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RAMS 2023 (2)

posted by sakurai on August 3, 2022 #494

記事#482の続きです。

RAMS 2023のプログラムが発表されました。弊社の投稿した論文の枠は、E01(Reliability Modeling 1, グリーンで表示), 2023/1/23の10:15からとのことです。

図%%.1
図494.1 RAMS 2023プログラムマトリクス


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RAMS 2023採択へのマイルストーン

posted by sakurai on July 30, 2022 #493

表493.1はRAMS 2023正式採択までのマイルストーンであり、今後適宜更新します。

表493.1 RAMS 2023へのマイルストーン
期限 マイルストーン 状態
2022/8/1 論文、プレゼン投稿締め切り(名前、所属無し版) 投稿済
2022/9/1 第1回論文、プレゼン資料査読コメント受領
2022/?/? 改訂版論文、プレゼン投稿締め切り(名前、所属無し版)
2022/?/? 最終査読コメント受領
2022/10/10 学会出席登録締め切り 登録済
2022/10/10 最終論文、プレゼン投稿締め切り(名前、所属有り版)

プレゼン資料投稿済みとなっていますが、実際には投稿システムの不具合により、論文のみの投稿となっています。⇒投稿システムが改修されたため、プレゼン資料もあわせて投稿しました(8/3)。

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従来手法のPMHF式のまとめ

posted by sakurai on July 8, 2022 #492

PMHFの導出の前提には2通りあります。具体的には、1st SMによって検出され、VSG抑止されたフォールト(MPF detected fault)に関して、

  • MPF detected faultをlatent faultとする
  • MPF detected faultを直ちに修理する

の2通りの立場があります。規格にはMPF detected faultの処置について明確に書かれていないので、従来はLFとするとしていました。この前提に基づき2020 RAMS論文を投稿しています。

ところが、これだとLFMの定義と矛盾するので、その矛盾の解消のため、2番目の立場を採用した2022 RAMS論文(IEEE未収録)を投稿しました。

後者のまとめの記事は記事#374に書きましたが、前者をまとめていませんでしたので、以下に表を用いてまとめます。元になる表と導出法は、それぞれ表375.1及び表368.2記事#376です。

表492.1 従来のIFRモデルのPMHF式
(a)SPF (b)SPF (c)DPF (d)DPF
LAT2分離 $(1-K_\text{IF,RF})\lambda_\text{IF}-(1-K_\text{IF,RF})\alpha$(376.1) $(1-K_\text{IF,RF})\alpha$
(376.2)
$K_{\text{IF,RF}}\color{red}{K_\text{IF,det}}\alpha\\\ +K_\text{IF,RF}\color{red}{(1-K_\text{IF,det})}\beta$(376.3) $K_{\text{IF,RF}}\color{red}{K_\text{IF,det}}\alpha\\\ +K_\text{IF,RF}\color{red}{(1-K_\text{IF,det})}\beta$(376.4)
SPF/DPF統合 $(1-K_\text{IF,RF})\lambda_\text{IF}$ $2K_{\text{IF,RF}}\color{red}{K_\text{IF,det}}\alpha+2K_\text{IF,RF}\color{red}{(1-K_\text{IF,det})}\beta$
規格式1$\dagger\text{SM1}⇒\text{IF}$ $(1-K_\text{IF,RF})\lambda_\text{IF}+K_{\text{IF,RF}}\color{red}{K_\text{IF,det}}\alpha+K_{\mathrm{IF,RF}}\color{red}{(1-K_\text{IF,det})}\beta$
規格式3$\dagger$ $(1-K_\text{IF,RF})\lambda_\text{IF}+2K_{\text{IF,RF}}\color{red}{K_\text{IF,det}}\alpha+2K_{\mathrm{IF,RF}}\color{red}{(1-K_\text{IF,det})}\beta$

$$ ただし、\begin{cases} \begin{eqnarray} 非冗長系の時は\color{red}{K_\text{IF,det}}&=&1\\ 冗長系の時は\color{red}{K_\text{IF,det}}&=&0, K_\text{IF,RF}=1\\ \end{eqnarray} \end{cases} $$

