Posts Tagged with "AI"

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Pongと強化学習 (43)

posted by sakurai on July 22, 2024 #838

TD誤差について聞いてみます。


Deep Q-Network (DQN) の実装では、行動価値関数$Q(s, a)$を使用して学習を行います。DQNは、各状態$s$で取り得る各行動$a$に対する期待報酬を推定することに焦点を当てたアルゴリズムで、強化学習の問題を解決するためにニューラルネットワークを利用します。

TD誤差のDQNにおける役割

DQNにおいて、TD誤差は次のように行動価値関数$Q$の差として計算されます:

$$ TD_{t} = R_{t+1} + \gamma \max_{a'} Q(S_{t+1}, a') - Q(S_t, A_t) $$

ここで、

  • $R_{t+1}$は時刻$t$での行動$A_t$に対する即時報酬です。
  • $\gamma$は割引率で、将来の報酬を現在の価値にどの程度割り引くかを示します。
  • $Q(S_{t+1}, a')$は次の状態$S_{t+1}$で取り得るすべての行動$a'$に対する$Q$値の最大値です。
  • $Q(S_t, A_t)$は現在の状態$S_t$と行動$A_t$に対する$Q$値です。

このTD誤差は、$Q$関数の現在の推定値と、観測された報酬に基づいて更新された$Q$値の推定値との差を表しています。DQNでは、このTD誤差を最小化することで、行動価値関数の推定を改善し、最終的に最適なポリシーに収束させます。

DQNの学習プロセス

  1. 経験リプレイ: DQNでは、エージェントの経験(状態、行動、報酬、次の状態)をメモリに保存し、学習時にランダムなミニバッチを抽出して使用します。これにより、サンプルの相関を減らし、学習を安定させます。
  2. ターゲット$Q$ネットワーク: 学習の安定性をさらに向上させるために、DQNではターゲット$Q$ネットワークを導入します。これは、定期的に更新される主$Q$ネットワークのコピーで、TD誤差の計算に使用されます。

Pongゲームのような環境では、DQNを用いて、画面のピクセルデータから直接最適な行動(例:パドルを上に動かす、下に動かす、動かさない)を学習することが可能です。このプロセスを通じて、エージェントはゲームをプレイする上での効果的な戦略を獲得していきます。


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Pongと強化学習 (42)

posted by sakurai on July 19, 2024 #837

正解値が無い強化学習でどのように誤差を減らすのかを聞いてみます。


強化学習では、伝統的な教師あり学習のように事前に定義された正解ラベルが存在せず、代わりにエージェントの行動に対する環境からのフィードバックとして報酬が用いられます。このため、強化学習の文脈では、クロスエントロピー損失を直接計算するのではなく、報酬に基づいてエージェントが最適なポリシーを学習する方法が採用されます。

報酬と損失関数

強化学習では、エージェントが取る行動に対して環境から得られる即時報酬(または遅延報酬)を最大化することが目標です。この目標を達成するために、報酬を最大化するポリシーを学習することに焦点を当てますが、報酬の最大化自体を直接の損失関数として使用するわけではありません。代わりに、TD誤差(Temporal Difference Error)や、行動価値関数(Q関数)の更新に基づく損失など、報酬に基づいて間接的に定義される損失関数が用いられます。

行動価値関数とTD誤差

強化学習における一般的なアプローチの一つに、Q学習があります。Q学習では、各状態-行動ペアに対する行動価値関数(Q関数)を推定し、エージェントが最適な行動を選択できるようにします。このとき、TD誤差は現在のQ値と、受け取った報酬及び次の状態における最大Q値との差として計算されます。TD誤差を最小化することで、エージェントは最適なポリシーに従って行動を学習します。

ポリシーグラディエント法

別のアプローチとしてポリシーグラディエント法があります。この方法では、エージェントのポリシー自体を直接最適化します。ポリシーグラディエント法では、報酬の期待値を最大化する方向に、ポリシーのパラメータを更新していきます。このプロセスでは、エピソード全体の報酬の合計を基に損失関数を定義し、この損失を最小化(実際には報酬の最大化)する方向にポリシーを更新します。

