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安全機構の効果 |
半導体開発の試験時には通常Biult In Self Test (BIST)を用います。BISTにはLogic-BISTとMemory-BISTがあり、動作が異なります。Logic-Bistは論理の形式と全く無関係にスキャンF/Fを数珠繋ぎにし、長大なシフトレジスタと見立てます。内部回路のATPGからデータパタンを入れ、内部回路が設計どおりに動作するかを外部端子で確認します。シリアルで確認するために時間がかかることが難点です。Memory-BISTはテストパターンとして全ビットに0/1を書いてから読み出し、正しく0/1になっているか、あるいは0, 1をチェッカーボードパターンと呼ばれる交互に書き込み、読み出す方法等があります。いずれもテスタを用いずに内部的にパターンジェネレータを搭載します。
通常のLSIの試験にはテスタが用いられますが、BISTはテスタからのパタンジェネレータが内蔵されているため、運用時の故障検出に使いたくなります。もし安全機構として使用できれば、リアルタイムに故障検出ができることになります。故障検出率は高いものの、2点問題があります。それはFTTI中に実行しなければならない問題と、I/Oや動作に厳しい制約がかかる点です。
まず1st SMとして主張するためには、故障検出はFTTI中に実行しなければなりません。従って、Key-ON/OFF時のBISTチェックではこれを守れません。従って通常は2nd SMという扱いになります。他方、無理やりFTTI中に実行する設計にした場合は、次の問題に引っ掛かります。それは、L-BISTにしろM-BISTにしろ、F/Fやメモリの内容を基本的には全て破壊するため、車両システムから切り離して実行する必要があります。例えば、F/Fやメモリの内容が変化しても正常状態に影響を与えない工夫、FTTI中に元の値に戻す工夫、さらにはI/Oが変化しても車両に伝えないようにする工夫等が必要になり、非常に困難です。例えば冗長サブシステムの片側だけを交互に行えばできるかもしれません。そうだとしても、FTTI中に検出するためには2倍の速度で交互に検査する必要があります。
従って、L-Bist、M-BistはKey-ON/OFF時にのみ使い、2nd SMという扱いにするのが常道と言うことができます。
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