表492.1に対して、非冗長系、冗長系のKパラメータを上記に示すとおり代入した表を表492.2及び表492.3に示します。

非冗長系

表492.2 非冗長系のPMHF式($\color{red}{K_\text{IF,det}}=1)$
(a)SPF (b)SPF (c)DPF (d)DPF
LAT2分離 $(1-K_\text{IF,RF})\lambda_\text{IF}-(1-K_\text{IF,RF})\alpha$ $(1-K_\text{IF,RF})\alpha$ $K_{\text{IF,RF}}\alpha$ $K_{\text{IF,RF}}\alpha$
SPF/DPF統合 $(1-K_\text{IF,RF})\lambda_\text{IF}$ $2K_{\text{IF,RF}}\alpha$
規格式1$\dagger\text{SM1}⇒\text{IF}$ $(1-K_\text{IF,RF})\lambda_\text{IF}+K_{\text{IF,RF}}\alpha$
規格式3$\dagger$ $(1-K_\text{IF,RF})\lambda_\text{IF}+2K_{\text{IF,RF}}\alpha$

$$ M_\text{PMHF,NRD}=\bbox[#ccffff,2pt]{(1-K_\text{IF,RF})\lambda_\text{IF}+2K_{\text{IF,RF}}\alpha}\\ =(1-K_\text{IF,RF})\lambda_\text{IF}+K_{\text{IF,RF}}\lambda_{\mathrm{IF}}\lambda_{\mathrm{SM}}[(1-K_{\mathrm{SM,MPF}})T_\text{lifetime}+K_{\mathrm{SM,MPF}}\tau] \tag{492.1}$$

(492.1)に関しては後者の記事、#374との違いは係数2の違いとなります。

冗長系

表492.3 冗長系のPMHF式 ($\color{red}{K_\text{IF,det}}=0, K_\text{IF,RF}=1$)
(a)SPF (b)SPF (c)DPF (d)DPF
LAT2分離 $0$ $0$ $\beta$ $\beta$
SPF/DPF統合 $0$ $2\beta$
規格式1$\dagger$ $\beta$
規格式3$\dagger$ $2\beta$

$$M_\text{PMHF,RD}=\bbox[#ccffff,2pt]{2\beta}=\lambda_\text{IF}\lambda_\text{SM}\left[(1-K_\text{MPF})T_\text{lifetime}+K_\text{MPF}\tau\right]\tag{492.2}$$

(492.2)に関しては後者の記事、#374との違いはありません。その理由は、冗長系においてはMPF detected faultが存在しないためです。


$\dagger$規格式1: 規格第1版 Part 10-8.3.3の第1式の条件。ブログの図367.1)において、IFが後にフォールトする場合=(a)SPF、(b)SPF及び(c)DPF。(d)DPFはSMが後にフォールトする場合なので対象外
$\dagger$規格式3: 規格第1版 Part 10-8.3.3の第3式の条件。ブログの図367.1)において、IF, SMのフォールトの順を問わない場合=(a)SPF、(b)SPF、(c)DPF及び(d)DPF。

RAMS 2022においてMPF detectedの再考に基づくPMHF式の論文発表が終了したため、秘匿部分を開示します。


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確率コントリビューション(6)

posted by sakurai on July 7, 2022 #491

ストレートフォワード

そもそもIFとSM1のコンビネーションの確率全体を求め、以下の

 ①IF⇒IF
 ②IF⇒SM1
 ③SM1⇒IF
 ④SM1⇒SM1

①~④の和から①と④を引いたのですが、各々を求められるのであれば、DPFの対象は異なるエレメントのフォールトの組み合わせなので、②と③の和で良いはずです。

従って、②のPMHFは記事#489を参照して、 $$ M_\text{PMHF,DPF,IF⇒SM1}=\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png}\\ \tag{491.1} $$

また③のPMHFも同様に $$ M_\text{PMHF,DPF,SM1⇒IF}=\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png}\\ \tag{491.2} $$ 従って、PMHFのDPF部分は、(491.1)及び(491.2)を加えて $$ \require{cancel} \begin{eqnarray} M_\text{PMHF,DPF}&=&M_\text{PMHF,DPF,IF⇒SM1}+M_\text{PMHF,DPF,SM1⇒IF}\\ &\approx&\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png}\\ \end{eqnarray} \tag{491.3} $$ これは過去記事で求めた、(222.9)のPMHF値のDPF項と完全に一致します。

