Article #252

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BSVの設計トライアル (19)

posted by sakurai on May 1, 2020 #252

実行結果

以下に実行結果を示します。

senderFSM    20 FSM started
receiverFSM  20 receiver FSM started
senderFSM    30 Enq 10
senderFSM    40 Enq 20
receiverFSM     40 FIFO popped data 10
senderFSM    50 Enq 30
receiverFSM  70 FIFO popped data 20
receiverFSM  100 FIFO popped data 30

10nsずつ見ていきます。最初の10nsはリセット期間なので、20nsからFSM動作を開始します。

senderFSM    20 FSM started
receiverFSM  20 receiver FSM started

同時にセンダーFSMとレシーバーFSMが動作を開始しました。

senderFSM    30 Enq 10

センダーFSMがデータ10をエンキューしました。FIFOには1段のデータがあるはずです。

senderFSM    40 Enq 20
receiverFSM  40 FIFO popped data 10

レシーバーFSMが10をデキューすると同時にセンダーFSMがデータ20をエンキューしました。FIFOには差し引き1段のデータがあるはずです。

senderFSM    50 Enq 30

センダーFSMのレイテンシは1サイクル10nsなので次々に(FIFO FULLにならない限り)エンキューします。これが最後のデータです。FIFOには2段のデータがあるはずです。

receiverFSM  70 FIFO popped data 20

レシーバーFSMのレイテンシは3サイクル30nsなので、70nsにならないと次データの20がデキューできません。FIFOには1段のデータがあるはずです。

receiverFSM  100 FIFO popped data 30

レイテンシである3サイクル後にレシーバーFSMがデキューしました。FIFOには0段のデータがあるはずです。つまりFIFOは空になったはずです。

波形で見たほうが判りやすいです。エンキュー動作(オレンジの信号)はFIFOがフルでない限り1サイクルで行われるのに対してデキュー動作(ブルーの信号)は3サイクル毎に実行されています。

図%%.1
図252.1 センダーFSMとレシーバーFSM

以上はデータを3つエンキューした場合ですが、ここで4つ目をエンキューすると動作が異なります。図252.2に示すように、3つまではレイテンシ1でエンキューできていましたが、3つめでFIFO FULLとなり、その後はレシーバーFSMのレイテンシが見えてきます。つまりエンキュー動作もレイテンシが3となります。

図%%.2
図252.2 センダーFSMとレシーバーFSM
図252.1でもFIFOがFULLになっているのですが、その時にエンキューが無いのでレシーバー側のレイテンシが見えませんでした。図252.2ではFIFOがFULL状態でエンキューしようとして待たされています。FIFOは2段だということが分かります。

実は、FIFO段数もコントロール可能であり、任意の段数のFIFOを作成するにはmkSizedFIFOFを使用します。

      FIFOF#(Bit#(8)) fifo <- mkSizedFIFOF(2);

mkSizedFIFOFの引数サイズを2とすると、上記と同じ動作を行います。サイズを1にすると、デキューするまでエンキューが待たされる、図252.3のような動作となります。

図%%.3
図252.3  FIFOが1段の場合の動作
bscは良くできていて、FIFOフルの場合等、FIFO がデータを受け取れない場合には自動的にエンキュー動作が抑止されます。普通ならFULLで無い条件でエンキュー動作を行う記述を書かなければいけませんが、その必要がありません。これは自動ハンドシェーク機能と呼ばれます。

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