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平均故障確率計算の矛盾 (3) |
ChatGPTも矛盾と感じているようなので、続いて第2版の文言に移ります。
ISO 26262-5:2018 8.4.3
NOTE 2 In applying a selected industry source the following considerations are appropriate to avoid artificial reduction of the calculated base failure rate:
— the mission profile;
— the applicability of the failure modes with respect to the operating conditions; and
— the failure rate unit (per operating hour or per calendar hour).
注2. 選択された業界ソースを適用する際には、算出された基本故障率の恣意的な低下を避けるため、以下の点を考慮することが適切である:
- ミッションプロファイル
- 運転条件に対する故障モードの適用性
- 故障率の単位(運転時間当たり又は暦時間当たり)
文言が若干和らぎました。初版では明確に「非稼働時間を算入することによる恣意的な故障確率の低下の防止」と言っていたものが、「ミッションプロファイルを検討し、恣意的な故障率の低下を避ける」と変わっています。
ChatGPT:
ISO 26262の第2版で示されている文言の変更は、確かに以前の矛盾をある程度解消する方向に向かっています。具体的には、以下の点が考えられます。
1. 柔軟性の強調
第2版では、次のような3つの考慮事項を挙げています。
- ミッションプロファイル: システムの実際の使用状況を考慮することで、評価が現実的になるようにしています。
- 稼働条件に関連する故障モードの適用性: 稼働時と非稼働時の故障モードの違いを考慮することで、評価の精度が向上します。
- 故障率の単位(稼働時間あたりか暦時間あたりか): 故障率の計算単位に柔軟性を持たせることで、状況に応じた適切な評価が可能となります。
2. 矛盾の緩和
これらの考慮事項により、故障率の計算が実際の運用条件に即したものとなるため、第1版のNote 5で感じられたような不合理さがやわらいでいます。特に、稼働時間と暦時間を区別し、状況に応じた評価ができるようになったことで、非稼働時間を完全に無視するのではなく、適切に考慮する余地が生まれました。
3. 解釈の余地
新しい文言は、故障率の計算に関してより柔軟なアプローチを可能にしているため、前述の矛盾が直接的に解消されたわけではないものの、異なる評価方法や運用条件に対応できるようになっています。これにより、稼働率の低いシステムにおいても、現実的で納得のいく評価が行えるようになると考えられます。
結論
第2版の文言の変更は、以前のバージョンに比べて合理性が増し、現実の使用状況に応じた評価がしやすくなっています。これは、直接的な矛盾の解消というよりも、より包括的で柔軟なアプローチを提供することで、実務における課題を緩和するものと理解できます。
ChatGPT の回答は必ずしも正しいとは限りません。重要な情報は確認するようにしてください。