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Pongと強化学習 (42) |
正解値が無い強化学習でどのように誤差を減らすのかを聞いてみます。
強化学習では、伝統的な教師あり学習のように事前に定義された正解ラベルが存在せず、代わりにエージェントの行動に対する環境からのフィードバックとして報酬が用いられます。このため、強化学習の文脈では、クロスエントロピー損失を直接計算するのではなく、報酬に基づいてエージェントが最適なポリシーを学習する方法が採用されます。
報酬と損失関数
強化学習では、エージェントが取る行動に対して環境から得られる即時報酬(または遅延報酬)を最大化することが目標です。この目標を達成するために、報酬を最大化するポリシーを学習することに焦点を当てますが、報酬の最大化自体を直接の損失関数として使用するわけではありません。代わりに、TD誤差(Temporal Difference Error)や、行動価値関数(Q関数)の更新に基づく損失など、報酬に基づいて間接的に定義される損失関数が用いられます。
行動価値関数とTD誤差
強化学習における一般的なアプローチの一つに、Q学習があります。Q学習では、各状態-行動ペアに対する行動価値関数(Q関数)を推定し、エージェントが最適な行動を選択できるようにします。このとき、TD誤差は現在のQ値と、受け取った報酬及び次の状態における最大Q値との差として計算されます。TD誤差を最小化することで、エージェントは最適なポリシーに従って行動を学習します。
ポリシーグラディエント法
別のアプローチとしてポリシーグラディエント法があります。この方法では、エージェントのポリシー自体を直接最適化します。ポリシーグラディエント法では、報酬の期待値を最大化する方向に、ポリシーのパラメータを更新していきます。このプロセスでは、エピソード全体の報酬の合計を基に損失関数を定義し、この損失を最小化(実際には報酬の最大化)する方向にポリシーを更新します。
結論
従って、強化学習においては、「正解との誤差」を直接的に計量するのではなく、環境からのフィードバック(報酬)を基に最適なポリシーを学習するプロセスが採用されます。TD誤差の最小化、または報酬の期待値の最大化など、報酬に基づいた目標に対して間接的にアプローチすることにより、エージェントは最適な行動戦略を身につけることができます。