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Pongと強化学習 (87) |
envの内部画面配列は実際はどのように定義されていますか?
env
の内部画面配列、つまり観測空間は、OpenAI Gym 環境によって提供される状態(観測)のデータ構造です。これは、エージェントが受け取る環境の状態を表現します。具体的な定義はゲームやシミュレーションの種類によって異なりますが、通常、以下のような形式が多く見られます:
1. オリジナルの画像データ
ビデオゲームなどの場合、オリジナルの画像データはしばしばRGBカラー画像として提供されます。たとえば、Atariゲームの一般的な解像度は210x160ピクセルで、各ピクセルはRGB値を持ちます。この形式の観測空間はBox
型で定義され、以下のように設定されることが一般的です:
from gym import spaces
observation_space = spaces.Box(low=0, high=255, shape=(height, width, channels), dtype=np.uint8)
low
とhigh
はピクセル値の最小値と最大値を示し、通常RGBの各色成分は0から255の値を取ります。shape
は画像の次元を指定します。例えば、高さが160、幅が210、3つのカラーチャネル(RGB)を持つ場合、(160, 210, 3)
となります。dtype=np.uint8
はデータ型を8ビットの符号なし整数と指定しています。
2. 加工後の画像データ
強化学習のための前処理ステップを経て、画像データはしばしば変更されます。例として、画像をグレースケールに変換し、サイズを変更し、複数のフレームをスタックすることがあります。これにより、観測空間は次のように定義されることがあります:
observation_space = spaces.Box(low=0, high=255, shape=(84, 84, 4), dtype=np.uint8)
shape
の変更により、画像サイズが84x84にリサイズされ、4つの連続するフレームがスタックされています。これにより、エージェントは動きの情報を時間的に捉えることができます。
3. その他の形式
特定のシミュレーションや環境では、観測空間が画像データではなく、センサー読み取り値や他の数値データを直接利用する場合もあります。例えば、ロボティクスのシミュレーションでは、関節の位置、速度、角度などの物理的なパラメータが観測空間として使用されることがあります。
このように、観測空間はエージェントが操作する環境の状態をエンコードするためのデータ構造として、その内容は非常に多様であり、エージェントの設計や学習タスクに適応する形で設定されます。