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共存の基準 |
デコンポジションの基本的な考え方は理解頂いたと思うので、同様に重要な要件を説明します。 同じくPart9に記載されている「共存の基準」です。
QMエレメントからASILエレメントへの無干渉を証明すれば、QMエレメントとASILエレメントが共存することができる。さもなければQMエレメントはASILエレメントのASILまでASILを引き上げなければならない。
低ASILエレメントから高ASILエレメントへの無干渉を証明すれば、低ASILエレメントと高ASILエレメントが共存することができる。さもなければ低ASILエレメントは高ASILエレメントのASILまでASILを引き上げなければならない。
いずれも同様な要件であり、QMないし低ASILエレメントはいわば濁った水です。一方で高ASILエレメントはきれいな水です。従って、高ASILエレメントがQMないし低ASILエレメントに干渉しても、濁ったままで問題ないのに比べて、その逆の場合は、きれいな水が濁った水になってしまいます。従って、無干渉が証明できない限り濁った水をきれいにしてやる必要があるということです。
規格Part9 6.4.4及び備考1を見てみましょう。
これはQMからASIL付与エレメントへの無干渉条件(カスケード故障無き事)ですが、前述のとおり、低ASIL付与エレメントから高ASIL付与エレメントへの同様の条件があります。それが規格要件Part9 6.4.5です。