Article #871

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posted by sakurai on September 19, 2024 #871

図867.1に基づき、Q-networkからTarget Q-networkへのインタフェースを聞いてみます。


Deep Q-Network (DQN) アーキテクチャにおいて、Q-networkとTarget Q-networkの間で直接的な「出力信号」の交換はありません。代わりに、これら二つのネットワークは同じ構造を持ちながら、異なるパラメータセットを用いて状態$s$に対する行動$a$の価値、すなわちQ値を推定します。Q-networkのパラメータを$\theta$、Target Q-networkのパラメータを$\theta^-$とすると、それぞれのQ値は$Q(s, a; \theta)$および$Q(s, a; \theta^-)$と表されます。

Q-networkからTarget Q-networkへの「更新」

Target Q-networkの役割は、学習中の更新プロセスにおいて、安定したQ値の目標値を提供することにあります。Q-networkからTarget Q-networkへの「インタフェース」は、一定間隔で$\theta$の値を$\theta^-$へとコピーする更新プロセスを通じて行われます。この更新は以下のように行われます。

$$ \theta^- \leftarrow \theta $$

この更新操作により、Target Q-networkのパラメータ$\theta^-$がQ-networkのパラメータ$\theta$に置き換わります。これにより、学習プロセス中のターゲットQ値の計算に一定の安定性がもたらされます。

Target Q-networkの役割

Target Q-networkは、TD誤差(Temporal Difference error)の計算において、次の状態$s'$での最大Q値を提供します。具体的には、学習の各ステップにおいて、TD誤差は以下の式に従って計算されます。

$$ TD_{\text{error}} = \left( r + \gamma \max_{a'} Q(s', a'; \theta^-) - Q(s, a; \theta) \right) $$

ここで、$r$は報酬、$\gamma$は割引率です。このTD誤差は、Q-networkのパラメータ$\theta$の勾配降下更新に使用されますが、Target Q-network自体からQ-networkへの直接的な「出力信号」はありません。

要約すると、Q-networkとTarget Q-network間のインタフェースは、パラメータの定期的なコピーによるものであり、このプロセスによって、学習の安定性と効率が向上します。


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