Posts Tagged with "Design"

既に発行済みのブログであっても適宜修正・追加することがあります。
We may make changes and additions to blogs already published.
posted by sakurai on October 25, 2022 #536

デコーダのソースの一部を示します。

genRules(
   switch(in_instr,
      when(pat(n(7'b0000000), v, v, n(3'b000), v, n(7'b0110011)), fadd),
      when(pat(n(7'b0100000), v, v, n(3'b000), v, n(7'b0110011)), fsub),
      when(pat(               v, v, n(3'b000), v, n(7'b0010011)), faddi),
      when(pat(n(7'b0000000), v, v, n(3'b111), v, n(7'b0110011)), fand),
      when(pat(n(7'b0000000), v, v, n(3'b110), v, n(7'b0110011)), ffor),
      when(pat(n(7'b0000000), v, v, n(3'b100), v, n(7'b0110011)), fxor),
      when(pat(               v, v, n(3'b111), v, n(7'b0010011)), fandi),
      when(pat(               v, v, n(3'b110), v, n(7'b0010011)), fori),
      when(pat(               v, v, n(3'b100), v, n(7'b0010011)), fxori),
      when(pat(               v, v, n(3'b010), v, n(7'b0000011)), flw),
      when(pat(            v, v, v, n(3'b010), v, n(7'b0100011)), fsw),
      when(pat(n(7'b0000000), v, v, n(3'b001), v, n(7'b0110011)), fsll),
      when(pat(n(7'b0000000), v, v, n(3'b101), v, n(7'b0110011)), fsrl),
      when(pat(n(7'b0100000), v, v, n(3'b101), v, n(7'b0110011)), fsra),
      when(pat(n(7'b0000000), v, v, n(3'b001), v, n(7'b0010011)), fslli),
      when(pat(n(7'b0000000), v, v, n(3'b101), v, n(7'b0010011)), fsrli),
      when(pat(n(7'b0100000), v, v, n(3'b101), v, n(7'b0010011)), fsrai),
      when(pat(n(7'b0000000), v, v, n(3'b010), v, n(7'b0110011)), fslt),
      when(pat(n(7'b0000000), v, v, n(3'b011), v, n(7'b0110011)), fsltu),
      when(pat(               v, v, n(3'b010), v, n(7'b0010011)), fslti),
      when(pat(               v, v, n(3'b011), v, n(7'b0010011)), fsltiu),
      when(pat(v, v, v, v, n(3'b000), v, v, n(7'b1100011)), fbeq),
      when(pat(v, v, v, v, n(3'b001), v, v, n(7'b1100011)), fbne),
      when(pat(v, v, v, v, n(3'b100), v, v, n(7'b1100011)), fblt),
      when(pat(v, v, v, v, n(3'b101), v, v, n(7'b1100011)), fbge),
      when(pat(v, v, v, v, n(3'b110), v, v, n(7'b1100011)), fbltu),
      when(pat(v, v, v, v, n(3'b111), v, v, n(7'b1100011)), fbgeu),
      when(pat(v, v, v, v, v, n(7'b1101111)), fjal),
      when(pat(               v, v, n(3'b000), v, n(7'b1100111)), fjalr),
      when(pat(               v, v, n(7'b0110111)), flui),
      when(pat(               v, v, n(7'b0010111)), fauipc),
      when(pat(               v, v, n(3'b001), v, n(7'b1110011)), fcsrrw),
      when(pat(               v, v, n(3'b101), v, n(7'b1110011)), fcsrrwi),
      when(pat(               v, v, n(3'b010), v, n(7'b1110011)), fcsrrs),
      when(pat(               v, v, n(3'b110), v, n(7'b1110011)), fcsrrsi),
      when(pat(               v, v, n(3'b011), v, n(7'b1110011)), fcsrrc),
      when(pat(               v, v, n(3'b111), v, n(7'b1110011)), fcsrrci),
      when(pat(n(25'b0), n(7'b1110011)), fecall)
   ) // switch
);

