Posts Tagged with "BSV"

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Parameterについて (4)

posted by sakurai on November 27, 2023 #703

IPインテグレータによる変更

まずパラメータを5とします。入力は10進数、16進数、2進数を受け付けますが、表示は2進数となります。最初は5回を設定したので、"0000....0101"と表示されます。ただしこれはverilog記述に依存するようで、verilogが10進であれば10進となります。

図%%.1
図703.1 パラメータ変更画面(count=5)

合成してビットストリームをFPGAにダウンロードしてボタンを押せば、以下の波形が得られます。パルスが5回出力されています。

図%%.2
図703.2 オシロスコープ画面

次にパラメータを7とすれば、"0000....111"と表示されます。

合成してビットストリームをFPGAにダウンロードしてボタンを押せば、以下の波形が得られます。パルスが7回出力されています。

図%%.3
図703.3 オシロスコープ画面
以上より、ソースを修正せずともIPインテグレータ上でパラメータを変更するだけで、合成と配置配線は必要なものの、bsvからFPGAまでパラメータの変更が一貫することが確認できました。ただしbsvはパラメータの箱だけを確保し中身は0です。つまりbsvのソース段階においてはパラメータのデフォルト値は0となり任意の値を設定することはできません。

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Parameterについて (3)

posted by sakurai on November 24, 2023 #702

IPインテグレータによる変更

モジュールをダブルクリックすると図702.1の画面が現れ、パラメータが2進数で表示されます。これはbscがverilog中に32'b0と書いたからであり、10進で書けば10進で表示されます。

残念ながらbsvではデフォルト値を設定することはできません。モジュールの階層ではなく、その上のモジュールをインスタンスする際にはbsvでパラメータ指定が可能ですが、今回はbsvでモジュールを作成しIPインテグレータで回路を作成するので、bsvソースレベルでは不可能ということになります。

ただし前稿にもあるようにverilogではデフォルトの値が設定できるので、必要であればbscでコンパイルしたverilogを修正します。

図%%.1
図702.1 パラメータ変更画面

実機動作

このパラメータテストモジュールはパラメータで与えられた数だけパルスを出力する回路です。IPインテグレータでパラメータを変更しただけで実際にパルス数が変わるかを確認します。具体的なbsvコードの中心は以下の行です。

    repeat (unpack(pack(count))) seq
       outPulse <= True;
       outPulse <= False;
    endseq 

パラメータcountで指定された数だけパルスのON-OFFを行います。


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Parameterについて (2)

posted by sakurai on November 23, 2023 #701

verilogにおけるparameter

次にbscを用いてverilogにコンパイルします。

$ bsc -verilog TestParam.bsv
Verilog file created: mkTestParam.v

コンパイルするとmkTestParam.vというverilogファイルが生成されます。パラメータ部分を見ると、

    :
    module mkTestParam(CLK,
                   RST_N,
                   button_flag,
                   lrclk);
     parameter [31 : 0] count = 32'b0;
    :

のように、モジュール定義のすぐ後にparameterとしてcountが定義されています。そのほかにもverilogコード内でcountは複数使用されていますが、レジスタではないので書き込みのコードは存在せず、定数として参照されています。例えば、

    assign n__h31509 = count - 32'd1 ;
    ;
    assign MUX_jj_repeat_count$write_1__VAL_1 =
             (n__h31509[15:0] == jj_repeat_count) ? 16'd0 : x__h31537 ;

のようにcount-1とjj_repeat_countが一致するかのテストを行っている回路が生成されます。repeat_countは文字通りrepeat回数の実行時の変数と思われ、終了条件としてそれがcount-1(定数)と一致するかのテストを行っているようです。

