Posts Tagged with "AI"

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Pongと強化学習 (73)

posted by sakurai on November 14, 2024 #894

atari_dqnのレポジトリにおいて、Q-networkwork構造を記述する以下のpythonコードピースを見つけたので、同様な形式で解説して貰います。

class QNetwork(nn.Module):
    def __init__(self, env):
        super().__init__()
        self.network = nn.Sequential(
            nn.Conv2d(4, 32, 8, stride=4),
            nn.ReLU(),
            nn.Conv2d(32, 64, 4, stride=2),
            nn.ReLU(),
            nn.Conv2d(64, 64, 3, stride=1),
            nn.ReLU(),
            nn.Flatten(),
            nn.Linear(3136, 512),
            nn.ReLU(),
            nn.Linear(512, env.single_action_space.n),

このQNetworkクラスは、PyTorchを使用して定義された畳み込みニューラルネットワーク(CNN)で、特にAtariゲームのようなビジュアルベースの環境で強化学習エージェントのQ値を推定するために設計されています。以下に、各層の役割について説明します。

入力層

このネットワークは、4チャネルの84x84ピクセルの画像を入力として受け取ります。4つのチャネルは、現在のフレームと過去3フレームを表し、動きや時間的な変化を捉えることができます。

第1の畳み込み層

  • : nn.Conv2d(4, 32, 8, stride=4)
  • 機能: この層は、8x8のカーネル(フィルター)を32枚使用し、ストライド(ステップサイズ)は4です。4つの入力チャネル(前の4フレーム)に対して畳み込みを行い、特徴マップを32枚生成します。この畳み込みにより、画像の初期特徴が抽出されます。
  • 活性化関数: ReLU。非線形性を導入し、モデルの表現力を高めます。

第2の畳み込み層

  • : nn.Conv2d(32, 64, 4, stride=2)
  • 機能: 第1層で抽出された特徴マップをさらに精密化します。4x4のカーネルを64枚使用し、ストライドは2です。これにより、より複雑な特徴が抽出されます。
  • 活性化関数: ReLU。

第3の畳み込み層

  • : nn.Conv2d(64, 64, 3, stride=1)
  • 機能: 更に精緻な特徴を抽出するため、3x3のカーネルを64枚使用し、ストライドは1です。この層は、より細かな特徴を捉えることができます。
  • 活性化関数: ReLU。

全結合層

  • : nn.Linear(3136, 512)
  • 機能: 畳み込み層からの出力を平坦化し、3136個のユニットからなるベクトルを入力として受け取ります。この層は512個の隠れユニットを持ち、畳み込み層で抽出された特徴を基に高レベルの特徴を学習します。
  • 活性化関数: ReLU。

出力層

  • : nn.Linear(512, env.single_action_space.n)
  • 機能: 512個の隠れユニットから、行動空間のサイズに対応する数の出力(各行動に対するQ値)を生成します。env.single_action_space.nは、エージェントが選択可能な行動の総数を示します。この層は、各行動の期待される報酬の推定値を出力します。

このネットワークは、入力画像から直接、特定の行動に対するQ値を推定する能力を提供し、エージェントが最適な行動を選択するための情報を生成します。


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Pongと強化学習 (72)

posted by sakurai on November 13, 2024 #893

Deep Q-Network (DQN) for Atari GamesというGithubリポジトリがあったので、それに基づいてPongのDQNによるトレーニングをやってみました。

https://github.com/adhiiisetiawan/atari-dqn?tab=readme-ov-file#installation

図893.1は始めたばかりで、緑の学習機のパドルはほとんど打ち返すことができません。ランダムにパドルを動かすだけなので、偶然に打ち返すことはあるものの一点も取れませんでした。

図%%.1
図893.1 エピソード8

図893.2は約26H経過した後で、緑の学習機のパドル操作は上手になっており、あまりボールを逸らすことはなくなりました。コンピュータ相手に大差で勝てるまで上達しています。

図%%.2
図893.2 エピソード5000

図893.3は約26H経過した後のQ値とTD損失の推移グラフです。横軸の単位は時間です。Q値は報酬と関係しているため、大きいほうが良く、TD損失は誤差であるため、小さいほうが良い行動ということができます。