結論

従って、強化学習においては、「正解との誤差」を直接的に計量するのではなく、環境からのフィードバック(報酬)を基に最適なポリシーを学習するプロセスが採用されます。TD誤差の最小化、または報酬の期待値の最大化など、報酬に基づいた目標に対して間接的にアプローチすることにより、エージェントは最適な行動戦略を身につけることができます。


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Pongと強化学習 (41)

posted by sakurai on July 18, 2024 #836

特徴量をどのように行動につなげるのかを聞いてみます。


CNN(Convolutional Neural Network)から得られる特徴量と、それに基づいた行動(例えば、Pongゲームにおけるボールを打ち返す、落とす)の結果に対する報酬の関係を設定するには、強化学習の枠組みが通常使用されます。特に、CNNは環境の状態(ゲーム画面など)から有用な特徴を抽出し、それらの特徴に基づいてエージェントがどのように行動すべきかを学習するために用いられます。

特徴量から行動へのマッピング

CNNを通じて抽出された特徴量は、エージェントのポリシー(状態から行動へのマッピング)の決定に役立ちます。このポリシーは、一般にニューラルネットワークの最後の層(例えば、全結合層)によって実装され、特定の状態においてどの行動が最適か(最も高い報酬をもたらすか)をエージェントが学習することを可能にします。

報酬の設定

強化学習における報酬は、エージェントの行動の結果に基づいて定義されます。Pongゲームの例で言えば、ボールを打ち返したときに正の報酬を、ボールを落としたときに負の報酬(またはより小さい報酬)を設定することで、エージェントはボールを打ち返すことの重要性を学習します。

学習プロセス

  1. 環境の観測: エージェントはゲームの状態(画面の画像など)を観測します。
  2. 特徴抽出: CNNは観測された画像から特徴量を抽出します。
  3. 行動選択: 抽出された特徴量をもとに、ポリシー(ニューラルネットワークの最後の層など)が最適な行動を選択します。
  4. 行動実行と報酬の受領: エージェントは選択された行動を実行し、その結果として報酬を受け取ります。
  5. ポリシーの更新: 受け取った報酬と行動の結果に基づいて、ポリシー(行動選択戦略)を更新します。このプロセスは、エージェントがより良い行動選択を行えるようになるまで繰り返されます。

フィードバックループ

強化学習においては、この学習プロセス全体が継続的なフィードバックループを形成しており、エージェントはトライアルアンドエラーを通じて最適な行動戦略を徐々に学習していきます。CNNから得られる特徴量と報酬の関係を通じて、エージェントはゲームの「ルール」や「戦略」を理解し、パフォーマンスを向上させていきます。


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Pongと強化学習 (40)

posted by sakurai on July 16, 2024 #834

ReLUのBSVコードを要求してみます。


Bluespec SystemVerilog (BSV) でReLU(Rectified Linear Unit)活性化層を実装するための疑似コードを提供します。ReLUは、入力が正であればその値をそのまま出力し、負であれば0を出力する非常にシンプルな活性化関数です。

ReLU活性化関数の疑似コード

// ReLU活性化関数のインターフェイス定義
interface ReLU_IFC;
    method Bit#(DATA_WIDTH) apply(Bit#(DATA_WIDTH) input);
endinterface

module mkReLU#(parameter DATA_WIDTH = 32)(interface ReLU_IFC);
    typedef Bit#(DATA_WIDTH) DataT;

    // ReLU活性化関数を適用するメソッド
    method DataT apply(DataT input);
        DataT output = (input > 0) ? input : 0;
        return output;
    endmethod
endmodule

説明

この疑似コードは、一般的なReLU活性化関数を実装するBSVモジュールの例を示しています。mkReLUモジュールは、パラメータDATA_WIDTHを使ってデータのビット幅を指定できるようになっています。これにより、異なるビット幅のデータに対応可能です。モジュール内のapplyメソッドは、入力データinputを受け取り、ReLU関数を適用してその結果を返します。具体的には、入力が0より大きい場合はその値をそのまま出力し、そうでない場合(負の場合)は0を出力します。

注意点

  • 上記のコードは疑似コードであり、Bluespec SystemVerilogの正確な文法に従っていない可能性があります。実際にBSVでコーディングする際には、文法や型システムに注意してください。
  • DATA_WIDTHパラメータを使用することで、モジュールの汎用性を高めています。これにより、さまざまなデータ幅に対応することが可能になります。
  • 実際のハードウェア実装では、リソースの使用量や計算速度など、多くの要因を考慮する必要があります。特に、並列処理やパイプライン処理を適切に設計することで、性能を最適化できます。