IPインテグレータによる変更

これだけであれば、結局bsvなりverilogのパラメータ部分を修正するので、ソース修正となることからdefineでもあまり変わりません。

完全に動的にはいかずとも、ソースファイルを編集することなくVivaoのIPインテグレータのブロックデザイン画面上で変更する方法があります。

まずVivadoでmkTestParam.vをソースとして読み込み、回路をインスタンシエートします。

図%%.1
図701.1 mkTestParamモジュールを配置

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Parameterについて

posted by sakurai on November 22, 2023 #700

Parameterについて

Verilogにおいてparameterという機能があります。これは動的に定数を変更することができ便利な機能ですが、ソースを修正することからあまり使用していませんでした。

ところがIPインテグレータを使用すれば、ソースを修正することがなく再合成だけで仕様を変更することができます。今回テスト回路を作成し、BSVからFPGAまでの繋がりを確認します。

BSVにおいてのparameter

BSVリファレンスガイド5.3モジュールにパラメータの文法が書かれています。これを用いたテスト回路を作成します。

図%%.1
図700.1 BSVリファレンスガイド5.3モジュール

文法を見るとわかるようにデフォルト値を設定する機能はありません。'='記号の使用等でそれが可能であればよかったのですが。

以下に具体的なBSVコードを示します。ボタンを押すとパラメータで指定された数だけパルスを出力するFSMです。ポートリストというかメソッドリストの直前にカッコ書きで記述するようです。

import StmtFSM::*;
   
interface FSM_ifc;
   method Action button(Bool flag);
   method Bool lrclk();
endinterface

(* synthesize,always_ready,always_enabled *)
module mkTestParam #(
   parameter Int#(32) count
) (FSM_ifc);
  
   Reg#(Bool) outPulse <- mkReg(False),
              buttonf <- mkReg(True);
   //  Mainloop
   Stmt main = seq
      while(True) seq
         outPulse <= False;
         await(!buttonf);
         await(buttonf);
            repeat (unpack(pack(count))) seq
               outPulse <= True;
               outPulse <= False;
            endseq 
      endseq
   endseq;
   mkAutoFSM(main);

   method Bool lrclk();
      return outPulse;
   endmethod
   method Action button(Bool flag);
      buttonf <= flag;
   endmethod

endmodule: mkTestParam

パルスの出力回数を表すcountをパラメータ化しました。


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Pongの開発 (4)

posted by sakurai on November 9, 2023 #693

疑似乱数生成器

ChatGPTにLFSRのアルゴリズムを持つ疑似乱数生成器を記述してもらいました。以下の完成したモジュールはそれを手直ししたものです。

interface Randomizer_ifc;
  method ActionValue#(Bit#(1)) random_01();
endinterface

//(* synthesize *) モジュールをインライン化するためコメントアウト
module mkRandomizer(Randomizer_ifc);
    Reg#(Bit#(16)) lfsr <- mkReg(16'hACE1); // 適当な非ゼロの初期値

  method ActionValue#(Bit#(1)) random_01();
       Bit#(1) newBit = lfsr[15] ^ lfsr[13] ^ lfsr[12] ^ lfsr[10];
       lfsr <= {lfsr[14:0], newBit};
       return lfsr[15];
  endmethod

endmodule

ActionValueメソッドの呼び出し方

作成した疑似乱数生成器の呼び出しが少々難しかったのでまとめておきます。BSVにおいてはモジュールインタフェース内に記述されるメソッドの型は

  • Value Method
  • ActionValue Method
  • Action Method

の3種類があります。それぞれ入力、入出力、出力ポートに対応しますが、ActionValueの呼び出し方に少々困難がありました。単純にメソッドを変数に入れることができないためです。

特にFSMを構成するseqブロック内で、あるレジスタwにValueメソッドの戻り値を代入するだけなら、

seq
   :
   w <= random_01();
   :
endseq

等とすれば良いのですが、この場合のrandom関数は内部状態を持ち、それが呼び出しにより更新されるという副作用を持つため、ActionValueメソッドとして呼び出します。この呼び出し法が少々難しく、"<-"を用いてインスタンスした上で、かつ単純にseqの中で呼ぶことはできず、actionブロックを構成してその中でのみ有効な値となります。