図%%.3
図893.3 Q値とTD損失の推移

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Pongと強化学習 (71)

posted by sakurai on November 12, 2024 #892

Q-networkの図があったので掲載します。

図%%.1
図892.1 Q-network

示されたQ-networkの構造は、典型的な強化学習タスクで使用される畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の構成の一例です。特に、Atariゲームのようなビジュアルベースのタスクで使用されることが多い構成です。ここでは、各層がどのような役割を果たしているかを説明します。

1. 入力層: 4x84x84 --- 4つの前のフレームのスタック

  • この層は、ゲームの現在の画面と過去3つの画面を含む、4つの連続するフレームからなる入力データを取り扱います。各フレームは84x84のグレースケール画像です。複数のフレームをスタックすることで、エージェントは動きや進行の速度など、時間的な情報を捉えることができます。これは、静止画だけでは得られない情報です。

2. 第1の畳み込み層: 16 8x8フィルター --- ReLU活性化関数を持つ畳み込み層

  • この層では、16個の8x8のフィルター(カーネル)を使用して畳み込みを行います。これにより、入力画像から特徴を抽出します。ReLU(Rectified Linear Unit)活性化関数が適用され、非線形性が導入されます。これにより、ネットワークはより複雑な特徴を学習することができます。

3. 第2の畳み込み層: 32 4x4フィルター --- ReLU活性化関数を持つ畳み込み層

  • 第2の畳み込み層では、より小さな4x4のフィルターを32個使用します。これにより、第1層で抽出された特徴からさらに詳細な特徴を抽出します。ReLU活性化関数がここでも使用され、特徴の非線形な組み合わせを可能にします。

4. 全結合層: 256隠れユニット --- ReLU活性化関数を持つ全結合層

  • 第2の畳み込み層の後には、256ユニットを持つ全結合層が続きます。この層は、畳み込み層からの出力を受け取り、それらを一次元のベクトルに平坦化します。そして、全てのユニットが互いに接続されています。ReLU活性化関数により、さらに非線形性が導入されます。

5. 出力層: 全結合線形出力層

  • 最後に、全結合の線形出力層があります。この層は、異なる行動に対応するQ値を出力します。層のユニット数は、エージェントが選択可能な行動の数に等しく、各ユニットの出力は特定の行動のQ値を表します。

このQ-networkの設計は、視覚的な入力から直接行動価値を推定する能力を提供します。畳み込み層は画像から特徴を抽出し、全結合層はこれらの特徴を利用して行動の価値を評価します。このネットワークを通じて、エージェントは画像データに基づいて最適な行動を決定することができます。


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Pongと強化学習 (70)

posted by sakurai on November 11, 2024 #891

以下の式が出てきたので、具体的にはどう実装したら良いかを聞いてみます。

$$ a^* = \arg\max_a Q(s, a; \theta) $$


Q値の選択と関連する行動$a$の選択に関しては、いくつかのポイントを明確にする必要があります。以下、順を追って説明します。

Q値の選択

  • バッチ処理:一般的に、Q-networkはバッチ処理を通じて複数の状態に対するQ値を一度に計算します。しかし、ある特定の状態$s$に対する最適な行動$a^*$の選択に際しては、その状態における全ての可能な行動$a$に対するQ値の中から最大のものを選び出すことになります。この選択は、その状態における行動のセットに基づいています。

  • 過去履歴からの選択:行動$a^*$の選択は、過去の履歴からではなく、現在の状態$s$に基づいて行われます。エージェントが現在の状態において取り得る全ての行動に対してQ値を計算し、その中から最も高いQ値を持つ行動を選択します。

選択の方法

  • 大小比較:最適な行動$a^*$の選択は、単純な大小比較によって行われます。具体的には、現在の状態$s$における全ての可能な行動$a$に対して計算されたQ値の中から、最も大きいQ値を持つ行動が選択されます。

行動$a$の逆引き

  • 行動の逆引き:Q値$Q(s, a; \theta)$の計算において、$a$は入力の一部ですが、最適な行動$a^*$を選択する際には、各行動に対するQ値を計算し、そのQ値の中から最大値を持つ行動を「逆引き」する形で特定します。つまり、Q値の計算時にはすでにどの行動がどのQ値に対応するかがわかっているため、最大のQ値を出した行動を直接特定できます。

