Article #261

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FM-7 ROM吸出し器の改版 (6)

posted by sakurai on May 20, 2020 #261

Arduino自身によるリフレッシュ

DRAMリフレッシュ手法を再考しました。PICでの割込みもArduinoでの割込みも、性能は別として論理的には同じように動作するはずです。そこで、PICで実装する前に、試行としてArduinoに割込みを入れてリフレッシュする方法を検討します。DRAMのリフレッシュタイミング制約によれば16.5 usecに1回リフレッシュパルスを入れる必要があります。Arduino 日本語リファレンスを探したのですが、マイクロ秒で割込みを入れられる関数は無いようでした。このMsTimer2だと、1 msecで割込みを入れて、その代わり、一回の割込みで64回のリフレッシュパルスを発行することになります。

その後、FlexTimer2という、より自由度の高いタイマーが見つかったので、こちらを試します。DRAMのリフレッシュタイミング制約から以下の表261.1を作成しました。これに従い、実験によりタイマを決定します。

表261.1 FlexTimer2の解像度とリフレッシュ回数の対応
解像度 1割込みのリフレッシュ回数 周期
64,000 1 15.6 usec
32,000 2 31.3 usec
16,000 4 62.5 usec
8,000 8 125 usec
4,000 16 250 usec
2,000 32 500 usec
1,000 64 1 msec
500 128 2 msec

既存の基板のポートに対して、D44からZ80コネクタB18(*REFCK)に1本ジャンパー線を配線します。

#define XREFCK 44

割込みをイニシャライズルーチンsetup()で設定します。ここでは解像度を8,000として、割込みを1/8,000 sec=125 usec毎にかけ、refresh関数を呼び出します。

FlexiTimer2::set(1, 1.0/8000, refresh); // call every 125usec "ticks"

また、リフレッシュルーチンは以下のとおりです。

  void refresh() {
    digitalWrite(XREFCK, LOW); 
    digitalWrite(XREFCK, HIGH); 
    digitalWrite(XREFCK, LOW); 
    digitalWrite(XREFCK, HIGH); 
    digitalWrite(XREFCK, LOW); 
    digitalWrite(XREFCK, HIGH); 
    digitalWrite(XREFCK, LOW); 
    digitalWrite(XREFCK, HIGH); 
    digitalWrite(XREFCK, LOW); 
    digitalWrite(XREFCK, HIGH); 
    digitalWrite(XREFCK, LOW); 
    digitalWrite(XREFCK, HIGH); 
  }

このスケッチを実行した波形を図261.1に示します。

図%%.1
図261.1 *REFCKの波形
本来であれば表261.1より、125 usec毎に*REFCKは8回必要ですが、Arduinoの速度が遅いため6回しか発行できていません。8回発行すると、割込み処理だけで能力の限界となります。割込み周期を倍にすると、必要な*REFCK数が倍増するので結局変わりません。

評価プログラムを用いた実験結果は、熱はかけていないものの288秒で打ち切るまでノーエラーだったので、リフレッシュ回路は一応OKと判断します。ただし、DRAMリフレッシュのマージンに頼った実力OKの方式です。能力の大方がリフレッシュという効率も悪い方式なので、PICで改善することを期待します。


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