ReLUはそのシンプルさから、多くのニューラルネットワークモデルで広く使用されています。この疑似コードが、BSVを使用したReLU活性化層の実装に向けた基本的な理解を提供することを願っています。


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Pongと強化学習 (39)

posted by sakurai on July 15, 2024 #833

Batch NormalizationのBSVコードを要求してみます。


Batch Normalization(バッチ正規化)は、ニューラルネットワークの学習を安定させ、加速するために一般的に使用される技術です。具体的には、ネットワークの各層における入力を正規化して、平均が0、分散が1になるように調整します。これにより、勾配消失や爆発の問題を軽減し、より高い学習率で安定して学習を進めることが可能になります。

ただし、BSV(Bluespec SystemVerilog)で直接的なバッチ正規化層のコードを提供することはできません。しかし、バッチ正規化の基本的なアルゴリズムに基づいて、その処理の流れを説明し、概念的な理解を深めることは可能です。

バッチ正規化の処理の流れ

  1. 平均の計算: 入力データのバッチに対して、特徴ごとに平均を計算します。
  2. 分散の計算: 同様に、特徴ごとに分散を計算します。
  3. 正規化: 各特徴に対して、その平均を引き、分散で割ることで、特徴を正規化します。
  4. スケーリングとシフト: 学習可能なパラメータによって正規化された特徴をスケーリングし、シフトします。これにより、ネットワークが必要に応じて、正規化の効果を打ち消すことが可能になります。

概念的な説明

バッチ正規化層をBSVで実装するには、上記の各ステップをハードウェアで実行可能な形に落とし込む必要があります。特に、平均と分散の計算は、入力データのバッチ全体にわたって行われるため、これらの統計量を計算し、各データポイントに適用するためのメカニズムを設計することが重要です。

疑似コード

Batch Normalization層の操作を疑似コードで示すことは可能です。以下の説明は、Batch Normalizationの基本的な処理を疑似コードで表したものです。この処理には、入力データのバッチに対する平均と分散の計算、それらを用いた正規化、およびスケーリングとシフトのステップが含まれます。

function BatchNormalization(inputBatch, gamma, beta, epsilon):
    # inputBatch: 入力データのバッチ。サイズは[バッチサイズ, 特徴量数]
    # gamma: スケーリングパラメータ。サイズは[特徴量数]
    # beta: シフトパラメータ。サイズは[特徴量数]
    # epsilon: 0除算を避けるための小さな数

    # 平均を計算
    mean = average(inputBatch, axis=0)

    # 分散を計算
    variance = variance(inputBatch, axis=0)

    # 正規化された特徴量を計算
    normalized = (inputBatch - mean) / sqrt(variance + epsilon)

    # スケーリングとシフトを適用
    output = gamma * normalized + beta

    return output
endfunction

この疑似コードでは、バッチ正規化の処理を関数として表しています。この関数は、入力データのバッチ、スケーリングパラメータgamma、シフトパラメータbeta、および0除算を避けるためのepsilonを受け取ります。関数内では、まず入力データのバッチに対して平均と分散を計算し、これらを用いてデータを正規化します。最後に、学習可能なパラメータであるgammabetaを使用して、正規化されたデータをスケーリングし、シフトさせて出力します。

実装上の注意

  • この疑似コードは、プログラミング言語やフレームワークに依存しない一般的な表現です。実際にBSVなどのハードウェア記述言語で実装する際には、配列操作や数学関数(平均、分散、平方根など)をサポートするための追加の設計が必要になります。
  • ハードウェアでの実装では、リアルタイムでの計算速度やリソース使用量など、特有の制約を考慮する必要があります。特に、平均や分散の計算を効率的に行うためのアルゴリズムの最適化や、平方根の計算を近似するための方法などが検討されます。
  • バッチ正規化層は学習プロセス中にパラメータを更新しますが、推論時にはこれらのパラメータは固定されます。そのため、学習と推論をサポートするための設計が必要です。