実例を挙げると、

import Randomizer::*;
Randomizer_ifc randomizer <- mkRandomizer;
   :
    seq
        action
   :
           Bit#(1) w <- randomizer.random_01();
   :
        endaction
    endseq

のように、actionブロックの中で"<-"を用いて関数を呼び出します。特にactionブロックを構成することになかなか気づきませんでした。

追記:
この場合の変数wはaction - endactionのスコープ内でしか有効でないことが後日判明したので、それを回避する方法を追記します。action - endactionのスコープ内でコピー変数にコピーするだけです。

    Reg#(Bit#(1)) ww <- mkRegU; // wをactionスコープの外で使用するコピー変数
   :
    seq
        action
   :
           let w <- randomizer.random_01();  // Bit#(1)宣言でなくてletでも良い
           ww <= w;
   :
        endaction
    endseq

なお、関数がマルチサイクルの場合はこれでうまく行かない場合もあり、その場合はruleの中に入れます。


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Pongの開発 (3)

posted by sakurai on November 8, 2023 #692

ブロック図

以下にPongのデモ画面が動作するステートマシンを組み込んだブロック図を示します。

図%%.1
図692.1 Pongブロック図

これらのモジュールのうち、クロック系、デュアルポートRAMを含むグラフィクス系、1チャネルのサウンド系はほぼ流用です。新規設計はGameFSMのみであり、GameFSMとSoundFSMを連結するコマンドバッファもそのまま流用しています。 

完成画面

システムが動作している画面を示します。

図%%.2
図692.2 Pong動作画面

方向制御

パドルの縦位置はボールと同じにしてあるため、必ずボールは打ち返します。パドルでの反射は表692.1のとおり。

表692.1 2種類の乱数とボールの方向
乱数1 bcount 乱数2 dy
0 0 (45°) 0 (dx=1に対して)+1
1 (dx=1に対して)-1
1 3 (18.4°) 0 (dx=3に対して)+1
1 (dx=3に対して)-1

乱数1で傾きの逆数であるbcountを0または3とします。乱数2で方向がプラス+1かマイナスかを決定します。合わせると、bcount=0は右方向の場合速度ベクトルが(+1, +1)または(+1, -1)です。bcount=3の場合速度ベクトルが(+1, +1/3)または(+1, -1/3)です。

オリジナルゲームにはまっすぐ反射する反射もあったのですが、まっすぐ反射してもあまり面白くないので、カットしました。

上下の壁にボールが衝突するとy方向の速度dyの符号を反転させます。一方、左右のパドルに衝突するとx方向の速度であるdxの符号を反転させ、かつ上記の表により方向をランダムに変化させます。


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Pongの開発 (2)

posted by sakurai on November 7, 2023 #691

サウンドROMデータの作成

以下のコマンドにより、Vivadoの読めるCOEファイルを作成します。

echo 'memory_initialization_radix=16;' > srom.coe
echo -n 'memory_initialization_vector=' >> srom.coe
cat s?o.wav | \od -An -t x1 -v >> srom.coe
echo ';' >> srom.coe

サウンドステートマシン

サウンドステートマシンは以前作成したものを流用します。Space Invadersの開発の際には4多重音のため、4個のサウンドステートマシンを使用しましたが、Pongは単純なので1個で十分です。そのため自分と他人のサウンドコードを見分ける必要がないため、キューへの書き込みを示す!emptyで起動します。またミキサーも無くなるため、従来後段のミキサーに入れていた符号拡張と桁調整を本モジュールに組み込みました。

以下にソースコードを示します。コメントは一部ChatGPTにより作成してもらいました。

// 波形ファイルを読み込み、オーディオDACにサウンドデータを出力するFSMの定義

import StmtFSM.*;  // FSMを生成するためのユーティリティモジュールのインポート

// サウンドイベントと無音を表すマクロ定義
`define SOUND1    1    // 発射音
`define SOUND2    2    // パドルとの衝突音
`define SOUND3    3    // 壁との衝突音
`define SOUND4    4    // アウトの際の音
`define NULL      'h80 // 無音を表す値(8ビットPCMで中間値)