実装の方法

  • 実装上の処理:プログラミングにおいては、ある状態$s$に対する全行動$a$のQ値をベクトルやリストとして保持し、最大のQ値を持つ要素のインデックスを取得することで、最適な行動$a^*$を効率的に選択することが一般的です。このプロセスは、多くのプログラミング言語や機械学習フレームワークでサポートされている操作です。

このように、Q値から最適な行動$a^*$を選択するプロセスは、現在の状態における全行動に対するQ値の評価と、それらの中から最大値を持つ行動の特定に基づいています。


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Pongと強化学習 (69)

posted by sakurai on November 8, 2024 #890

DQN損失関数を深掘りしてみます。


DQN損失関数において2乗を取る理由は、確かに予測誤差の正負を問わず、その大きさ(絶対値)を考慮するためです。この損失関数は、TD誤差(Temporal Difference error)の二乗として定義され、エージェントの行動価値関数の予測が実際の報酬からどれだけ離れているかを量る指標となります。具体的には、以下の形で表されます:

$$L(\theta) = \mathbb{E}\left[\left(r + \gamma \max_{a'} Q(s', a'; \theta^-) - Q(s, a; \theta)\right)^2\right]$$

2乗した数値の扱い方

  • 損失の平均化:一般的に、学習データセット全体またはバッチ内のサンプルに対する損失の平均(または総和)を取ることで、モデルのパラメータを更新する際の目的関数とします。期待値$\mathbb{E}[\cdot]$は、この平均化された損失を表しています。

  • 勾配降下法:損失関数の平均化された値に基づいて、勾配降下法(またはそのバリエーション)を用いてネットワークのパラメータ$\theta$を更新します。具体的には、損失関数のパラメータに対する勾配(偏微分)を計算し、その勾配の方向にパラメータを少しずつ動かすことで、損失を最小化するパラメータの値を探します。

  • 安定性と収束の向上:2乗損失は、特に大きな誤差に対してペナルティを大きくするため、予測を正確に行うようにモデルを強く促します。また、二乗損失関数は微分可能であり、勾配降下法による最適化が比較的容易であるため、学習プロセスの安定性と収束の向上に寄与します。

注意点

ただし、二乗損失関数は外れ値に対して敏感であるため、非常に大きな誤差を持つサンプルが存在する場合には、モデルの学習がそのようなサンプルに過剰に影響を受ける可能性があります。この点を考慮し、場合によっては損失関数として絶対値損失(L1損失)を使用することもありますが、DQNの文脈では二乗損失が一般的に使用されています。


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Pongと強化学習 (68)

posted by sakurai on November 7, 2024 #889

前記事において、ChatGPTは

  • Q-networkの出力:

    • Q-networkは、ある状態$s$と行動$a$に対するQ値、$Q(s, a; \theta)$を出力します。これは、現在のパラメータ$\theta$を用いたQ-networkの予測値です。
  • Target Q-networkの出力:

    • Target Q-networkは、次の状態$s'$におけるすべての可能な行動$a'$に対するQ値の最大値、$\max_{a'} Q(s', a'; \theta^-)$を出力します。ここで、$\theta^-$はTarget Q-networkのパラメータです。

と回答しました。Q-networkとTarget Q-networkは同じ構造であるという理解なのにTarget Q-networkのみが最大値を出力できるのは不合理なので、そこを追求しました。


確かに、そのような表記は誤解を招く可能性がありますね。実際には、Q-networkとTarget Q-networkは構造的に同一であり、どちらも任意の状態における全ての行動に対するQ値を計算する能力を持っています。彼らの主な違いは使用目的とパラメータの更新頻度にありますが、それぞれが「最大値を計算する」という能力に差はありません。

明確化

  • Q-networkTarget Q-networkはどちらも、入力された状態に対して全ての可能な行動のQ値を計算する能力があります。これらのQ値から最大値を選択するプロセスは、これらのネットワーク自体の内部機構ではなく、アルゴリズムの外部で行われる処理の一部です。

  • 最大値の計算は、DQNアルゴリズムの一部として、特にTarget Q-networkの出力を利用して行われます。これは、未来の報酬の最大化を目指して最適な行動を推定するための手段ですが、この計算自体はアルゴリズムの制御の下で行われるものであり、Target Q-networkが独自に「最大値を計算する能力」を持っているわけではありません。

