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ASILデコンポジション論文ward2012 |
論文の概要
あるASILデコンポジション(またはASIL分解とも言う)論文$\dagger$を読み込みます。これは投稿論文の参照論文ではありませんが、ASILデコンポジションを題材としていて非常に参考になるため、ここで取り上げます。
アブストラクト
アブストラクトは非常に短く、以下の1文だけです。
This paper examines the ISO 26262 approach to ASIL decomposition, more appropriately called “requirements decomposition”, and how it may be applied correctly during the requirements analysis and architectural design of a safety-related automotive control system.
本稿では、ASIL分解(より適切には「要求分解」と呼ばれる)に対するISO 26262のアプローチを検証し、安全関連の自動車制御システムの要求分析やアーキテクチャ設計の際に、どのようにして正しく適用できるかを検討する。
本論文の筆者は一貫してASIL分解は良くない言葉であり、その代わりに要求分解と言うべきであると主張しています。その通りであり、本来は要求を分解するのが主目的で、結果的に要求の属性であるASILも分解されるということです。
しかしながら、本論文の筆者も論文タイトルであえて使用しているように、「ASIL分解」が一般化してしまっているのが現状です。要は、ASILデコンポジションの正しい意味を理解し、要求分解によるASILの低減のことであると認識した上で、ASILデコンポジションの用語を使用すれば良いと思います。
$\dagger$Ward, D. D., & Crozier, S. E. (2012). The uses and abuses of ASIL decomposition in ISO 26262. 7th IET International Conference on System Safety, Incorporating the Cyber Security Conference 2012.
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