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ChatGPTとPMHFの問答 (2) |
この問答のポイントは、ChatGPTがDPFの$\tau$に関する項の理由を理解しているかどうかです。そのため話をDPF項に移します。
単にDPF項と言っても伝わらないので、用語の定義を示しています。
人間:
PMHFは車両寿命間にVSG(Violation of a safety goal)となる確率の時間平均で、故障率と同じ次元を持ちます。 このVSGとなる事象は
1. SPF項(Single Point Fault Term): 単一のフォールト(一般にはIFのフォールトで、かつSMによりVSG抑止されない)による事象
2. DPF項(Dual Point Fault Term): 2つのフォールトの組み合わせ(一般にはSMにフォールトが起き、それがレイテントフォールトとなり、その後にIFにフォールトが起きる)による事象
の排他的な2例があります。PMHF式のDPF項はどの部分か示してください。
ChatGPT: PMHFの数式は次のようになります:
$$M_\text{PMHF} = \lambda_\text{RF} + \frac 1 2 \lambda_\text{M,MPF} (\lambda_\text{SM,MPF,l} T_\text{lifetime} +\lambda_\text{SM,MPF,d} \tau)$$
ここで、DPF項は2つのフォールトの組み合わせによる事象を表します。この項は数式の2番目の部分、つまり以下の部分に対応します:
$$\frac 1 2 \lambda_\text{M,MPF} (\lambda_\text{SM,MPF,l} T_\text{lifetime} +\lambda_\text{SM,MPF,d} \tau)$$
この部分は、SMのフォールトがレイテントフォールトとなり、その後にIFにフォールトが起きるという事象を表しています。
ここで、
- $\lambda_\text{M,MPF}$はIFのフォールトによるVSGが抑止された故障率を表します。
- $\lambda_\text{SM,MPF,l}$はSMのフォールトによる、2nd SMで検出できない故障率を表します。
- $\lambda_\text{SM,MPF,d}$はSMのフォールトによる、2nd SMで検出できる故障率を表します。
- $T_\text{lifetime}$は車両寿命を表します。
- $\tau$は2nd SMの検査周期を表します。
したがって、この部分は2つのフォールト(SMのフォールトとIFのフォールト)が連続して起きるという事象の確率を時間当たりの平均値として表現しています。
所感: ChatGPTは正しくDPF項を指摘しました。