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確率論 (13) |
マルチンゲール
マルチンゲールの定義です。
可積分な$\text{c}\grave{\text{a}}\text{dl}\grave{\text{a}}\text{g}$過程$M=\{M_t\mid t\in T\}$が$\{\mathcal{F}_t\}$に適合していて、ほとんど確実に $$ E(M_t\mid \mathcal{F}_s)=M_s\ \ \ \ (t\gt s) $$ が成り立つとき、$M$を$\{\mathcal{F}_t\}$に関するマルチンゲールという。
これで分かるように、マルチンゲールとなる確率過程に関しては、過去($s$)の事象を完全に記憶していても、未来の期待値は現在の期待値と同じであることを表しています。いわゆる公平な賭けを表す確率過程です。
上記確率過程$M$が $$ E(M_t\mid \mathcal{F}_s)\geq M_s\ \ \ \ (t\gt s) $$ が成り立つとき、$M$を$\{\mathcal{F}_t\}$に関する劣マルチンゲールという。 $$ E(M_t\mid \mathcal{F}_s)\leq M_s\ \ \ \ (t\gt s) $$ が成り立つとき、$M$を$\{\mathcal{F}_t\}$に関する優マルチンゲールという。
教科書にはランダムウォークの例が良く書かれていますが、増加、減少の確率が$\frac{1}{2}$であるときに限りマルチンゲールとなります。不信頼度は非減少関数なので、劣マルチンゲールです。
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