実装の考慮事項

  • リソース使用量: 平均と分散の計算には、大量のデータに対する加算と乗算が必要になるため、ハードウェアリソースの使用量を考慮する必要があります。
  • 並列処理: BSVの強力な並列処理能力を利用して、平均と分散の計算、および正規化処理を高速化できます。
  • パイプライン処理: データの流れをパイプライン化することで、処理のレイテンシを最小限に抑えることができます。
  • パラメータの更新: スケーリングとシフトに使用されるパラメータは、学習プロセスによって更新される必要があります。これらのパラメータを効率的に更新するためのメカニズムを設計することが重要です。

バッチ正規化層のBSVによる具体的な実装は、これらの基本的な考慮事項に基づいて行われます。実際のコーディングに進む前に、必要な計算の詳細を理解し、適切なハードウェア設計戦略を立てることが重要です。


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Pongと強化学習 (38)

posted by sakurai on July 5, 2024 #832

3x3 Convolutional LayerのBSVコードを要求してみます。


Bluespec SystemVerilog(BSV)で3x3の畳み込み層を実装するためのコンセプトを理解することは重要ですが、直接的なBSVコードの提供はできません。ただし、畳み込み層の基本的な概念をもとに、疑似コードや概念的な説明を提供することで、BSVでの実装への理解を深めることができます。

3x3畳み込み層の基本概念

3x3畳み込み層は、入力特徴マップ上で3x3のカーネル(またはフィルター)をスライドさせながら、カーネルと入力の各部分の要素積の和を計算します。この操作により、画像の特徴を抽出します。

疑似コード

以下の疑似コードは、3x3畳み込み層の操作を概念的に示しています。このコードは、BSVの構文ではなく、一般的なプログラミングの疑似コードです。

module mkConvolution3x3#(parameter WIDTH = 256, HEIGHT = 256)(
    input bit [WIDTH-1:0][HEIGHT-1:0] inputFeatureMap,
    input bit [8:0] kernel,  // 3x3カーネル、フラット化された9ビットの値
    output bit [WIDTH-2:0][HEIGHT-2:0] outputFeatureMap // 出力サイズはストライドとパディングに依存
);
    for (Integer row = 1; row < HEIGHT-1; row = row + 1) {
        for (Integer col = 1; col < WIDTH-1; col = col + 1) {
            Integer sum = 0;
            for (Integer kr = -1; kr <= 1; kr = kr + 1) {
                for (Integer kc = -1; kc <= 1; kc = kc + 1) {
                    // 入力特徴マップとカーネルの要素積の和を計算
                    sum += inputFeatureMap[row+kr][col+kc] * kernel[(kr+1)*3 + (kc+1)];
                }
            }
            // 出力特徴マップに畳み込み結果を代入
            outputFeatureMap[row-1][col-1] = sum;
        }
    }
endmodule

実装のポイント

  • フィルターと入力のデータタイプ: 上記の例では、簡略化のためにビット型を使用していますが、実際には固定小数点数や浮動小数点数を使用することが多いです。BSVでは、適切なデータタイプを使用して精度を管理します。
  • パラメータ化: カーネルサイズ、入力と出力のサイズ、ストライド、パディングなどのパラメータをモジュールの引数として設定できるようにします。
  • 並列処理: 畳み込み演算はデータの異なる部分で独立して行うことができるため、BSVの並列処理機能を活用して性能を向上させることができます。

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Pongと強化学習 (37)

posted by sakurai on July 4, 2024 #831

mobilenetの論文を見ると、図831.1のように通常のレイヤと比べて深さ方向のコンボリューションが特徴のようなので、確認してみました。

図%%.1
図831.1 通常のCNNとMobilenet CNNの違い

Pongゲームの画像のように、入力チャネルが1つだけ(深さが1ビット)の場合、Depthwise Convolutionを適用するという考え方は通常の畳み込みと同義になります。Depthwise Convolutionの主な利点は、入力チャネルごとに畳み込みを行い、パラメータの数と計算コストを削減することにありますが、入力チャネルが1つだけの場合、この利点は生じません。

通常のCNNでは、3x3の畳み込み層に続いてバッチ正規化層とReLU活性化層が配置されます。この構成は、複数チャネルを持つ画像に対して非常に効果的で、特徴抽出と非線形性の導入により、高度なパターンを学習することができます。