さらに、2021年論文のようにLFMと互換性のあるPMHFを考えるのであれば、IFのMPFフォールトはレイテントにならずに直ちに修理されると考えると、DPFのケースは③のみとなります。従って、PMHFは $$ \begin{eqnarray} M_\text{PMHF,DPF}&=&\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png}\\ \end{eqnarray} \tag{491.4} $$

となります。ただし、非冗長系においてはIFのフォールトは即時修理され、レイテントとならないことから$K_\text{IF,MPF}=0$となるので、これを代入すれば、$K_\text{MPF}=K_\text{SM,MPF}$となり、(491.4)は、

$$ \begin{eqnarray} M_\text{PMHF,DPF}&=&\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png}\\ \end{eqnarray} \tag{491.5} $$ となります。

なお、本稿はRAMS 2023に投稿中のため一部を秘匿していますが、論文公開後の2023年2月頃に開示予定です。

確率コントリビューションの稿 完■


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確率コントリビューション(5)

posted by sakurai on June 27, 2022 #490

過剰確率の調整

しかしながら前稿の注※確率調整で示すように、ユニオンエレメントに関して解いて得られたPMHF(488.6)は余分な場合を2パターン含みます。余分な場合とはユニオンが2回フォールトする時、

 ①IFのフォールトに引き続いてIFがフォールトする
 ②SM1のフォールトに引き続いてSM1がフォールトする

となる場合が含まれるため、そのPMHFを差し引く必要があるからです。

すると、①のPMHFは(489.5)であり、 $$ M_\text{PMHF,DPF,IF⇒IF}=\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png}\\ \tag{490.1} $$ また②のPMHFも同様に(489.8)であるため、 $$ M_\text{PMHF,DPF,SM⇒SM}=\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png} \tag{490.2} $$ 従って、PMHFのDPF部分は、(488.6)から(490.1)及び(490.2)を差し引いて、 $$ \begin{eqnarray} M_\text{PMHF,DPF}&=&M_{\text{PMHF,DPF,IF}\cup\text{SM}}-M_\text{PMHF,DPF,IF⇒IF}-M_\text{PMHF,DPF,SM⇒SM}\\ &=&\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png}\\ \end{eqnarray} \tag{490.3} $$ これは過去記事で求めた、(222.9)のPMHF値のDPF項と完全に一致します。このように、得られた方程式に対して別の角度から整合性のある解釈ができることは、大変に面白いだけでなく方程式の妥当性を裏付けるものと考えます。

また、確率コントリビューションの考えから1st editionの式を出発点として、2nd editionの式ではなく、2020年論文の式が導出されることも大変興味深い事実です。

なお、本稿はRAMS 2023に投稿中のため一部を秘匿していますが、論文公開後の2023年2月頃に開示予定です。


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確率コントリビューション(4)

posted by sakurai on June 24, 2022 #489

IFとSMのユニオンエレメント$\text{IF}\cup\text{SM}$を考えます。PMHFのDPFに関する第1確率コントリビューションは、 $$ \text{Pc}^\text{1R}\{\mathrm{(IF\cup SM)\ up/down}\}:=\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png} \tag{489.1} $$ となり、第2確率コントリビューションは、 $$ \text{Pc}^\text{2U}\{\text{(IF}\cup\text{SM) down}\}:=\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png} \tag{489.2} $$ と定義されます。これらの積からDPFのPMHFを作成したいのですが、問題は以下の2つのケースを除く必要があることです。

 ①IFのフォールトに引き続いてIFのフォールト、及び、
 ②SM1のフォールトに引き続いてSM1のフォールト

理由は、同じエレメントの引き続くフォールトではDPFとならないからです。それぞれの確率コントリビューションのマルコフ図は、

図%%.1
図489.1 IF⇒IFの場合

図489.1において、OPRLATOPRを繰り返している間はIF$\cup$SM、すなわちIFかSMかのいずれかのフォールトが起きますが、LATDPFの遷移の場合のみ、IFがダウンしている場合にIFのフォールトが起きる事象です。