// 必要な型定義
typedef UInt#(13) Addr_t;  // メモリアドレス用の13ビット符号なし整数
typedef UInt#(8) Data_t;   // 8ビットデータ用の符号なし整数
typedef Bit#(16) Sound_t;  // 16ビット符号付PCMサウンドデータ
typedef Bit#(3) Code_t;    // サウンドコード

// FSMのインターフェース定義。外部からアクセスするためのメソッドが定義されています。
interface FSM_ifc;
   method Action sound(Code_t code);              // 音声コードを示す入力メソッド
   method Action rom_data(Data_t indata);         // ROMからのデータ入力メソッド
   method Action sync(Bool lrclk);               // 同期信号を処理するための入力メソッド
   method Action empty(Bool flag);               // FIFOが空を表す入力メソッド
   method Addr_t rom_address();                  // 現在のROMアドレスの出力メソッド
   method Sound_t sdout();                        // 音声出力データの出力メソッド
   method Bool soundon();                         // 音声が再生中かどうかを示す出力メソッド
   method Bool fifo_ren();                        // FIFOの読み出し要求の出力メソッド
endinterface

(* synthesize,always_ready,always_enabled *)
module mkSoundFSM(FSM_ifc);

// 内部ワイヤとレジスタの定義
   
Wire#(Code_t) code <- mkWire, // コードを格納するワイヤと現在のコードを保持するレジスタ
              current <- mkRegU;
Wire#(Bool) lrclk <- mkWire;  // 左右のクロック同期用のワイヤ
Reg#(Data_t) romdata <- mkRegU; // ROMから読み込まれたデータを保持するレジスタ
Reg#(Data_t) dout <- mkReg(`NULL); // データ出力用のレジスタ(初期値は無音)
Reg#(UInt#(32)) workd <- mkRegU;  // 32ビット作業用データレジスタ
Reg#(UInt#(13)) dcount <- mkRegU; // 再生カウント用の13ビットレジスタ
Reg#(Addr_t) worka <- mkRegU, // アドレス計算用の作業用アドレスレジスタ
                         romaddr <- mkRegU, // ROMのアドレスレジスタ
                         addr <- mkRegU; // 出力用アドレスレジスタ
Reg#(UInt#(8)) ii <- mkReg(0); // ループカウンタ用の8ビットレジスタ
Reg#(Bool) son <- mkReg(False), // サウンド再生中フラグ用のレジスタ
                     sonEarly <- mkReg(False), // 早期サウンド開始フラグ用のレジスタ
                     ren <- mkReg(False),  // FIFO読み込み要求フラグ用のレジスタ
                     emptyf <- mkReg(True); // FIFOが空かどうかを示すフラグ用のレジスタ

   // subfunctions
   //   READ MEM  サブ関数:メモリからの読み出し
   //     input:  worka
   //     output: romdata;
   //
   function Stmt readmem;
      return (seq
         addr <= worka;
         delay(2);
      endseq);
   endfunction

   //   READ COUNT    サブ関数:カウント読み出し
   //     input:  romaddr
   //     output: (romaddr,...,romaddr+3) => dcount;
   //             romaddr + 4 => romaddr;
   //
   function Stmt readcount;
      return (seq
         workd <= 0;
         for (ii <= 0; ii <= 3; ii <= ii + 1) seq
            worka <= romaddr + extend(3-ii);
            readmem;
            if (ii == 3) dcount <= truncate(workd<<8) | extend(romdata);
            else workd <= workd<<8 | extend(romdata);
         endseq
         romaddr <= romaddr + 4;
      endseq);
   endfunction
      
