Article #958

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Pongと強化学習 (87)

posted by sakurai on March 6, 2025 #958

envの内部画面配列は実際はどのように定義されていますか?


envの内部画面配列、つまり観測空間は、OpenAI Gym 環境によって提供される状態(観測)のデータ構造です。これは、エージェントが受け取る環境の状態を表現します。具体的な定義はゲームやシミュレーションの種類によって異なりますが、通常、以下のような形式が多く見られます:

1. オリジナルの画像データ

ビデオゲームなどの場合、オリジナルの画像データはしばしばRGBカラー画像として提供されます。たとえば、Atariゲームの一般的な解像度は210x160ピクセルで、各ピクセルはRGB値を持ちます。この形式の観測空間はBox型で定義され、以下のように設定されることが一般的です:

    from gym import spaces
    observation_space = spaces.Box(low=0, high=255, shape=(height, width, channels), dtype=np.uint8)
  • lowhighはピクセル値の最小値と最大値を示し、通常RGBの各色成分は0から255の値を取ります。
  • shapeは画像の次元を指定します。例えば、高さが160、幅が210、3つのカラーチャネル(RGB)を持つ場合、(160, 210, 3)となります。
  • dtype=np.uint8はデータ型を8ビットの符号なし整数と指定しています。

2. 加工後の画像データ

強化学習のための前処理ステップを経て、画像データはしばしば変更されます。例として、画像をグレースケールに変換し、サイズを変更し、複数のフレームをスタックすることがあります。これにより、観測空間は次のように定義されることがあります:

    observation_space = spaces.Box(low=0, high=255, shape=(84, 84, 4), dtype=np.uint8)
  • shapeの変更により、画像サイズが84x84にリサイズされ、4つの連続するフレームがスタックされています。これにより、エージェントは動きの情報を時間的に捉えることができます。

3. その他の形式

特定のシミュレーションや環境では、観測空間が画像データではなく、センサー読み取り値や他の数値データを直接利用する場合もあります。例えば、ロボティクスのシミュレーションでは、関節の位置、速度、角度などの物理的なパラメータが観測空間として使用されることがあります。

このように、観測空間はエージェントが操作する環境の状態をエンコードするためのデータ構造として、その内容は非常に多様であり、エージェントの設計や学習タスクに適応する形で設定されます。


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