従って、合成エレメントの第1確率コントリビューションの$\text{Pc}^\text{1R}$は$\text{IF}\cup\text{SM}$の最後の状態において、$\text{IF}\cup\text{SM}$の不信頼度のところを、IFのみの不信頼度に減らす必要があります。他方、第2確率コントリビューションの$\text{Pc}^\text{2U}$は、エレメントはIFのみとすれば良いわけです。従って、減少分も含めた第1確率コントリビューションは、時刻$t$で第2フォールトが起きるとして、 $$ \require{color} \definecolor{yellow}{rgb}{1.0,1.0,0.7} \require{cancel} \text{Pc}^\text{1R}\{\mathrm{(IF\cup SM)\ up/down}\}\cdot\bbox[#ffffcc,2pt]{\frac{Q_\text{IF}(t)}{Q_{\text{IF}\cup\text{SM}}(t)}} \approx\text{Pc}^\text{1R}\{\mathrm{(IF\cup SM)\ up/down}\}\bbox[#ffffcc,2pt]{\frac{F_\text{IF}(t)}{F_{\text{IF}\cup\text{SM}}(t)}}\\ \approx(\lambda_\text{IF}+\lambda_\text{SM})[(1-K_\mathrm{DPF})T_\text{lifetime}+K_\mathrm{DPF}\tau] \bbox[#ffffcc,2pt]{\frac{\lambda_\text{IF}\bcancel{t}}{\lambda_\text{IF}\bcancel{t}+\lambda_\text{SM}\bcancel{t}}}\\ =\bcancel{(\lambda_\text{IF}+\lambda_\text{SM})}[(1-K_\mathrm{DPF})T_\text{lifetime}+K_\mathrm{DPF}\tau] \bbox[#ffffcc,2pt]{\frac{\lambda_\text{IF}}{\bcancel{\lambda_\text{IF}+\lambda_\text{SM}}}}\\ =\lambda_\text{IF}[(1-K_\mathrm{DPF})T_\text{lifetime}+K_\mathrm{DPF}\tau] \tag{489.3} $$ となり、第2確率コントリビューションはIFのみなので、 $$ \text{Pc}^\text{2U}\{\text{IF down}\}=K_\text{IF,RF}\lambda_\text{IF}T_\text{lifetime} \tag{489.4} $$ となります。従って、これらをかけ合わせれば除外するPMHFは、 $$ M_\text{PMHF,DPF,IF⇒IF} =\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png} \tag{489.5} $$ となります。

全く同様に、SM⇒SMに関する確率コントリビューションのマルコフ図は、

図%%.2
図489.2 SM⇒SMの場合

同様に、減少分も含めた第1確率コントリビューションは、 $$ \require{cancel} \text{Pc}^\text{1R}\{\mathrm{(IF\cup SM)\ up/down}\}\cdot\bbox[#ffffcc,2pt]{\frac{Q_\text{SM}(t)}{Q_{\text{IF}\cup\text{SM}}(t)}}\\ \approx\lambda_\text{SM}[(1-K_\mathrm{DPF})T_\text{lifetime}+K_\mathrm{DPF}\tau] \tag{489.6} $$ となり、第2確率コントリビューションはSMのみなので、 $$ \text{Pc}^\text{2U}\{\text{SM down}\}=K_\text{IF,RF}\lambda_\text{SM}T_\text{lifetime} \tag{489.7} $$ となります。従って、これらをかけ合わせれば除外するPMHFは、 $$ M_\text{PMHF,DPF,SM⇒SM} =\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png} \tag{489.8} $$ となります。

なお、本稿はRAMS 2023に投稿中のため一部を秘匿していますが、論文公開後の2023年2月頃に開示予定です。


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確率コントリビューション(3)

posted by sakurai on June 23, 2022 #488

IFとSM1のユニオン

ここまでは1st editionと同様、IFUモデル、つまりSM1がリペアラブル、IFがアンリペアラブルでした。ここからは2nd editionに対応するべく、IFRモデル、つまりSM1もIFもリペアラブルで考えます。

ここで、IFとSM1のユニオンのIF$\cup$SMを考えます。2つのユニオンと見ると、1回のダウンでは不稼働にならず、2回ダウンして初めて不稼働となります。図488.1で考えるとLAT状態ではIFもSM1もリペアラブルですが、リペアされないうちに再度フォールトが起きるとDPFに移行します。従って、最初のIF$\cup$SMのフォールトはリペアラブル、2番目のIF$\cup$SMのフォールトはアンリペアラブルです。

