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PUA関連論文Köhler2021 (2) |
論文$\dagger$の続きです。
Generally speaking: Safety measures, which are under influence of cyclisation, potentially violate the criteria FHTI ≤ FTTI. (略) In order to change that, a novel approach for safety validation process of safety measures with FHTI ≥ FTTI is described in this paper.
一般的に言えば、サイクル化の影響を受ける安全対策は、FHTI ≤ FTTI の基準に違反する可能性がある。(略)これを変更するために、本論文では、FHTI≥FTTIを持つ安全対策の安全性検証プロセスに対する新しいアプローチについて述べる。
これで分かることは、安全機構の周期的な検査はMPFDIではなく、FTTIの話のようです。つまり1st SMが議論の対象となります。
本来、規格の観点からFHTI$\ge$FTTIなる違反は認められませんが、これに違反するFHTIを持つSMを救う話のようです。しかしながら、FHTI$\ge$FTTIの違反の段階で当該SMのDCはゼロと見なされるため、そのSMは無いも同然と考えるべきです。
話を戻すと、本論文において周期的な検査機構を持つのは1st SMです。ということは、定期点検修理を行う2nd SMを前提とする我々のPMHFの議論とは全く異なる議論であると判断します。
さらに、最も問題となる部分が以下の仮定です。
For this paper investigations and all related approaches, the boundary conditions are:
• all faults are random hardware faults (not systematic),
• scope of the safety measure are RFs and dormant SPFs,
• the system is non-repairable with λ = const.,
• the PMHF corresponds to the probability of failure F(t).
本論文の調査および関連するすべてのアプローチにおいて、境界条件は以下の通りである:
- 欠陥はすべてランダムなハードウェア欠陥である(系統的ではない)、
- 安全対策の範囲はRFと休止状態のSPFである、
- システムはλ = const.で修復不可能である、
- PMHF は故障確率 F(t)に対応する。
ほとんど全ての論文がPart 10に修理の話が書かれているのを見過ごしていますが、ISO 26262の前提によれば、少なくともSMは1st editionから修理可能です。
$\dagger$A. Köhler and B. Bertsche, “Cyclisation of Safety Diagnoses: Influence on the Evaluation of Fault Metrics,” 2021 Anuu. Rel. Maint. Symp. (RAMS), pp 1–7, Orlando, FL, USA, (Jan.) 2021.