より正確な表現

したがって、より正確には、「Target Q-networkが次の状態における全ての可能な行動のQ値の最大値を出力する」というよりも、「Target Q-networkは次の状態における全ての可能な行動のQ値を計算し、その中から最大のQ値が選択される」と表現する方が適切です。この最大値の選択は、Target Q-networkの計算結果をもとにしてDQNアルゴリズムが行うプロセスの一部です。

このように表現することで、Q-networkとTarget Q-networkが基本的には同じ機能を持ち、アルゴリズムによってどのように利用されるかが異なるだけであることを、より明確に伝えることができます。


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Pongと強化学習 (67)

posted by sakurai on November 1, 2024 #885

$\theta$を深掘りしてみます。


ニューラルネットワークの各層には多数のニューロンが存在し、各ニューロン間の接続には重みが割り当てられています。パラメータ$\theta$は、これらの重み(および場合によってはバイアス項も含む)の総体として考えることができます。つまり、$\theta$はネットワークの全ての学習可能なパラメータを表し、これらのパラメータを通じてネットワークの出力が決定されます。

ニューラルネットワークの重み

  • 重み:ニューロン間の接続の強さを表し、入力データが次の層へ伝播する際の重要度を決定します。これらの重みは学習プロセスを通じて更新され、データからパターンを学習するためのキーとなります。
  • バイアス:各ニューロンに加えられる追加のパラメータで、ニューロンの出力がアクティベートされる(活性化関数を通過する)しきい値を調整します。

パラメータ$\theta$の役割

  • 関数の近似:ニューラルネットワークは、基本的には入力から出力への複雑な関数を近似しています。パラメータ$\theta$(重みとバイアス)は、この関数の形状を決定します。
  • 学習プロセス:学習データを使用して損失関数を最小化することにより、パラメータ$\theta$は適切な値に更新されます。このプロセスにより、ネットワークはタスク(例えば、画像の分類、行動価値の推定など)に最適なパラメータを見つけ出します。

ニューラルネットワークの学習可能なパラメータの総体としての$\theta$には、ネットワークが複雑な関数を近似するために必要な全ての情報が含まれています。したがって、$\theta$はネットワークの学習と予測能力の根幹をなすものと言えます。


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Pongと強化学習 (66)

posted by sakurai on October 22, 2024 #881

前の質問において何がReplay MemoryからDQN lossにインタフェースするのかが曖昧でかつタプル全部を渡すと誤った説明をしたため、確認します。


確かに、その指摘は正確です。次の状態$s'$は直接DQN損失関数の計算には使われず、実際にはTarget Q-networkに渡されて、そこで次の状態におけるすべての可能な行動$a'$に対するQ値の最大値$\max_{a'} Q(s', a'; \theta^-)$を計算するために使用されます。この最大Q値は、DQN損失関数の計算において、未来の報酬の推定値として利用されます。

リプレイメモリからDQN損失計算への直接的な情報

リプレイメモリからDQN損失計算に直接渡される情報は、以下の通りです:

  1. 即時報酬$r$
  2. 終了フラグ$done$

これらの情報は、DQN損失関数の計算に直接使用されます。

損失関数の計算に関わるその他のプロセス

  1. 現在の状態$s$と行動$a$: これらはQ-networkを通じて、現在の行動価値$Q(s, a; \theta)$の計算に使用されます。
  2. 次の状態$s'$: $s'$はTarget Q-networkに渡され、次の状態における最大の行動価値$\max_{a'} Q(s', a'; \theta^-)$を計算するために使用されます。この値は、損失関数の計算において間接的に使用され、未来の報酬の推定値として機能します。

DQN損失関数の計算式

DQN損失関数は、これらの要素を基に以下のように計算されます:

$$L(\theta) = \mathbb{E}\left[\left(r + \gamma \max_{a'} Q(s', a'; \theta^-) \cdot (1 - done) - Q(s, a; \theta)\right)^2\right]$$

ここで、$\gamma$は割引率です。この式は、即時報酬$r$と、未来の報酬の推定値$\gamma \max_{a'} Q(s', a'; \theta^-)$(ただしエピソードが終了した場合は0となる)、および現在の行動価値$Q(s, a; \theta)$に基づいています。


