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posted by sakurai on August 17, 2022 #496

設計方針

前回のBSVによるサウンドFSMの設計においては、ステートベース設計手法により設計しました。ステートベース設計とは、ここでは一連のフローを、クロックサイクルで定義されるステートに分解し、ステートのルールを一つずつ書いていく手法を指します。ただ、Verilogでも同じ手法で設計するため工数は同じであり、高級言語のご利益はありません。

前回の設計では、以前にVerilogでステートベースで設計した経験があるので、階層化ルールを用いて階層化FSMをステートベース設計しました。今回は比較のため、シーケンスベースで設計しようと思います。シーケンスベース設計とは、ここではシナリオを人手でステートに分解せずに、BSVに任せることを指します。

使用コンパイラ

ところが、2021年末にアップグレードのため、bscを再コンパイルしたところ(build 9a7d5e05)、Verilog出力が正しくできなくなりました。具体的にはスタックオーバーフローというエラーが出ます。フォーラムで聞いたところソースを送って欲しいとのことでした。

ソースを送って調べてもらいましたが、スタックを広げるコマンドを実行してもエラーが出るらしく、ソースを改善せよとのことです。ソースは巨大なFSMから構成されるため、FSMを分離したいのはやまやまなのですが、教えられた通り実施しても、bscが一個のFSMにまとめようとするためうまく行きませんでした。やむなく、以前のコンパイラ(build 38534dc)を使い続けることにします。

処理フロー

図54.2は以前の記事に示したもので、FSMはこれをデコードし、音声を出力するものです。

図54.2
図54.2 waveフォーマット例

従って、基本的なフローはこのフォーマットどおりのステートベース設計のものを踏襲します。

  • コード待ち ---- FSM0~3に応じたコードを受け付ける)
  • 例外フラグ ---- UFOの場合はONからOFFまでサウンドをならし続ける等の例外への対処
  • コードに応じてROMの先頭+16にポインタを移す
  • フォーマットサイズを取得し、ポインタをフォーマット長分だけ増加
  • "data"をスキップ
  • データサイズを取得しカウンタにセット
  • ポインタをデータの先頭に移す
  • 終了条件でなければループ
  •  音声データを取り出す
  •  データを出力
  •  ポインタを進める
  •  カウンタを1減らす
  • ループ終端

ここで前回は、上記ループ内部において、インターポレーションのため4クロックからなるサウンド出力を4回繰り返していました。が、出力はループ内では変わらないので、16サイクルに1回出力すれば良いことになります。よって上記のループは16サイクルになるように設計します。


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