習、またはその両方を組み合わせたアプローチ)によって異なりますが、一般的な設計の指針を以下に示します。
全結合層の設計指針
フラットニング:
- 畳み込み層やプーリング層からの出力は多次元の特徴マップです。全結合層に入力する前に、これらの特徴マップを1次元のベクトルにフラットニング(平坦化)します。
隠れ層のサイズ:
- FC層は一つ以上の隠れ層を持つことができます。Pongのようなシンプルなタスクでは、数百から数千のユニット(ニューロン)を持つ1〜2層の隠れ層が一般的です。隠れ層が多すぎると過学習のリスクがあり、また計算コストが増大します。
活性化関数:
- 隠れ層にはReLU(Rectified Linear Unit)やその他の非線形活性化関数を適用することが一般的です。これにより、モデルが非線形な関係を学習できるようになります。
出力層:
- Pongゲームでは、エージェントが取りうる行動の数に等しいユニットを出力層に持ちます(例えば、「上に移動」「下に移動」「静止」の3行動なら、出力層には3ユニット)。
- 価値ベースのアプローチ(例:DQN)を使用する場合、出力層の各ユニットは、対応する行動を取った際の期待される報酬(Q値)を表します。活性化関数は通常、出力層には適用しません。
- ポリシーベースのアプローチを使用する場合、ソフトマックス活性化関数を出力層に適用して、各行動を選択する確率を得ます。
設計例
- 入力: 畳み込み層やプーリング層からのフラットニングされた特徴ベクトル
- 第1全結合層: 512ユニット + ReLU活性化
- 出力層: 行動の数に等しいユニット(Pongの場合は3)+ ソフトマックス活性化(ポリシーベース)または活性化なし(価値ベース)
全結合層の正確な設計は、試行錯誤とモデルのパフォーマンス評価を通じて最適化される必要があります。ネットワークアーキテクチャの選択、学習率の設定、正則化の適用など、多くの要素がモデルの成功に影響を与えます。