   //  Mainloop    メインループの定義
   //
   Stmt main = seq
      while(True) seq
         action
            dout <= `NULL;
            sonEarly <= False;
            son <= False;
            ren <= False;
         endaction
         await(!emptyf);
         action
            ren <= True; // consume 1 entry of Q
            current <= code;
         endaction
         await(emptyf);
         ren <= False;
         // Sync to LRCLK 
         //
         await(lrclk);
         await(!lrclk);
         delay(4);

         // Format decoding
         //
         action    
            case (current)
              `SOUND1:  romaddr <=   0 + 16;
              `SOUND2:  romaddr <=  1610 + 16;
              `SOUND3:  romaddr <=  (1610 + 900) + 16;
              `SOUND4:  romaddr <=  (1610 + 900 + 872) +16;
            endcase
         endaction
         readcount;
         romaddr <= romaddr + extend(dcount) + 4;
      
         readcount;
         romaddr <= romaddr - 1;

         // play loop
         while (dcount != 0) seq
            // Play 0
            if (sonEarly == False) seq
            // 1cycle目
               readmem;
               action
                  sonEarly <= True;
                  son <= False;
                  dout <= `NULL;
               endaction

            endseq else seq
            // 2cycle目以降
               readmem;
               action
                  son <= True;
                  dout <= romdata;
               endaction
            endseq // if

            delay(11);
            action
               romaddr <= romaddr + 1;
               worka <= romaddr + 1;
               dcount <= dcount - 1;
            endaction
         endseq // while(!終了条件)
      endseq // while(True)
   endseq; // Stmt

   mkAutoFSM(main);     // FSMを生成し実行
   
   method Action sound(Code_t incode);
      code <= incode;
   endmethod
   method Action rom_data(Data_t indata);
      romdata <= indata;
   endmethod
   method Addr_t rom_address();
      return addr;
   endmethod
   method Sound_t sdout(); 
      let bdout = pack(dout);     // 現在のオーディオデータ(dout)をパックし、16ビットのデータ(bdout)に変換します。
      let s =  ~bdout[7]; // 8ビット目(MSB)を反転させてサインビット(s)を生成します。
      return {{s,s},bdout[6:0],{7'h0}}; // オーディオデータをsignedに変換します。
   endmethod
   method Bool soundon();
      return son;
   endmethod
   method Action sync(Bool inlrclk);
      lrclk <= inlrclk;
   endmethod
   method Bool fifo_ren();
      return ren;
   endmethod
   method Action empty(Bool flag);
      emptyf <= flag;
   endmethod

endmodule: mkSoundFSM

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Pongの開発

posted by sakurai on November 6, 2023 #690

Pong Game

強化学習のトライアルとして、ビデオゲームを題材に取り上げます。本来はインベーダーゲームを対象としたいのですが複雑であるため、比較的単純なPongとします。

Youtubeで動作画像を探すとこのような動画が見つかりました。

図%%.1
図690.1 CmodA7toPMODボード回路図

これを参考にしつつ、bsvによりプログラミングを行います。

Sound

強化学習本来の目的ではサウンドは不要ですが、ゲームとしての完成度のためにサウンドも実装します。サウンドコントローラであるSoundFSMやその周りの回路は開発済みなので、サウンド実装の工数はサウンド収集加工以外にはほとんどかかりません。そこでサウンドの収集から始めます。

サウンドフォーマット等の参考にする過去記事はこれです。

まずWindows+Gによりゲームバーを呼び出し上記動画の動画をキャプチャします。次にffmpegによりwaveに変換します。変換コマンドは次のとおりです。audacityはmp4を読み込めないため、ffmpegを用います。

$ ffmpeg -i input.mp4 output.wav

これをaudacityにより編集し以下の4つのサウンドを取得します。

表690.1 4種のサウンド
コード 種類
1 発射音
2 パドル
3
4 アウト

ffmpegを用いるとINFO等の余分な情報が削除できずハードウエアが読み込めません。よってaudacityでサウンドデータを開き、

  • 音量をノーマライズ。イフェクト⇒音量⇒ノーマライズとします。
  • メタデータを全て削除
  • 形式はwav (microsoft)
  • チャンネルはモノラル
  • サンプリングは11025 Hz
  • エンコーディングはUnsigned 8-bit PCM

