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故障分類 (2) |
SPF/RF
SPF(Single Point Failure; 一点故障)、RF(Residual Failure; 残余故障) はほぼ同義で、単一の故障により安全目標侵害する可能性のある故障です。前稿の故障分類チャートに拠ればSPFは安全機構が存在しない故障であり、また、RFは安全機構が存在するが診断カバレージ(DC)から漏れる部分の故障です。これをPart10 8.1.8「フォールトの分類及びフォールトクラス寄与度計算のフローチャート」でのDCの定義$K_{FMC,RF}$を用いれば、 \[ \lambda_{RF}=(1-K_{FMC,RF})\lambda_{M,PVSG}\tag{12.1} \]
となります。後で説明するように、SPF/RFを単純化記法でSPFまたはRFと記述することがあるのでご注意ください。(12.1)の場合はRFと表記していますが、SPF/RFの意味です。いうまでもなくRFの式(12.1)において、カバレージ$K_{FMC,RF}=0$の時はSMが存在しないのと同義であり、SPFを意味します。
さて、SPFに対するPMHFは(10.2)、(10.3)、及び(12.1)を用いれば、 $$ M_{PMHF,SPF}=\frac{1}{T_{lifetime}}F_{SPF}(T_{lifetime})\approx\lambda_{RF}\\ =(1-K_{FMC,RF})\lambda_{M,PVSG},~~\mbox{s.t.}~~\lambda_{RF}T_{lifetime}\ll 1\tag{12.2} $$
と求められます。
広義のSPFと教義のSPF
ここで、一般的に用語SPFの使用法には狭義(SPFとRFを分ける)と広義(RFを含む)の2種が有り、(12.2)左辺では広義の単一故障の意味で用いています(図12/1上段)。一方、SPF/RFという記法もあり、このほうが紛れがありませんが長くなるためあまり用いられません(図12.1中段)。また(12.2)右辺のように、単一故障をRFと表記する場合もあり、これは単一故障のほとんどがRFであるためです(図12.1下段)。式を読む場合には、字面にとらわれることなく、紛らわしい用語の使用法については意味を考えて読む必要があります。