MobileNetのようなアーキテクチャが採用するDepthwise Separable Convolutionは、計算コストとモデルのサイズを削減する目的で設計されていますが、Pongゲームのような1チャネル(または深さが1ビット)の入力に対しては、単純な3x3の畳み込み層を使用する方が適切です。この場合、計算の複雑さを増やすことなく、必要な特徴抽出を行うことができます。

PongゲームのCNN構成

Pongゲーム用のシンプルなCNNアーキテクチャでは、次のような層を検討することができます:

  1. 3x3 Convolutional Layer: 入力画像に対して畳み込みを行い、基本的な特徴を抽出します。
  2. Batch Normalization Layer (オプション): 学習を安定させ、高速化するために使用されることがあります。
  3. ReLU Activation Layer: 非線形性を導入し、モデルの表現力を高めます。

このような構成は、Pongゲームのシンプルな画像を効率的に処理し、ゲームの状態を理解するために必要な特徴を抽出するのに役立ちます。計算コストとモデルの複雑さを考慮しながら、タスクの要件に最適なアーキテクチャを選択することが重要です。


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Pongと強化学習 (36)

posted by sakurai on July 1, 2024 #828

プーリング層を実装するBSVコードを要求してみます。


Bluespec SystemVerilog(BSV)でプーリング層、特にMax Pooling層を実装するための基本的なアプローチを示します。プーリング層は、入力特徴マップのサブサンプリングを行い、特徴の位置変化に対するロバスト性を向上させるとともに、計算量とパラメータの数を減少させる役割を持っています。Max Poolingは、そのウィンドウ内の最大値を出力することでこの処理を行います。

以下の例は、2x2 Max Poolingを行うBSVモジュールの疑似コードです。実際の実装では、入力サイズやデータタイプに応じて適切に調整する必要があります。

interface PoolingIface;
    method ActionValue#(Bit#(32)) apply(Bit#(32) in1, Bit#(32) in2, Bit#(32) in3, Bit#(32) in4);
endinterface

module mkMaxPooling(PoolingIface);
    method ActionValue#(Bit#(32)) apply(Bit#(32) in1, Bit#(32) in2, Bit#(32) in3, Bit#(32) in4);
        Bit#(32) maxVal = in1;
        if (in2 > maxVal) maxVal = in2;
        if (in3 > maxVal) maxVal = in3;
        if (in4 > maxVal) maxVal = in4;
        return maxVal;
    endmethod
endmodule

このコードスニペットでは、mkMaxPoolingモジュールがPoolingIfaceインターフェイスを実装しています。applyメソッドは、4つの入力(2x2のプーリングウィンドウを想定)を受け取り、その中の最大値を返します。この簡単な例では、32ビット幅のビット型(Bit#(32))を使用していますが、実際のデータタイプはアプリケーションによって異なります。

注意点と拡張

  • パラメータ化と柔軟性: 実際のアプリケーションでは、プーリングウィンドウのサイズやストライド、パディングなどをパラメータとしてモジュールに渡すことができるように、モジュールをより柔軟に設計することが望まれます。
  • 並列処理: プーリング層の計算は、入力特徴マップの異なる領域で独立に行うことができるため、BSVの強力な並列処理能力を活用して、性能を向上させることが可能です。
  • データタイプとビット幅: 固定小数点数や浮動小数点数など、適切な数値表現を選択することが重要です。また、ビット幅は計算精度とハードウェアリソースのトレードオフを考慮して選定します。

この疑似コードと説明が、BSVでのプーリング層実装の出発点となり、具体的な実装への理解を深める助けになれば幸いです。


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Pongと強化学習 (35)

posted by sakurai on June 28, 2024 #827

活性化関数についてBSVコードを要求してみます。


Bluespec SystemVerilog (BSV) で活性化関数であるReLU (Rectified Linear Unit) を実装する例を示します。ReLUは、入力が正であればその値を出力し、負であれば0を出力する非常にシンプルな関数です。この特性は、ハードウェアでの実装においても比較的直接的に表現することが可能です。

