21 |
Pongと強化学習 (83) |
前稿の「アクションをFPGAに送信し状態を受信」する関数stepにおいて、FPGAからデータを出力させるためのトリガーについて聞いてみます。
FPGAとの通信で状態を受信する際には、通常、何らかのトリガー信号を送信してデータの送信を要求する必要があります。これは、エージェント(Python側)がFPGAデバイスから状態データを取得するために、具体的にデータ要求を行うことを意味します。
トリガー信号の送信
receive_state
関数にトリガー信号を送るロジックを組み込むことで、FPGAに対して現在のゲーム状態のデータ送信を開始するよう指示できます。これにより、FPGAは指定されたアクションに対する反応として、現在の状態(画像データ等)、報酬、ゲーム終了のフラグをエージェントに送り返します。
実装例
以下にreceive_state
関数の改善例を示します。この例では、まずFPGAにトリガー信号を送信し、その後で状態データを受信するプロセスを行います。
import comm # 仮定の通信モジュール
def receive_state(device):
# FPGAに状態データの送信をトリガーする信号を送る
comm.send_trigger(device)
# FPGAからデータを受信
# 以下、受信データを解析して観測、報酬、終了フラグを抽出する処理を示す
data = comm.receive_data(device)
observation = data['observation'] # FPGAから受信した画像データ
reward = data['reward']
done = data['done']
return observation, reward, done
通信プロトコルの詳細
このプロセスを効果的に実行するためには、以下の点に注意が必要です:
- 信号の形式とプロトコル: トリガー信号の具体的な形式(例:特定のバイト列やコマンド)と、それを送信するプロトコル(例:シリアル通信、TCP/IP)を明確に定義する必要があります。
- リアルタイム通信の保証: FPGAとの通信は、リアルタイム性を要求されることが多いので、遅延が最小限に抑えられるようにする必要があります。
- エラーチェックと再試行ロジック: 受信データが不完全または破損している場合のために、エラーチェックと再試行のロジックを実装します。
FPGAとのインタフェースとして、トリガー信号の送信機能を持つ通信モジュールが適切に設計されていれば、このシステムは非常に効率的に動作し、強化学習アルゴリズムのトレーニングにおいてリアルタイムでのフィードバックを実現できます。