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FM-7 ROM吸出し器の改版 (2) |
DRAMの"化け"は故障とみなせる
試みに、DRAMのリフレッシュを停めると、どの程度ビット化けが起きるかを実験してみました。 注意点として、データチェックのためにリードアウトすると、リフレッシュとなってしまうということがあります。そのため、1sec毎に故障数をチェックするのではだめで、リフレッシュ停止期間を1secずつ伸ばして行き、壊れているデータの数を計数します。リフレッシュを停止しただけなので、永久故障ではないのですが、機能停止を広い意味で故障として扱うため、ここでは故障(ソフトエラー)と呼ぶことにします。
図257.1左がリフレッシュ停止時間(sec)に対する故障バイト数の試験数に対する割合(累積故障確率関数)、図257.1右がリフレッシュ停止時間(sec)に対する1秒当たりの故障数(確率密度関数)です。このグラフはジャンクション温度により非常に変化し、当然温度が高いほうが故障しやすいわけです。
この室温では2分間でほぼ全数のバイトが化けていることになります。グラフでは分かりにくいですが、漸近値が99.2%付近となっています。100%にならない理由は、DRAMはリフレッシュが停まると\$00または\$FFになり易く、たまたま正解値が\$00または\$FFだったためと思われます。一致する確率は2/256なので、故障個数の最大は、試験バイト数\$6000個に対して$(1-\frac{2}{256})=99.2186\%$の24,384個になるはずです。実データでは139秒後に24,384個故障し、確率的な一致を除いた最大数になりました。
リフレッシュ試験
DRAM化けの試験プログラムはそのままリフレッシュ回路の試験に使用できます。リフレッシュを停止すると、正規分布を持つ確率密度に従いソフトエラーが起こります。リフレッシュ回路を追加して、さらに厳しい条件となるようにドライヤー等でDRAMを加熱し、この試験プログラムを用いて、2分程度エラーが確認されなければリフレッシュ回路はOKと判断できます。非同期DRAMのタイミングは複雑であり、RASのタイミングが規格割れしただけでソフトエラーを起こすので、試験としてはこれだけでなく、様々なタイミング切り替えを実施するほうが良いと思います。