以下は、簡単なReLU活性化関数のBSVモジュールの例です。この例では、入力として32ビットの固定小数点数を想定していますが、実際のアプリケーションに応じてデータタイプやビット幅は調整する必要があります。

module mkReLU#(Integer dataWidth = 32)(ReLUIface);
    // ReLUIfaceは、入力と出力を含むインターフェイスを提供します。
    method ActionValue#(Bit#(dataWidth)) apply(Bit#(dataWidth) input);
        // ReLUの計算: 入力が0より大きい場合はそのまま、そうでなければ0を返す
        Bit#(dataWidth) output = (input > 0) ? input : 0;
        return output;
    endmethod
endmodule

このコードスニペットでは、mkReLUという名前のモジュールが定義されています。このモジュールは、ReLUIfaceというインターフェイスを通じて、ReLU関数のapplyメソッドを提供します。このメソッドは、入力値を受け取り、ReLUの計算を行った結果を返します。

注意点と拡張

  • データタイプとビット幅: 上記の例では、入力と出力のデータタイプをBit#(dataWidth)としていますが、実際のアプリケーションによっては、符号付き数や固定小数点数を使用する方が適切な場合があります。また、ビット幅(dataWidth)は、使用するデータの範囲や精度に応じて調整してください。
  • 性能と最適化: BSVで記述されたハードウェアモジュールの性能は、FPGAやASICでの実装によって異なります。特に、複数のReLUユニットを並列に実行することで、高いスループットを実現することが可能です。また、リソース使用量を抑えるための最適化も重要です。

この例は、BSVを用いたReLU活性化関数の基本的な実装を示しています。


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Pongと強化学習 (34)

posted by sakurai on June 27, 2024 #826

次のステップのPointwise Convolutionのコードを要求してみます。


Pointwise Convolution(1x1の畳み込み)は、チャネル間の組み合わせを学習するために使用されます。この操作では、各位置において、入力チャネルの深さ方向に1x1のカーネルを適用して、出力チャネルを生成します。しかし、Bluespec SystemVerilog (BSV) における具体的なコードの提供は直接行えませんが、Pointwise Convolutionの実装に向けた疑似コードと概念説明を提供できます。

Pointwise Convolutionの概念

  • 入力: $H \times W \times C_{in}$ のサイズを持つ入力特徴マップ。ここで、$H$ は高さ、$W$ は幅、$C_{in}$ は入力チャネル数です。
  • カーネル: $1 \times 1 \times C_{in} \times C_{out}$のサイズを持つカーネル。ここで、$C_{out}$ は出力チャネル数です。
  • 出力: $H \times W \times C_{out}$ のサイズを持つ出力特徴マップ。

疑似コード

module PointwiseConvolution#(parameter WIDTH = 256, HEIGHT = 256, C_IN = 1, C_OUT = 1)(
    input bit [WIDTH-1:0][HEIGHT-1:0][C_IN-1:0] inputFeatureMap,
    input bit [C_IN-1:0][C_OUT-1:0] kernel,
    output bit [WIDTH-1:0][HEIGHT-1:0][C_OUT-1:0] outputFeatureMap
);
    // 点畳み込み処理の実装
    for (Integer h = 0; h < HEIGHT; h = h + 1) {
        for (Integer w = 0; w < WIDTH; w = w + 1) {
            for (Integer co = 0; co < C_OUT; co = co + 1) {
                bit convolutionResult = 0;
                for (Integer ci = 0; ci < C_IN; ci = ci + 1) {
                    convolutionResult = convolutionResult + inputFeatureMap[h][w][ci] * kernel[ci][co];
                }
                outputFeatureMap[h][w][co] = convolutionResult;
            }
        }
    }
endmodule

実装のヒント

  • パラメータ化: カーネルサイズやチャネル数など、異なるネットワーク設定に柔軟に対応できるように、モジュールのパラメータを適切に定義します。
  • 並列処理: 出力チャネルごと、あるいはピクセル位置ごとに処理を並列化することで、計算の高速化を図ります。BSVの強力な並列処理能力を活用してください。
  • リソース管理: FPGAのリソース(メモリ、演算ユニットなど)の限界を考慮しながら、効率的な実装を心がけます。不要なデータの転送や演算を避けるために、データの局所性を高める工夫が必要です。

この疑似コードと概念説明が、BSVでPointwise Convolutionを設計する際の出発点となり、より詳細な実装に向けた理解の助けになれば幸いです。


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