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Pongと強化学習 (65)

posted by sakurai on October 21, 2024 #880

エージェントはそれ以外にも何があるかを聞いてみます。


ご指摘の通り、強化学習におけるエージェントの実装には、環境、Q-network、Target Q-network、DQN損失、Replay Memoryに加えて、ハイパーパラメータの管理やアルゴリズムの制御ロジックなど、さらに多くのコンポーネントや機能が必要になります。これらはエージェントの学習プロセスや意思決定プロセスの一部を形成し、効率的で効果的な学習を実現するために重要な役割を果たします。

エージェントの追加コンポーネントとその役割

  1. ハイパーパラメータ管理:

    • 学習率、割引率、ε-greedy法のεなどのハイパーパラメータは、学習プロセスにおいて重要な役割を果たします。これらはエージェントの挙動を大きく左右し、最適化される必要があります。
  2. 学習スケジュール:

    • 学習率やεの値を時間の経過とともに調整するためのスケジュールがあります。これらの動的な調整は、初期の探索と後期の利用のバランスを取るために不可欠です。
  3. アルゴリズムの制御ロジック:

    • 学習プロセス(例えば、いつReplay Memoryからのサンプリングを行い、いつTarget Q-networkを更新するか)を制御するロジックが必要です。

エージェントとそのコンポーネント間のインタフェース信号

具体的なインタフェース信号や動作を数学的に表現するには、以下のような要素が含まれます:

  • ハイパーパラメータ$ \alpha, \gamma, \epsilon $: $$ \text{学習率} \alpha, \text{割引率} \gamma, \text{探索率} \epsilon $$ これらは学習プロセスを制御し、特定の時間ステップや条件下で調整されることがあります。

  • 制御ロジック: $$ \text{if } t \bmod N = 0 \text{ then } \theta^- \leftarrow \theta $$ ここで、$t$は時間ステップ、$N$はTarget Q-networkを更新する頻度です。

  • 学習スケジュールに基づくハイパーパラメータの調整: $$ \epsilon \leftarrow \max(\epsilon_{\min}, \epsilon \times \text{decay_rate}) $$ 探索率$\epsilon$の調整例です。時間とともに$\epsilon$を減少させることで、初期の探索から後期の利用に重点を移します。

エージェントの実装には、これらのコンポーネントや機能が含まれ、それらの相互作用を通じて全体としての学習プロセスが構築されます。これらの詳細なインタフェース信号や制御ロジックを明確にすることは、効果的なエージェントの設計と実装において非常に重要です。


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Pongと強化学習 (64)

posted by sakurai on October 18, 2024 #879

前記事からの続きです。

エージェントという言葉は環境以外の総体を指すようなので聞いててみます。


はい、その理解は正しいです。強化学習において、「エージェント」という用語は、学習アルゴリズム、意思決定プロセス、およびその他の学習を支援するメカニズム(Q-network、Target Q-network、Replay Memory、ハイパーパラメータ管理など)を含む総体を指します。環境を除くこれらすべてのコンポーネントが、一般的にエージェントの一部と見なされます。

エージェントの定義

エージェントは、以下を行うシステムまたはエンティティです:

  • 環境からの入力(観測)を受け取る:エージェントは環境の現在の状態や、その状態に至るまでの履歴などの情報を受け取ります。
  • 行動を選択し、実行する:エージェントは選択した行動を環境に対して実行し、その結果として状態が変化したり報酬を受け取ったりします。
  • 学習を行う:エージェントは経験を通じて、より良い行動選択を行うための学習を行います。これには、獲得した報酬を最大化するようなポリシーを見つけるプロセスが含まれます。
  • ポリシー(行動選択戦略)を改善する:エージェントは学習プロセスを通じて、ポリシーを継続的に改善し、最終的には目標を達成することを目指します。

環境との区別

エージェントと環境は、強化学習システムの二つの主要な要素です。環境はエージェントが操作し、その操作に対して報酬や新しい状態情報を提供する外部のシステムまたはプロセスです。エージェントと環境は相互作用を通じて互いに影響し合いますが、環境はエージェントによって制御されるわけではなく、そのダイナミクスはエージェントにとって与えられたものとなります。

結論

したがって、「エージェント」という用語は、環境以外の、学習と意思決定に関わるシステム全体を指すのに適切な言葉です。エージェントは、環境との相互作用を通じて、目的を達成するための最適なまたは満足のいく行動戦略を学習する役割を担います。


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