PMHFの算出法について以下の動画を見つけました。どうやらコンサル会社のビデオのようです。https://youtu.be/ndG1Kcc89hs
メディニアナライザを使用したようですが、PMHFの値は一見して誤っています。
図887.1 結果レポート
表の数値を見る限り、計算方法はSPFとDPFを加えて
$$
PMHF=\lambda_\text{SPF}+\lambda_\text{MPF, latent}
$$
となっているようです。
この誤りは大変多く、過去にも
と複数あり、それらの誤りは以下の論文$\dagger$が元凶のようです。
$\dagger$Y. Chang, L. Huang, H. Liu, C. Yang and C. Chiu, "Assessing automotive functional safety microprocessor with ISO 26262 hardware requirements," Technical Papers of 2014 International Symposium on VLSI Design, Automation and Test, Hsinchu, 2014, pp. 1-4, doi: 10.1109/VLSI-DAT.2014.6834876.
一方、以下に前記事にもあるようにPart 5のAnnex Fに掲載されている近似式を示します。
$$
PMHF=\lambda_\text{SPF}+\lambda_\text{MPF, latent}\cdot\lambda_\text{MPF, detected}\cdot T_\text{lifetime}
$$
この式はSPFとDPFを正しく意識し、それぞれを確率に直してから加え、最後に車両寿命で割っています。
それにしてもPMHFを算出する人たちはなぜ規格Part 10の、もしくはPart 5(上記)の式を用いずに、誤りの論文$\dagger$の式を参照するのでしょうか?参考にするならせめて規格式を参考にすれば良いと思うのですが。
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