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新方式によるPUAの導出 |
以下は全てSMについての議論とします。Kパラメータは条件付き確率ではなく、アーキテクチャ固有の値だと仮定してきました。そこでの議論のうち、$K_\text{RF}$すなわち、1st SMによるVSG preventionはSMについては1として無視して良いです。
しかしながら、以下の証明のように、アーキテクチャ固有の値ではなく、条件付き確率でも同様な結果が得られることが分かります。まず、信頼度と故障率を定義どおり、 $$ \begin{eqnarray} R(t)&=&\Pr\{\text{up at }t\}\\ \lambda dt&=&\Pr\{\text{failed in }(t, t+dt)\hspace{1pt}|\hspace{1pt}\text{up at }t\} \end{eqnarray}\tag{754.1} $$ とし、2nd SMによる検出率$K$を $$ K_\text{MPF}=\Pr\{\text{detected}\hspace{1pt}|\hspace{1pt}\text{failed in }(t, t+dt)\cap\text{up at }t\}\tag{754.2} $$ と仮定します。すると、微小時間間隔$(t, t+dt)$における不検出部分の故障確率は、 $$ \Pr\{\text{undetected}\cap\text{failed in }(t, t+dt)\cap\text{up at }t\}=(1-K_\text{MPF})R(t)\lambda dt=(1-K_\text{MPF})f(t)dt\tag{754.3} $$ よって、0から$t$まで積分すれば、$t$における不検出不信頼度は、 $$ \int_0^t(1-K_\text{MPF})f(s)ds=(1-K_\text{MPF})F(t)\tag{754.4} $$ 他方、微小時間間隔$(t, t+dt)$における検出部分の故障確率は、 $$ \Pr\{\text{detected}\cap\text{failed in }(t, t+dt)\cap\text{up at }t\}=K_\text{MPF}R(t)\lambda dt=K_\text{MPF}f(t)dt\tag{754.5} $$ よって、0から$u\in(0, \tau)$まで積分すれば、$u=t\bmod\tau$における検出不信頼度、すなわち修理確率は、 $$ \int_0^uK_\text{MPF}f(s)ds=K_\text{MPF}F(u), u=t\bmod\tau\tag{754.6} $$ 最後に、検出と不検出は背反事象であり確率は加えることができるため、全確率の定理より修理を考慮した不信頼度、すなわち不稼働度は $$ Q(t)=(1-K_\text{MPF})F(t)+K_\text{MPF}F(u), u=t\bmod\tau\tag{754.7} $$ と求まります。
注意:
ただしこれは全ての区間で修理量が同じという前提に立っています。最新の研究ではこれは近似値だと判明しており、今後この点についてIEEE学会投稿する予定です。また、このブログでも深堀し、一部について開示します。
なお、本稿はRAMS 2025に投稿予定のため一部を秘匿しています。