これは1ステップ目のデコーダステップであり、ここでビットパターン、例えばaddi命令とのマッチが取れれば、2ステップ目として個別の関数、例えばfaddiが呼び出されます。一例であるfaddiを示せば、

function Action faddi(Bit#(12) imm, Bit#(5) rs1, Bit#(5) rd) = 
   action
      Int#(32) immSext = signExtend(unpack(imm));
      if (immSext == 0)
         $display("time %4t -   mv\t%s,%s", $time, regname(rd), regname(rs1));
      else if (rs1 == 0)
         $display("time %4t -   li\t%s,%0d", $time, regname(rd), immSext);
      else
         $display("time %4t -   addi\t%s,%s,%0d", $time, regname(rd), regname(rs1), immSext);
   endaction;

RISC-Vにおいてaddi命令はイミディエイトがゼロの場合はmv命令として使用され、逆にソースレジスタにゼロレジスタを指定すれば、イミディエイトロード(li)命令として働きます。これらはプロセッサの設計的には不要な処理ですが、逆アセンブラのシンタックスシュガーとして実装しました。

2ステップ目の処理として、各種関数を命令数だけ並べる必要があります。


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posted by sakurai on October 24, 2022 #535

BSV実行結果(ハードウェアからの出力)と逆アセンブルリストをサイドバイサイドに並べた図を535.1に示します。分岐関係を除いて一致していることが分かります。BSV実行出力にアドレスやデータを表示することは簡単ですが、逆アセンブラを作成しているわけではないので、それらの表示機能は実装していません。

図%%.1
図535.1 実行結果と逆アセンブルリスト

この後も「はじめてのCPU自作」にあるようにECALLやCSR操作命令等を実装し、ひととおりriscv-testが通るデコーダまで作成が完了しました。ところで論理合成ツールには論理圧縮機能が含まれるため、出力されたデコーダ論理を合成前に圧縮する必要はありません。


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posted by sakurai on October 21, 2022 #534

コンパイルしたオブジェクトファイルの逆アセンブルリストは以下のとおりです。

図%%.1
図534.1 逆アセンブルリスト

これを「ハードウェアインタプリター」にかけたら以下のような実行結果となりました。

図%%.2
図534.2 インタプリター実行結果

addi命令のイミディエイトをゼロにすることでmv命令としたり、逆にレジスタをゼロレジスタとすることでli命令としたり、「インタプリター」の出力を細工し、逆アセンブルリストと合わせています。ただし、PCを実装していないので、PC相対命令のラベルは一致していません。このようにPC相対を除き、逆アセンブル結果とほぼ合わせることができました。


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posted by sakurai on October 20, 2022 #533

「ハードウェアインタプリター」に食わせる機械語列が必要です。そこで、この記事を参考に、Fibonacciプログラムをコンパイルし機械語化しました。試みにFibonacciが通るための「インタプリター」を書いていきます。前述のとおりこの「インタプリター」は実行ステージが逆アセンブル相当の表示をするだけのものです。

入力するFibonacciのソースは以下のように短いプログラムです。

fibo.c:

int fib(int n) {
  if(n <= 1) return 1;
  return fib(n-1) + fib(n-2);
}
int main() {
  fib(10);
  for(;;) {}
  return 0;
}

これをクロスコンパイルしてRISC-Vの命令を作成し、BSVの入力とします。シーケンサの自動生成を利用して1サイクル毎に、命令デコーダに命令を供給します。

Stmt main = seq
    instr <= 32'h074000ef;
    instr <= 32'hfe010113;
    instr <= 32'h00112e23;
    instr <= 32'h00812c23;
    instr <= 32'h00912a23;
    instr <= 32'h02010413;
    instr <= 32'hfea42623;
    instr <= 32'hfec42703;
    instr <= 32'h00100793;
    instr <= 32'h00e7c663;
    instr <= 32'h00100793;
    instr <= 32'h0300006f;
    instr <= 32'hfec42783;
    instr <= 32'hfff78793;
    instr <= 32'h00078513;
    instr <= 32'hfc9ff0ef;
    instr <= 32'h00050493;
    instr <= 32'hfec42783;
    instr <= 32'hffe78793;
    instr <= 32'h00078513;
    instr <= 32'hfb5ff0ef;
    instr <= 32'h00050793;
    instr <= 32'h00f487b3;
    instr <= 32'h00078513;
    instr <= 32'h01c12083;
    instr <= 32'h01812403;
    instr <= 32'h01412483;
    instr <= 32'h02010113;
    instr <= 32'h00008067;
    instr <= 32'hff010113;
    instr <= 32'h00112623;
    instr <= 32'h00812423;
    instr <= 32'h01010413;
    instr <= 32'h00a00513;
    instr <= 32'hf7dff0ef;
    instr <= 32'h0000006f;
endseq;

