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PMHFの誤解 (4) |
またPMHF式の誤り論文$\dagger$(記事はここ)の誤りが他の論文に波及しているのを発見しました。 "A Novel Method to Speed-Up the Evaluation of Cyber-Physical Systems (ISO 26262)"という論文です。
この論文の当該部分を図523.1に示します。
和訳を付けると、
ランダムハードウェア故障のための確率的メトリック(PMHF): PMHFは、一点故障、残留故障、二点故障による安全目標違反の残留リスクを評価する。 違反の最大確率の定量的な目標値を定義する。 以下の式は、単一点故障、残留故障、二点故障を引き起こす各ハードウェア部品の故障モードに対する故障率を推定する(ISO 61508)。
まずISO 61508という規格は有りません。IEC 61508のtypoだとして、その中にPMHFは定義されていません。おそらくPMHF式の誤り論文$\dagger$において、
ISO 26262にはPMHF式が出ていないため(実際はPart 10に書かれている)、IEC 61508を参照する
と書かれていたので、その誤りが伝播したものと思われます。裏を取ることをしないのでしょうか。
$\dagger$Y. Chang, L. Huang, H. Liu, C. Yang and C. Chiu, "Assessing automotive functional safety microprocessor with ISO 26262 hardware requirements," Technical Papers of 2014 International Symposium on VLSI Design, Automation and Test, Hsinchu, 2014, pp. 1-4, doi: 10.1109/VLSI-DAT.2014.6834876.
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