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故障分類とフローチャート (6) |
Part 10の故障分類フローチャートもPart 5の故障分類フローチャートと同様、故障率データベースや信頼性試験で得られた要素故障率に基づき、故障率を分類していきます。Part 5のフローチャートでは故障率を入力しているものの、数式が無いため定量計算ができませんでしたが、Part 10のフローチャートでは、定量計算を実施します。
- 左上のボックス(a)から、要素故障率$\lambda$を入力します。全ての部品の全ての故障モードに関する故障率を入力します。
- 箱(b)において、故障率分配($D_{FMi}$)が掛けられ、故障モードの故障率$\lambda_{FMi}$となります。 $$ \lambda_{FMi}=D_{FMi}\lambda\tag{b} $$
菱形(c)の判定では、エレメントないし故障モードが安全関連かどうかを判定します。以前にも述べたように、例えばデバッグ回路のように運転中に動作しない場合に限り、非安全関連(No)と分類できます。他の回路は通常、安全関連(Yes)と分類されます。
非安全関連(No)の場合は左下に移動し、箱(d)で$\lambda_{FMi,nSR}$となり、箱(e)で非安全関連フォールトnSR故障率と分類されます。この故障率は分析には使用されません。 $$ \lambda_{FMi,nSR}=\lambda_{FMi}\tag{d, e} $$
一方、菱形(c)で安全関連(Yes)と判定された故障率は、右に移動し、箱(f)で新たに$\lambda_{FMi,SR}$と名付けられます。 $$ \lambda_{FMi,SR}=\lambda_{FMi}\tag{f} $$