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Pongと強化学習 (6) |
前記事の続きです。報酬関数$R()$について深堀りします。
強化学習における報酬関数$ R $は、エージェントの行動が目的を達成する上でどれだけ良いかを数値で評価します。Pongゲームのような環境では、エージェント(コンピュータのパドル)の目的はボールをできるだけ長くプレイエリア内に保つことです。したがって、報酬関数はこの目的を達成するためにエージェントの行動を指導するように設計されます。
Pongゲームにおける報酬関数の設計
Pongゲームでは、報酬関数は以下のように単純に設定することが一般的です:
- ボールを打ち返す:エージェントがボールを打ち返すことに成功した場合、正の報酬を与えます。これはエージェントが目的に対して正しい行動を取ったことを強化します。
- ボールを落とす:エージェントがボールを落とした場合、負の報酬(ペナルティ)を与えます。これはエージェントに対して目的達成に向けて不適切な行動を取ったことを示します。
報酬の具体例
- 打ち返した時:+1ポイント
- 落とした時:-1ポイント
考慮すべき要素
- 即時報酬と遅延報酬:Pongゲームでは、ボールを打ち返すことが即時の成功と見なされ、即時報酬を与えることができます。しかし、より長い視点で戦略を学習するために、複数回の打ち返しや特定の戦略的な行動に対して追加の報酬を与えることも考えられます。
- 報酬のバランス:報酬の大きさが学習過程に大きな影響を与えます。過大な負の報酬はエージェントを過度に消極的にする可能性があり、過小な負の報酬は必要な回避行動を学習しない原因になるかもしれません。適切なバランスを見つけることが重要です。
報酬関数の調整
実際の実装では、基本的な報酬設定から開始して、エージェントの学習進度やパフォーマンスを観察しながら微調整を行うことが一般的です。例えば、ボールを長時間保持することに対して追加の報酬を与えることで、より持続的なプレイを促すことができます。
エージェントの学習目標に合わせて、報酬関数を適切に設計し調整することが、強化学習における成功の鍵となります。