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EOTTIの再計算 |
過去記事を参考に、新しく求めたPMHFに対するEOTTIの式を求めます。ISO 26262 2nd editionのPart10の12.3.3.1では、(1)~ (3)の各式が定義されています。ただし(1)は(3)になると書かれています。
EOTTIとは、SM1によりIFのVSGが抑止されていて、かつ、その抑止に時間制約がある場合、その最小時間のことを指します。いかなる修理時間もいかなる制約時間を超えなければ良いため、様々な制約がある場合はその最小時間となります。逆に修理側から見ると、修理時間間隔はその値以下となる必要があります。
従ってEOTTIはMPFDIと似ていて、その時間内に修理する必要があります。MPFDIはその制約が破られるとLFになるのに対して、EOTTIはその制約が破られるとVSGとなる点が異なります。すなわちMPFDIは2nd SMに対する時間制約であり、EOTTIは1st SMに対する時間制約です。
前述のように、EOTTIを最大修理期間とした場合、アイテムのVSG確率の時間平均が目標PMHF値$M_\text{PMHF}$を下回らなければなりません。
最初にワーストケースを考えます。
既に$t=0$においてIFがダウンしている場合を考えます。そのためSM1はアンリペアラブルとなり、不稼働度(修理を含む)$Q_\text{SM1}(t)$は、不信頼度(修理を含まない)$F_\text{SM1}(t)$となります。よって、 $$ M_\text{PMHF}\ge\frac{1}{T_\text{lifetime}}Q_\text{SM1}(T_\text{eotti})=\frac{1}{T_\text{lifetime}}F_\text{SM1}(T_\text{eotti})=\frac{1}{T_\text{lifetime}}(1-e^{-\lambda_\text{SM1}T_\text{eotti}})\\ \approx\frac{1}{T_\text{lifetime}}\lambda_\text{SM1,DPF}T_\text{eotti}\qquad\ s.t.\ \lambda_\text{SM1,DPF}T_\text{eotti}<<1 $$ となり、この不等式を$T_\text{eotti}$について解けば、図%%.1の(3)[Part 10, 12.3.3.1]が得られます。これは$t=0$の時に既にIFがダウンしているSPFに関する式となります。
図379.1 車両寿命間の故障に基づくEOTTIの導出(再掲) 一方、通常はそのような特殊な制約は与えられないため、任意の時点でIFがダウンし、そこからEOTTIがスタートすることになります。従って、2nd editionの(不正確な)PMHF式に基づけば、目標PMHF値$M_\text{PMHF}$をVSG確率の時間平均が下回らなければならないので、 $$ M_\text{PMHF}\ge\frac{1}{T_\text{lifetime}}\left[Q_\text{SPF}(T_\text{eotti})+Q_\text{SPF}(T_\text{eotti})\right] $$ EOTTIはDPFにおける1st SMのVSG抑止限界であるので、DPFのみに関係します。右辺に(不正確な)PMHF規格式を用いて書き直せば、 $$ M_\text{PMHF}\ge\lambda_\text{SPF}+\lambda_\text{RF}+0.5\left(\lambda_\text{SM1,DPF,latent}\lambda_\text{IF,DPF}+\lambda_\text{IF,DPF,latent}\lambda_\text{SM1,DPF}\right)T_\text{lifetime}\\ +\left(\lambda_\text{SM1,DPF,detected}\lambda_\text{IF,DPF}+\lambda_\text{IF,DPF,detected}\lambda_\text{SM1,DPF}\right)T_\text{eotti} $$ となり、この不等式を$T_\text{eotti}$について解けば、次の図379.2の(2)[Part 10, 12.3.3.1]が得られます。