PMHFについてAIに聞いてみます。AIはBingを使用することにしました。その理由はBingは最新情報を得るためにweb検索を行う機能があるためです。
実行するたびに性格もいろいろ変化し、誤りを指摘してもガンとして曲げない性格のAIが居ました。そのAIは誤りを指摘しても「どこにそのような根拠があるのか」と逆切れし、終いにはこちらの指摘を「攻撃であり、不快である」として回答を打ち切りました。ChatGPTは大変穏やかな印象がありますが、BingのAIは感情を持っているようです。
以下に示すのは幸い素直なAIだったようで、誤りを指摘すれば素直に修正しました。問答の当初は正しい回答は出ませんでした。例えば確率と故障率を間違えて回答してきます。グリーンが人間側の質問(入力)です。
(問答の前半を省略)
$\lambda$は確率ではなく故障率です。修正した上で回答してください。
Bing: すみません、私は確率と故障率を混同していました。ご指摘ありがとうございます。$\lambda$は確率ではなく故障率であるというのは正しいですね。故障率は時間あたりの故障数であり、確率とは異なります。修正した回答は以下の通りです。
ISO 26262のPMHFとは、Probabilistic Metric for random Hardware Failuresの略で、ランダムなハードウェア故障によるアイテムレベルでの各安全目標の違反のアイテムの運転寿命にわたる時間当たりの平均確率の目標値です。数式はPart 10に記載されており、以下のようになります 。
$$
M_\text{PMHF}=\lambda_\text{RF}+\frac{1}{2}\lambda_\text{IF,MPF}
\left(\lambda_\text{SM,lat}T_\text{lifetime}
+\lambda_\text{SM,dp}\tau\right)
$$
この式のパラメータは以下の通りです 。
・$\lambda_\text{RF}$: 残余故障率 (Residual Fault Rate)。主機能が故障して安全機構が安全目標侵害を防止できなかった残余故障の時間あたりの故障数。
・$\lambda_\text{IF,MPF}$: 主機能が故障し、安全目標を侵害しない確率 (Mission Profile Failure Probability)。主機能が故障する時間あたりの故障数のうち、安全目標を侵害しない部分を表す。
・$\lambda_\text{SM,lat}$: レイテント安全機構故障率 (Safety Mechanism Latent Failure Rate)。安全機構が故障しても2nd SMによって検出されない時間あたりの故障数。
・$\lambda_\text{SM,dp}$: 検出可能な安全機構故障率 (Safety Mechanism Dependent Failure Rate)。安全機構が故障しても2nd SMによって検出される時間あたりの故障数。
・$T_\text{lifetime}$: アイテムの運転寿命 (Item Lifetime)。
・$\tau$: 検査インターバル (Inspection Interval)。定期的に故障を検出・修理する間隔。
DPF項となるのはどれですか?DPFとは主機能と安全機構の故障が両方とも起こっている状態で、かつVSGとなっている状態を指します。
Bing: DPF項となるのは、$\lambda_\text{SM,dp}\cdot\tau$です。DPFとは、Dependent Failure Probabilityの略で、主機能と安全機構の故障が両方とも起こっている状態かつ安全目標侵害 (VSG)となっている確率です。
(続く)
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