今回はまだデコーダのテストだけなので、PCは実装していません。


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posted by sakurai on October 18, 2022 #532

図532.1にBSV版のBitpatのREADMEに掲載されていた使用例を示します。

図%%.1
図532.1 BSVのBitpat関数

挙げられた例はちょうどRISC-Vの命令パターンに一致しており、add命令とaddi命令のデコード部分を示したものです。この要領で、次々に他の命令を実装していくことができます。

本ライブラリの動作は以下の2ステップとなっています。

  1. whenの中のパターンマッチでは可変部をvで表し、固定部をnとビットパターンで記述します。vの幅を指定しないで良いのは使いやすそうです。whenの最後に識別した機能を解釈するための関数名を記述します。
  2. マッチした後に呼ばれる関数では、可変部のみを変数で受け(固定部は捨てる)、処理を実行します。結局vの幅は意識しなければなりません。

このように最初に固定部、次に可変部という考え方に慣れる必要があります。最初は使いにくいと感じましたが、慣れれば気にならないのかもしれません。

プロセッサ設計と言ってもパイプラインでなければ、見方を変えれば、RISC-V機械語のインタプリターをHDLで作成するだけなので、それほど難しいことではありません。ひとつずつデコードし、対応する処理を実装していくだけです。この「ハードウェアインタプリター」の1段目はデコードステップで、2段目は実行ステップになります。


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RISC-Vプロセッサの設計

posted by sakurai on October 17, 2022 #531

「はじめてのCPU自作」という本を購入したので、これを参考にRISC-Vプロセッサを設計します。ただし、この本ではChiselベースとなっていますが、本稿ではBSVベースとします。またパイプラインプロセッサの経験があるため、最初からパイプラインプロセッサを設計します。

さて、この本を読んでいたらChisel(だかScalaだか)にはBitpatという便利な機能があるようです。

図%%.1
図531.1 ChiselのBitpat関数

命令デコーダを書くのに便利そうなので、BSVにもないのか調べたら、GithubにBitpatという似たようなものがありました。これはAlexandre Joannouさんが作成されたものであり、Readmeには以下のように書いています。

BitPat BitPat is a bit-string pattern matching library for Bluespec, inspired by Morten Rhiger's "Type-Safe Pattern Combinators".

BSVにおいてのパターンマッチライブラリとのことです。便利そうなのでRISC-Vの命令デコーダに採用することにします。


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posted by sakurai on September 27, 2022 #517

完成したゲームのオープニングからのゲーム開始画面です。動画変換フレームレートの関係で、ゼロの点滅がハッキリと再生されませんが、実際にはきれいに点滅しています。

図%%.1
図517.1 オープニングアニメーションシーケンス

実行のシーケンス

  • 得点表(Score Advance Table)アニメーション表示
  • Fボタンを押す
  • "PUSH ONLY 1PLAYER BUTTON"を表示、CREDIT=01
  • Sボタンを押す
  • "PLAY PLAYER<1>"を表示、CREDIT=00、SCORE<1>をゼロにし、規定回数点滅
  • ゲームスタート

図513.5
図513.5 ボタン配置図

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posted by sakurai on September 26, 2022 #516