図%%.1
図488.1 IFとSM1のユニオンのマルコフ連鎖

これにより、SM1とIFの両方がリペアラブルであっても、$e1$⇒IF$\cup$SM、$e2$⇒IF$\cup$SMと置き換えることによりIFUモデルのCTMCを用いることができます。※確率調整:ただし、最後のIFの次にIFのフォールトと、SMの次にSMのフォールトでDPFになる場合は除く必要があります。

ユニオンの第1確率コントリビューション

まずユニオンエレメントの故障率を計算します。ユニオンエレメントの故障率は、 $$ \lambda_\mathrm{IF\cup SM}=\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png} \tag{488.1} $$ となります。証明は過去記事#484で記載しています。

次に、ユニオンに対する見逃し率は、IFに対する2nd SMとSMに対する2nd SMの両方が見逃す率であるため、過去記事#485で証明したとおり(488.3)は $$ \Pr\{\overline{\mathrm{(IF\cup SM)\ detected}}\}=(1-K_\text{IF,DPF})(1-K_\text{SM,DPF}) \tag{488.2} $$ となります。これよりユニオンに対する検出率$K_\text{DPF}$は、 $$ K_\text{DPF}:=\Pr\{\mathrm{(IF\cup SM)\ detected}\}\\= 1-(1-K_\text{IF,DPF})(1-K_\text{SM,DPF})=K_\text{IF,DPF}+K_\text{SM,DPF}-K_\text{IF,DPF}K_\text{SM,DPF}\tag{488.3} $$ となります。これらにより、第1確率コントリビューションは(488.5)において$e1$⇒$\text{IF}\cup\text{SM}$と置き換えた後(488.1)、(488.3)を用いて $$ \text{Pc}^\text{1R}\{\mathrm{(IF\cup SM)\ up/down}\}\\ =\lambda_\mathrm{(IF\cup SM)}\left[\Pr\{\overline{\mathrm{(IF\cup SM)\ detected}}\}T_\text{lifetime}+\Pr\{\mathrm{(IF\cup SM)\ detected}\}\tau\right]\\ =(\lambda_\text{IF}+\lambda_\text{SM})\left[(1-K_\mathrm{DPF})T_\text{lifetime}+K_\mathrm{DPF}\tau\right] \tag{488.4} $$ となります。

ユニオンの第2確率コントリビューション

第2確率コントリビューションは(488.5)において$e2$⇒$\text{IF}\cup\text{SM}$と置き換えた後(488.1)を用いて、 $$ \require{cancel} \text{Pc}^\text{2U}\{\text{(IF}\cup\text{SM) down}\}=\Pr\{(\text{IF}\cup\text{SM})\text{ prevented}\}\lambda_{(\text{IF}\cup\text{SM})}T_\text{lifetime}\\ =K_{\text{(IF}\bcancel{\cup\text{SM)}}\text{,RF}} \lambda_{\text{(IF}\cup\text{SM)}} T_\text{lifetime}=K_\text{IF,RF}(\lambda_\text{IF}+\lambda_\text{SM})T_\text{lifetime} \tag{488.5} $$ SM1にはSPFもRFも無いことを用いています。

PMHF計算

以上から、(488.2)は(488.4)及び(488.5)の積を用いて、 $$ \begin{eqnarray} M_{\text{PMHF,DPF,IF}\cup\text{SM}} &=&\frac{1}{2T_\text{lifetime}}\text{Pc}^\text{1R}\{\text{(IF}\cup\text{SM) up/down}\} \cdot\text{Pc}^\text{2U}\{\text{(IF}\cup\text{SM) down}\}\\ &=&\frac{1}{2\bcancel{T_\text{lifetime}}}(\lambda_\text{IF}+\lambda_\text{SM})[(1-K_\mathrm{DPF})T_\text{lifetime}+K_\mathrm{DPF}\tau]\\ & &\quad\cdot K_\text{IF,RF}(\lambda_\text{IF}+\lambda_\text{SM})\bcancel{T_\text{lifetime}}\\ &=&\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png} \tag{488.6} \end{eqnarray} $$ となりそうですが、上記※確率調整を考慮する必要があります。

なお、本稿はRAMS 2023に投稿中のため一部を秘匿していますが、論文公開後の2023年2月頃に開示予定です。


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確率コントリビューション(2)

posted by sakurai on June 22, 2022 #487

最初にSM1に、次にIFにフォールトが起きた場合

図487.2にIFUモデルのCTMCを示します。IFUモデルは最初のSM1のフォールトがリペアラブル、2番目のIFのフォールトがアンリペアラブルです。※便宜上「最初」と「2番目」と記述しましたが、厳密には「最後から2番目」と「最後」です。

