| 28 | Pongと強化学習 (81) | 
PongやBreakoutを観察すると、無駄にパドルが動いています。これはパドル動作にペナルティが無いためでしょうね。そのためにパドル動作(左移動、右移動)自体にペナルティを付加するにはどう改造したら良いですか?
Atariゲーム(例えばBreakoutやPong)においてパドルの動きにペナルティを付けることで、より効率的な動きを促すというアイデアは、特にエージェントが無駄な動きを減らすように学習するのに有効です。こうすることで、エージェントはより戦略的に行動を選択し、必要最小限の動きで最大の効果を達成しようとするでしょう。
ペナルティの実装方法
- 報酬関数の変更: - ゲーム環境の報酬関数を変更して、特定の行動(この場合はパドルの左移動や右移動)が行われるたびに小さなペナルティ(例えば-0.01点)を与えます。
 
- 環境のカスタマイズ: - gymnasiumやAtari Learning Environment (ALE) を使用している場合、環境のソースコードに手を加える必要があるか、環境をラップするラッパークラスを作成して、報酬を操作します。
 
カスタム環境ラッパーの実装例
以下はPythonを使用してgymnasiumの環境にペナルティを適用する簡単な例です。この例では、gymnasiumラッパーを使用してBreakoutやPongの環境に介入し、パドルの動きに対してペナルティを適用します。
import gymnasium as gym
    
    class PenalizePaddleMovement(gym.Wrapper):
        def __init__(self, env, penalty=-0.01):
            super(PenalizePaddleMovement, self).__init__(env)
            self.penalty = penalty
            self.last_action = None
    
        def step(self, action):
            observation, reward, done, info = self.env.step(action)
            if action in [LEFT, RIGHT] and action == self.last_action:  # 定義に基づく左右の行動
                reward += self.penalty
            self.last_action = action
            return observation, reward, done, info
    
        def reset(self, **kwargs):
            self.last_action = None
            return self.env.reset(**kwargs)
    
    # 環境の作成とラッパーの適用
    env = gym.make('Breakout-v0')
    env = PenalizePaddleMovement(env)
    
    # DQNや他の学習アルゴリズムで使用
このコードでは、PenalizePaddleMovementクラスが環境をラップし、パドルの連続した移動行動にペナルティを与える機能を追加しています。ここで、LEFTやRIGHTはゲーム固有の行動コードに置き換える必要があります。このペナルティは、同じ方向に連続してパドルを動かすときにのみ適用されます。
注意点
- ペナルティの値: ペナルティは非常に小さく設定することが重要です。これは、ペナルティが報酬を完全に打ち消さないようにするためです。
- 行動の定義: LEFTやRIGHTといった具体的な行動は、使用している環境のAPIドキュメントを参照して適切な値に設定してください。
- 実験の検証: 変更を加えた後は、エージェントがまだ適切に学習できるかを確認するために、広範なテストが必要です。
この方法で、パドルの動きにペナルティを適用し、エージェントがより効率的な戦略を学習するよう促すことができます。
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