としてエクスポートします。

ここで各ファイルサイズを見ると、

$ ls -l s?o.wav
-rwxrwx--- 1 root vboxsf  1610 10月 29 21:10 s1o.wav
-rwxrwx--- 1 root vboxsf   900 10月 29 21:10 s2o.wav
-rwxrwx--- 1 root vboxsf   872 10月 29 21:13 s3o.wav
-rwxrwx--- 1 root vboxsf  4388 10月 29 21:11 s4o.wav

以上からROMの構成表を作成すれば、

表690.2 ROM構成表
Code Sound Start Size [bytes] Entry=Start+16
1 発射音 0 1,610 0+16
2 パドル 1,610 900 1,610+16
3 1,610+900 872 (1,610+900)+16
4 アウト 1,610+900+872 4,388 (1,610+900+872)+16
合計 [bytes] (16KB ROM使用率) 7,770 (95%)

となります。各サウンドのエントリは表の黄色で示したアドレスであり、これを次のようにbsvでFSM内に記述します(次ページにFSMの全リストを掲載)。
     // Format decoding
     //
     action
        case (current)
           `SOUND1:  romaddr <=   0 + 16;
           `SOUND2:  romaddr <=  1610 + 16;
           `SOUND3:  romaddr <=  (1610 + 900) + 16;
           `SOUND4:  romaddr <=  (1610 + 900 + 872) +16;
        endcase
     endaction

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色変換回路 (5)

posted by sakurai on October 23, 2023 #683

BSVフォーラムで議論したところ、以下のような回答を順次頂きました。

  • 最初の一括でリターンを返すメソッドのほうが良い。が、メソッドの構造体を分割する手段は現状のBSVの文法にはない。従って手段としては2つあり、外側にverilogラッパーを設けて分割するか、BSVに新たな機能を追加するか。
  • 組み合わせ回路の関数を置いたらどうか?
  • clockとresetは、インタフェース外の端子を使えば消すことができる。
  • RDYが1にもかかわらずエラーになる件はbscのissueとして登録した。

組み合わせ回路の関数は良い方法だと思うので、今後色変換回路を組み込む場合にはそうしようと思います。

しかしながら今回は外付けのモジュールとしたため、clockとresetを消去する方法で行きたいと思います。提示されたソースは以下のとおり。

interface ColorConverter;
  (* result="RO" *)
  method Bit#(4) getRO();
  (* result="GO" *)
  method Bit#(4) getGO();
  (* result="BO" *)
  method Bit#(4) getBO();
endinterface

(* synthesize, always_ready, no_default_clock, no_default_reset *)
module mkColorConverter(
    (* port="RI" *) Bit#(1) r,
    (* port="GI" *) Bit#(1) g,
    (* port="BI" *) Bit#(1) b,
        ColorConverter ifc);

  method Bit#(4) getRO();
    return (case ({r, g, b})
      3'b000: 4'h0;
      3'b001: 4'h9;
      3'b010: 4'hd;
      3'b011: 4'h5;
      3'b100: 4'hc;
      default: 4'h0;
    endcase);
  endmethod

  method Bit#(4) getGO();
    return (case ({r, g, b})
      3'b000: 4'h0;
      3'b001: 4'h4;
      3'b010: 4'h8;
      3'b011: 4'hb;
      3'b100: 4'hc;
      default: 4'h0;
    endcase);
  endmethod

  method Bit#(4) getBO();
    return (case ({r, g, b})
      3'b000: 4'h0;
      3'b001: 4'h1;
      3'b010: 4'h4;
      3'b011: 4'h5;
      3'b100: 4'hC;
      default: 4'h0;
    endcase);
  endmethod
endmodule