図%%.1
図487.1 IFUモデルのマルコフ連鎖

CTMCによるPMHFの導出

(1st Editionの)規格第1式のPMHF式のDPF項の導出は以下の(487.1)のとおり、遷移確率と状態確率を掛けた確率微分方程式を車両寿命間で積分することにより導出します。 $$ \begin{eqnarray} M_\text{PMHF,DPF}&=&\overline{q_\mathrm{DPF,IFU}}\\ &=&\frac{1}{T_\text{lifetime}}\Pr\{DPF\mathrm{\ at\ }T_\text{lifetime}\}\\ &=&\frac{1}{T_\text{lifetime}}\int_0^{T_\text{lifetime}}\Pr\{LAT\mathrm{ at\ }t\cap\mathrm{IF^U\ down\ in\ }(t, t+dt]\cap\mathrm{IF\ preventable}\}\\ &=&\frac{1}{T_\text{lifetime}}\int_0^{T_\text{lifetime}}\Pr\{\mathrm{IF^U\ down\ in\ }(t, t+dt]\ |\ LAT\mathrm{\ at\ }t\}\\ & &\ \ \ \ \cdot\Pr\{LAT\mathrm{ at\ }t\}\Pr\{\mathrm{IF\ preventable}\}\\ &=&\frac{K_\text{IF,RF}}{T_\text{lifetime}}\int_0^{T_\text{lifetime}}Q_\mathrm{SM}(t)R_\mathrm{IF}(t)\lambda_\mathrm{IF}dt\\ &=&\frac{K_\text{IF,RF}}{T_\text{lifetime}}\int_0^{T_\text{lifetime}}\left[(1-K_\mathrm{SM,DPF})F_\mathrm{SM}(t)+K_\mathrm{SM,DPF}F_\mathrm{SM}(t\bmod\tau)\right]f_\mathrm{IF}(t)dt,\\ &\approx&\frac{1}{2}K_\mathrm{IF,RF}\lambda_\mathrm{IF}\lambda_\mathrm{SM}[(1-K_\mathrm{SM,DPF})T_\text{lifetime}+K_\mathrm{SM,DPF}\tau] \end{eqnarray} \tag{487.1} $$ となります。これには弊社の積分公式を用いています。このPMHF式は1st editionのPMHF第1式と完全に一致します。

PMHFを第1、第2確率コントリビューションに分解

このPMHFをIFとSM1の第1及び第2確率コントリビューションに分解します。第1及び第2確率コントリビューション$\text{Pc}^\text{1R}$及び$\text{Pc}^\text{2U}$は確率ではありませんが、掛け合わせてPMHFに貢献する要素です。

SM1を$e1$: repairable 1st fault elementと置き、IFを$e2$: unrepairable 2nd fault elementと置けば(487.1)は、 $$ M_\text{PMHF,DPF}=\frac{1}{2T_\text{lifetime}}\text{Pc}^\text{1R}\{e1\text{ up/down}\}\text{Pc}^\text{2U}\{e2\text{ down}\}\\ =\frac{1}{2T_\text{lifetime}}\lambda_\mathrm{e1}[(1-K_\mathrm{e1,DPF})T_\text{lifetime}+K_\mathrm{e1,DPF}\tau]\cdot K_\mathrm{e2,RF}\lambda_\mathrm{e2}T_\text{lifetime} \tag{487.2} $$ と書けます。確率コントリビューションは単独では意味を持たず、(487.2)のDPF積の場合にのみ使用します。

ここで、(487.2)において、$K_\mathrm{e1,DPF}$はe1のLF検出率であり、それぞれ、 $$ \begin{cases} 1-K_\mathrm{e1,DPF}=\Pr\{\overline{e1\text{ detected}}\}\\ K_\mathrm{e1,DPF}=\Pr\{e1\text{ detected}\} \end{cases} \tag{487.3} $$ と書けます。また(487.2)において、$K_\mathrm{e2,RF}$は、e2のVSG prevented確率であるため、 $$ K_\mathrm{e2,RF}=\Pr\{e2\text{ prevented}\}\tag{487.4} $$ と書けます。

