30 |
Fault treeの自動生成 (23) |
図940.1にSaphireで取得したMCSを示します。
Saphireで生成したcut setの表に対してPMHFの欄を追加し、かつ故障率の項を黄色で塗っています。#7~10のように黄色行が2段になっている積項はDPFを表します。万一DPF項が大きければ2nd SMの効果も加えなければなりませんが、割合の欄がいずれも0.01%未満なことからわかるように、DPFが全体に占める割合は非常に小さいことが多く、通常は2nd SMの効果は不要です。今後はこのような単項で0.01%未満の積項はMCS表から省略します。
さて、このMCSを分析します。
#1, #2の論理式を加えて見ると、次のようにMAIN_MCUはSMにより全く保護されていないことがわかります。
$$ \mathtt{MAIN\_MCU}\cdot \mathtt{COV\_90}+\mathtt{MAIN\_MCU}\cdot \mathtt{COV\_REM}\\=\mathtt{MAIN\_MCU}\cdot \mathtt{COV\_90}+\mathtt{MAIN\_MCU}\cdot\overline{\mathtt{COV\_90}}\\=\mathtt{MAIN\_MCU} $$
#1はSMが故障しているため保護されない場合であり、#2はSMが動作していても保護されない場合です。いずれにしてもSMにより保護されていません。
#2は通常のSMの動作であるものの、#1はIFとSMの両方のパスが故障しているので、これはいわゆるCCFでSMの効果を無効にします。
ちなみにこれは論理圧縮であるため、Saphireで実施しても良さそうですが、やってくれません。$\mathtt{COV\_90}$と$\mathtt{COV\_REM}$は$\mathtt{DC}$と$\mathtt{1-DC}$の関係にあるのですが、それぞれのイベントが無関係だからかと思い、$\mathtt{COV\_90}$と$\overline{\mathtt{COV\_90}}$にしても同じでした。
図940.2に#1のパストレース図を示します。
$$\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png}$$
図940.3に#2のパストレース図を示します。
$$\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png}$$
なお、本稿はRAMS 2026に投稿予定のため一部を秘匿していますが、論文公開後の2026年2月頃に開示予定です。
Leave a Comment