Posts Issued on March 23, 2021

EOTTIの再計算(2)

posted by sakurai on March 23, 2021 #380

今回、非冗長系のサブシステムにおけるPMHFの一般式は、(373.2)で求められました。また、検査周期がEOTTIである場合のアイテムのVSG確率の時間平均は、目標PMHF値$M_\text{PMHF}$以下となる必要があります。 $$ M_\text{PMHF}\ge\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png} \tag{380.1} $$ よって、(380.1)を用いて、$\tau$を$T_\text{eotti}$とした場合のPMHFに対する不等式を$T_\text{eotti}$について解きます。 $$ T_\text{eotti}\le\frac{M_\text{PMHF}-\left[\lambda_\text{SPF}+\lambda_\text{RF}+\frac{1}{2}\lambda_\text{IF,DPF}\lambda_\text{SM,DPF}(1-K_\text{MPF})T_\text{lifetime}\right]}{\frac{1}{2}\lambda_\text{IF,DPF}\lambda_\text{SM,DPF}K_\text{MPF}}\\ =\frac{M_\text{PMHF}-(\lambda_\text{SPF}+\lambda_\text{RF}+\frac{1}{2}\lambda_\text{IF,DPF}\lambda_\text{SM,DPF,lat}T_\text{lifetime})}{\frac{1}{2}\lambda_\text{IF,DPF}\lambda_\text{SM,DPF,lat}} \tag{380.2} $$ これに対して具体的な数値で計算すると、過去記事の表に基づき、

表380.1
EOTTI ケース1[H] ケース2[H]
(2)式の結果 772 31
(3)式の結果 167 167
前回のEOTTI 2,312 965
今回のEOTTI $\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png}$ $\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png}$

となり、規格式の$\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png}$倍の大きさとなりました。

なお、なぜ規格上、ワーストケースの(3)式の結果と、一般ケースの(2)式の結果の2例の不等式が掲載されているのかは不明です。本来、一般ケースだけで良いはずです。というのは、ワーストケースを満足できなかった場合、これはワーストケースだから無視しても良いというなら、そもそも不要なはずです。守るべき数値目標のひとつだけにすべきです。

さらに不明な点は、規格式によるEOTTIは、表380.1のケース2において、ワーストケースの値167[H]よりも厳しい値31[H]のように、大小が逆転していることです。これは規格のPMHF式が過剰評価のためと思われます。PMHF式が過剰見積もり(保守的)の方向になる場合、EOTTIは過小見積もり(厳しく)となります。PMHF式により計算されたEOTTIがワーストケースのEOTTIよりも厳しくなっていることは、規格のPMHF式が不正確であることを示しています。

弊社ではPMHFに関する論文をRAMS 2022に投稿予定であることから、ブログの一部を一旦非開示(セミナー内でのご紹介と表示)としました。


左矢前のブログ 次のブログ右矢