メソッドを用いない入力方法があるようです。具体的にはinterfaceはメソッドを並べるため、interface定義外にポートを定義しています。

また、カラー0は非表示画面も示すため、変換せずに0のままと変更しました。

このソースから生成されるverilogコードはヘッダや定義文を除いて次のとおり。

module mkColorConverter(RI,
            GI,
            BI,
            RO,
            GO,
            BO);
  input  RI;
  input  GI;
  input  BI;

  // value method getRO
  output [3 : 0] RO;
  // value method getGO
  output [3 : 0] GO;
  // value method getBO
  output [3 : 0] BO;

  // signals for module outputs
  reg [3 : 0] BO, GO, RO;
  // remaining internal signals
  wire [2 : 0] x__h151;

  // value method getRO
  always@(x__h151)
  begin
    case (x__h151)
      3'b0: RO = 4'h0;
      3'b001: RO = 4'h9;
      3'b010: RO = 4'hD;
      3'b011: RO = 4'h5;
      3'b100: RO = 4'hC;
      default: RO = 4'h0;
    endcase
  end

  // value method getGO
  always@(x__h151)
  begin
    case (x__h151)
      3'b0: GO = 4'h0;
      3'b001: GO = 4'h4;
      3'b010: GO = 4'h8;
      3'b011: GO = 4'hB;
      3'b100: GO = 4'hC;
      default: GO = 4'h0;
    endcase
  end

  // value method getBO
  always@(x__h151)
  begin
    case (x__h151)
      3'b0: BO = 4'h0;
      3'b001: BO = 4'h1;
      3'b010: BO = 4'h4;
      3'b011: BO = 4'h5;
      3'b100: BO = 4'hC;
      default: BO = 4'h0;
    endcase
  end

  // remaining internal signals
  assign x__h151 = { RI, GI, BI } ;
endmodule  // mkColorConverter

verilogは正しく生成されています。


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色変換回路 (4)

posted by sakurai on October 20, 2023 #682

試行錯誤した結果、always_readyは解決しました。WireでなくDWireを用いるとうまく消えることがわかりました。ソースにおいて修正点のみを示すと、

(* synthesize, always_enabled = "setInputs", always_ready = "getRO, getGO, getBO" *)

及び

    Wire#(Bit#(1)) r_reg <- mkDWire(?);
    Wire#(Bit#(1)) g_reg <- mkDWire(?);
    Wire#(Bit#(1)) b_reg <- mkDWire(?);

の2か所を修正するだけです。生成されたverilogはかなりスッキリしてきており、後は未使用のCLK及びRST_Nを削除する方法だけですが、(* no_default_clock, no_default_reset *)とすれば良いようです。

module mkColorConverter(CLK,
            RST_N,
            RI,
            GI,
            BI,
            RO,
            GO,
            BO);
  input  CLK;
  input  RST_N;

  // action method setInputs
  input  RI;
  input  GI;
  input  BI;

  // value method getRO
  output [3 : 0] RO;
  // value method getGO
  output [3 : 0] GO;
  // value method getBO
  output [3 : 0] BO;

  // signals for module outputs
  reg [3 : 0] BO, GO, RO;
  // remaining internal signals
  wire [2 : 0] x__h322;

  // value method getRO
  always@(x__h322)
  begin
    case (x__h322)
      3'b0: RO = 4'h9;
      3'b001: RO = 4'hD;
      3'b010: RO = 4'h5;
      default: RO = 4'hC;
    endcase
  end

  // value method getGO
  always@(x__h322)
  begin
    case (x__h322)
      3'b0: GO = 4'h4;
      3'b001: GO = 4'h8;
      3'b010: GO = 4'hB;
      default: GO = 4'hC;
    endcase
  end

  // value method getBO
  always@(x__h322)
  begin
    case (x__h322)
      3'b0: BO = 4'h1;
      3'b001: BO = 4'h4;
      3'b010: BO = 4'h5;
      default: BO = 4'hC;
    endcase
  end

  // remaining internal signals
  assign x__h322 = { RI, GI, BI } ;
endmodule  // mkColorConverter

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