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Article #476

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posted by sakurai on May 23, 2022 #476

パターン1

再度、ISO 26262第2版解説書に示された導出過程に沿ってPMHF式を導出します。この導出過程によればパターン2に重大な誤りがあります。その原因はIFのフォールトの積分範囲なのですが、次稿で説明します。

図309.1の再掲になりますが図476.1に解説書のパターン1の導出過程を引用します。

図%%.1
図476.1 規格解説書パターン1

時刻tがSM1のフォールト発生時刻、時刻tが引き続くIFのフォールト発生時刻です。ttの制約を示します。 {t:Time of fault of SM1,0tTlifetimet:Time of fault of IF,ttTlifetime

図476.1ではパターン1のIFのフォールトの積分範囲、つまりtの範囲はttTlifetimeとなっています。従って、tが大となるに従ってtの範囲が狭くなり、IFのフォールト発生確率も小さくなります。つまり、tPr{IF fails at t}は逆相関の関係があります。

図%%.2
図476.2 2nd editionパターン1積分範囲

基本的には解説書に従った導出過程で計算しますが、誤りを修正します。まずIFのフォールトに関する積分である、「時刻tまでup、かつ、tでフォールトする確率」という以下の式(476.2)(図476.1から抜粋引用)は TlifetimetfIF,DPF(t)dtRIF(t)() (476.3)に示す2か所が誤りとその修正です。ただしこの誤りはたまたま結果に影響しません。 {RIF(t)RIF(t)(up条件)fIF,DPF(t)λIF,DPF(down条件)

(476.3)はIFに関するup条件及びdown条件ですが、この両者は同じIFに関する事象であるため独立ではありません。down条件に関しては(66.8)で示す条件付き確率を用いる必要があります。従って(476.2)を(476.4)のように、「時刻tまでup、かつ、tでフォールトする条件付き確率」と修正します。するとIFのフォールトに関する確率(476.2)は、 Pr{IF is in LAT2SIF fails in [t,Tlifetime)}=Pr{IF up at tIF preventedIF fails in [t,Tlifetime)}=Pr{IF prevented}TlifetimetPr{IF down in [t,t+dt)IF up at t}=KIF, DPFTlifetimetPr{IF down in [t,t+dt) | IF up at t}Pr{IF up at t}=KIF, DPFTlifetimetλIFRIF(t)dt=KIF, DPFTlifetimetfIF(t)dt=KIF, DPF[FIF(t)]Tlifetimet=KIF, DPF[FIF(Tlifetime)FIF(t)]KIF, DPFλIF(Tlifetimet) と表せます。ここで途中の式

KIF, DPFTlifetimetλIFRIF(t)dt=TlifetimetλIF,DPFRIF(t)dt と(476.2)を比較すると、(476.3)で示した解説書の2点の誤りが確認できます。

(476.4)によりtにおけるIFの車両寿命までのフォールト確率を表せました。ttの条件下ではSMとIFのフォールトの確率は独立として掛け合わせることができるので、パターン1のPMHFは、 MPMHF,P1=1TlifetimeTlifetime0Pr{SM1 down in [t,t+dt)SM1 undetected SM1 up at t}{KIF,DPFλIF(Tservicet)}=1TlifetimePr{SM1 undetected}Tservice0Pr{SM1 down in [t,t+dt) | SM1 up at t}Pr{SM1 up at t}{KIF,DPFλIF(Tservicet)}=1Tlifetime(1KSM1,DPF)Tlifetime0λSM1RSM1(t){KIF,DPFλIF(Tlifetimet)}dt=1Tlifetime(1KSM1,DPF)KIF,DPFTlifetime0fSM1(t)λIF(Tlifetimet)dt1Tlifetime(1KSM1,DPF)KIF,DPFλIFλSM1[Tlifetimet12t2]Tlifetime0=12KIF,DPF(1KSM1,DPF)λIFλSM1Tlifetime=12λSM1,DPF,latλIF,DPFTlifetime となります。なお、式変形中に弊社積分公式(471.3)を使用しています。

結果の(476.6)は次の図476.3に引用する規格第2版式のパターン1と正確に一致します。導出のベースがIFUモデルとなっているのが理由です。

図%%.3
図476.3 規格第2版式(パターン1をハイライト)

さらに(476.6)は、次の図476.4に引用する規格初版第1式のパターン1に相当する部分(黄色部分)とも(IF⇒mと読み替えることにより)正確に一致します。導出のベースがIFUモデルとなっているのが理由です。

図%%.4
図476.4 規格初版式第1式(パターン1をハイライト)

なお、本稿はRAMS 2024に投稿予定のため一部を秘匿していますが、論文公開後の2024年2月頃に開示予定です。


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