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PMHF式の誤り |
Youtubeで「ISO 26262 Hardware Safety Metrics Youtube」と検索して出てきた動画にもPMHF式の誤りがありました。
PMHF式は本来確率式をベースにしていますが、この説明においても、シングルポイント確率とマルチプルポイント確率を同列に扱って、単に故障率として加算しています。マルチプルポイント確率は桁違いに小さいので同列に扱ってはいけません。
2014年の論文「Assessing automotive functional safety microprocessor with ISO 26262 hardware requirements」が初出らしく、これを引用した全ての資料が誤りの連鎖を起こしています。以下の図326.1は過去記事の図です。
これは動画(図771.1)と同じ式ですが、既に記事#324, #325, #326, #523で指摘しているとおり誤りです。
動画(図771.1)の右下の計算もおかしく、$\lambda_\text{SPF/RF}$よりも$\lambda_\text{MPF,latent}$のほうが大きくなっていますが、実際にはこのようなことは起こりえません。一般には前者が支配的となります。論文を確認したところ、図771.2に示すように論文の表7そのままでした。
規格Part 10にPMHF式が掲載されているにも関わらず、ほとんどの論文やこのような教育資料でその式が無視され、どこかの論文の式が孫引きされているのは不思議なことです。
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