Article #586

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定量FTAによるPMHF計算法 (2)

posted by sakurai on March 30, 2023 #586

図585.1が小さいので拡大して見ていきます。まず部分FTのトップのANDゲートです。車両寿命間におけるALUの永久故障確率を表しています。

図%%.1
図586.1 規格1st editionのFTA図構成

ANDゲートの左下の事象はALUの永久故障率です。ALUの2つの数字、故障率と確率に着目すれば、本文に$T_\text{lifetime}=5,000[H]$とあることを用いて、 $$ \lambda_\text{IF}=3.48\times10^{-11} および\\ Q=\lambda_\text{IF}T_\text{lifetime}=3.48\times10^{-11}\cdot5.0\times10^{3}=1.74\times10^{-7}\tag{586.1} $$ となります。

事象には故障率$\lambda_\text{IF}$を入力します。ここで故障率は$[H^{-1}]$の次元を持つため、FTAツールがデフォールトのミッションタイム(運用時間)である車両寿命$T_\text{lifetime}$を自動的に掛け、確率$Q$に直して計算します。

注目すべき記号としてLがあります。これはプライオリティを示すもので、Lで示される側のフォールトが後で生起する場合に限定されます。従って本FTはフォールト順序がSM1⇒IFの順であり、冗長性は持たないという前提です。すなわちDPF項には$\frac{1}{2}$が必要です。

トップのANDゲートの右下のORゲートは、ALUの検出されない永久故障と書かれており、SPFとDPFの確率を加算するためのORゲートです。


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