よって$e1$と$e2$の確率コントリビューションは、第1と第2がそれぞれ、 $$ \begin{cases} \text{Pc}^\text{1R}\{e1\text{ up/down}\}:=\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png} \\ \text{Pc}^\text{2U}\{e2\text{ down}\}:=\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png} \tag{487.5} \end{cases} $$ と定義されます。

なお、本稿はRAMS 2023に投稿中のため一部を秘匿していますが、論文公開後の2023年2月頃に開示予定です。


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確率コントリビューション

posted by sakurai on June 21, 2022 #486

弊社の考えるPMHF式について、再度DPFについて考察します。

2nd Editionから引用したシステムアーキテクチャ図を図486.1に示します。IFがVSGとなるのを抑止する(抑止確率$K_\mathrm{IF,RF}$)のと同時に、IFがレイテントとなるのを抑止する(抑止確率$K_\mathrm{IF,DPF}$)SM1が存在します。また、SM1がレイテントとなるのを抑止する(抑止確率$K_\mathrm{SM,DPF}$)SM2が存在します。

図%%.1
図486.1 System Architectural Design of the example

このモデルには一点問題があります。それは、冗長の場合、すなわち、IFとSM1が同機能である場合はSM2の存在が曖昧になることです。SM1の機能はIFのVSG抑止(1st SMの機能)及びLF抑止(2nd SMの機能)となっているのに対して、SM2はSM1に対するLF抑止(2nd SMの機能)です。

問題になるのはLATの場合です。これはSM1にフォールトが起きた場合に到達する状態ですが、この際に問題はIFに対する1st SMの機能喪失は当然として、2nd SM機能まで喪失するか否かです。

  • 喪失する場合 --- おそらく2nd editionの想定はこのようですが、この場合はLATに来た時刻により、LATの状態確率が変わってくるため、マルコフ性が成立しません。マルコフ性が成立しない場合の確率積分は非常に難しくなり解けないと言われています。
  • 喪失しない場合 --- LATの状態確率は来た時刻に依存しないため、マルコフ性が成立します。

そもそも1st SMと2nd SMが別エレメントと考えると2nd SMは故障しないという定理から、2番目が良いと考えられます。

なお、本稿はRAMS 2023に投稿中のため一部を秘匿していますが、論文公開後の2023年2月頃に開示予定です。


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合成カバレージの証明

posted by sakurai on June 20, 2022 #485

IFとSMのそれぞれがお互いのレイテントフォールトカバレージを持つとして、$K_\text{IF,DPF}$及び$K_\text{SM,DPF}$で表します。前記事で記載したように、 $$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} K_\text{IF,DPF}=\Pr\{\text{IF detectable}\}\\ K_\text{SM,DPF}=\Pr\{\text{SM detectable}\} \end{array} \right. \end{eqnarray} \tag{485.1} $$

ここで、IFとSMの合体エレメント$\text{IF}\cup\text{SM}$を考えると、合体エレメントのレイテントカバレージ$K_\text{DPF}$は、IFに対してはSM、SMに対してはIFのカバレージです。従って、合体エレメントが単一フォールトしても、IFのフォールトの場合はSMのカバレージ、SMのフォールトの場合はIFのカバレージとなり、合体カバレージは一切棄損しません。よって、 $$ \Pr\{(\text{IF}\cup\text{SM) detectable}\}=\Pr\{\text{IF detectable}\cup\text{SM detectable}\}\\ =\Pr\{\text{IF detectable}\}+\Pr\{\text{SM detectable}\} -\Pr\{\text{IF detectable}\}\Pr\{\text{SM detectable}\}\\ =K_\text{IF,DPF}+K_\text{SM,DPF}-K_\text{IF,DPF}K_\text{SM,DPF}\equiv K_\text{DPF} \tag{485.2} $$ 反対に、 $$ \Pr\{\overline{(\text{IF}\cup\text{SM) detectable}}\}=\Pr\{\overline{\text{IF detectable}}\cap\overline{\text{SM detectable}}\}\\ =(1-\Pr\{\text{IF detectable}\})(1-\Pr\{\text{SM detectable}\})=(1-K_\text{IF,DPF})(1-K_\text{SM,DPF})\\ =\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png} \tag{485.3} $$

なお、本稿はRAMS 2023に投稿中のため一部を秘匿していますが、論文公開後の2023年2月頃に開示予定です。


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