Y字リプレースアニメーションのソース

Y字リプレースアニメーションのソースを示します。Y字リプレースアニメーションもFボタンにより中断するため、各所でFボタンを見ています。

function Stmt replaceY;
   return (seq
      // from right to left
      for (i <= 228; i >= 142; i <= i - 2) seq
         copyArea((pack(i)[1] == 1'b1) ? 68 : 84 , 32, i, 67, 10, 8);
         wait_timer(`TICK_WAIT3);
         if (fbutton) break;
      endseq // for
      if (fbutton) break;
      // from left to right
      for (i <= 136; i <= 226; i <= i + 2) seq
         copyArea((pack(i)[1] == 1'b1) ? 75 : 91 , 107, i, 67, 16, 8);
         wait_timer(`TICK_WAIT3);
         if (fbutton) break;
      endseq // for
      eraseArea(226, 67, 16, 8);
      wait_timer(`TICK_WAIT32);
      if (fbutton) break;
      // from right to left
      for (i <= 226; i >= 136; i <= i - 2) seq
         copyArea((pack(i)[1] == 1'b1) ? 77 : 93 , 117, i, 67, 16, 8);
         wait_timer(`TICK_WAIT3);
         if (fbutton) break;
      endseq // for
      wait_timer(`TICK_WAIT32);
      if (fbutton) break;
      eraseArea(141, 67, 9, 8);
      wait_timer(`TICK_WAIT32);
      if (fbutton) break;
   endseq);
endfunction

これだけでなく、タイマールーチンの中でもFボタンによる中断を見ていますが、ちょっとやり過ぎのようです。実際には多少間引いても体感に影響しないと思います。


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posted by sakurai on September 23, 2022 #515

オープニングアニメーションのソース

オープニングアニメーションのソースを示します。オープニングアニメーションはFボタン(コイン投入の模擬)により中断するため、各所でFボタンを見ています。

function Stmt openingAnimation;
   return (seq
      // Opening Animation
      foa <= True;
      eraseArea( 0, 41, 255, 199); // erase screen
      eraseArea(25,242, 5, 7); // erase zanki
      stringS1; // PLAY ...
      if (fbutton) break;
      wait_timer(`TICK_WAIT64);
      if (fbutton) break;
      stringS2; // *SCORE ...
      if (fbutton) break;
      wait_timer(`TICK_WAIT32);
      if (fbutton) break;
      stringS3; // =? MYSTERY ...
      if (fbutton) break;
      wait_timer(`TICK_WAIT64);
       if (fbutton) break;
      replaceY; // ^ -> Y
      if (fbutton) break;
      wait_timer(`TICK_WAIT64);
      if (fbutton) break;
      foa <= False;
   endseq);
endfunction

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posted by sakurai on September 22, 2022 #514

オープニングアニメーションの追加

テスト用のソースを示します。コンパイル時間短縮のため、ゲーム部分をカットしています。

// メインフロー
Stmt main = seq
   while (True) seq
      while (!fbutton) seq
         openingAnimation; // Fボタンによりブレーク
      endseq // while
      openingDisplay;      // 表示のみ、ボタンを待たない
      await(sbutton);        // Sボタンによりブレーク
      openingDisplay2;    // タイマーによりブレーク
      // game start
   endseq // while
endseq;

// CREDIT 01, "PUSH ONLY 1PLAYER BUTTON"
function Stmt openingDisplay;
   return (seq
      eraseArea( 0, 41, 255, 199); // erase screen
      stringS5; // PUSH ONLY ...
      copyArea(10, 162, 217, 241, 5, 7); // CREDIT 00->01
   endseq);
endfunction

// CREDIT 00, "PLAY PLAYER<1>, 00000"
function Stmt openingDisplay2;
   return (seq
      eraseArea( 0, 41, 255, 199); // erase screen
      stringS6; // PLAY PLAYER<1>
      copyArea(2, 162, 217, 241, 5, 7); // CREDIT 01->00
      for (i <= 1; i < 15; i <= i + 1) seq
         // erase zero
         eraseArea(40, 25, 37, 7);
         wait_timer(`TICK_WAIT4); // wait 66.66msec
         stringS7; // 00000
         wait_timer(`TICK_WAIT4); // wait 66.66msec
      endseq // for
   endseq);
endfunction

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