Article #240

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BSVの設計トライアル (7)

posted by sakurai on April 15, 2020 #240

mkConnection

BSVにはmkConnectionという機能があり、インターフェースの接続を効率的に行えます。

図%%.1
図240.1 Vivado sound階層ブロック図

図240.1にmkConnectionによる信号の接続及び、BSVで言うメソッドとVerilogで言う信号端子の関係を示します。

Verilogで表すと、モジュールefsmの端子out_code[4:0]から出力した信号code[4:0]が、モジュールsfsmの端子in_code[4:0]に接続されるものとします。この接続を実現するのは上位でのmkConnectionメソッドです。

まず、出力側モジュールefsmの読み出しメソッドは、interfaceブロックにおいてout_code()メソッドで記述されます。メソッドのリターンタイプはCode_tです。BSVのメソッド名がそのままVerilogの端子名になります。

    interface EFSM_ifc;
        method Code_t out_code();

上位での接続のための識別子は、"モジュール名"+"."+"BSVメソッド名(=Verilog端子名)"となります。EFSMモジュールのインスタンス名をefsmとすると、以下のようになります。

    efsm.out_code

一方、入力側モジュールsfsmへの書き込みメソッドには副作用があるため、interfaceブロックにおいて、method Actionとします。書き込みとVerilog端子は少々複雑で、Verilog端子名は"BSVメソッド名_入力パラメータ"となります。

    interface SFSM_ifc;
        method Action in(Code_t code);

上位での接続のための識別子は出力側と同じく、"モジュール名"+"."+"BSVメソッド名"となります。Verilog端子名とは若干異なります。

    sfsm.in

ここでは分かりやすさのため、メソッド名をinとしましたが、重なることはできないため、現実的にはinXXXXのように、意味のあるメソッド名を付けることになります。最後に上位での接続を示します。

    import Connectable::*;

    mkConnection(efsm.out_code, sfsm.in);

inとoutのどちらを先に書いても文法的には問題ありませんが、回路図の記法の通例として左から右に信号の流れを書くため、左側に出力メソッド、右側に入力メソッドを書くルールとします。

Verilog端子名の制御

注意:端子名制御はVerilogのみに影響を与えるため、mkConnection等のBSVの世界では影響を与えません。

defaultのVerilog端子生成ルールはコントロールすることができ、

  • 出力側の端子名をOUTPORTとしたい場合は(* result="OUTPORT" *)とインタフェースに記述します。
  • 入力側の端子名をINPORTとしたい場合は(* prefix="" *)としてメソッド名を消去し、さらに(* port="INPORT" *)とインタフェースに記述します。

メソッド名は大文字で始まることが許されていないため、任意のポート名を付けるにはこの制御指示子を用います。例えば、出力インタフェース部に

    method Bool fifo_ren();

という出力インタフェースがある場合、

    (* result="FIFO_REN" *)
    method Bool fifo_ren();              // output terminal "fifo_ren" -> "FIFO_REN"

という指示を与えることで、生成されるverilogにはFIFO_RENという端子が生成されます。

    // value method fifo_ren
    output FIFO_REN;

また、入力インタフェース

    method Action rom(Data_t indata);

においては、メソッド名がromでアーギュメントがindataであるため、defaultでは端子名はrom_indataとなります。これに対して、

    (* prefix="" *)
    method Action rom((* port="INDATA" *) // input terminal "rom_indata" -> "INDATA"
       Data_t indata);

という指示を与えることで、生成されるverilogにはINDATAという端子が生成されます。

    // action method rom
    input  [7 : 0] INDATA;

最後にmethod名を生かしたい場合には次のようにします。例えば

    method ActionValue#(Bit#(8)) read(); // パラレル出力メソッド
    method Action write(Bit#(8) nodata); // パラレル入力メソッド

のようにread及びwriteというパラレル入出力が有った場合、readという出力インタフェースに対して生成されたverilogは以下のようにmethod名がそのまま端子名になります。

    // read                           O     8 reg
    // RDY_read                       O     1
    // EN_read                        I     1

反対にwriteという入力インタフェースに対してはmethod名を消去しなければmethod名と変数名の結合となります。または、上記のようにmethod名を消去すると入力変数名が生きることになります。

そこで、method名を生かすには一度method名を消去して再度method名をポートで定義することで対処します。

    (* prefix="" *) // delete write
    method Action write((* port="write" *) Bit#(8) nodata); // パラレル入力メソッド

これにより生成されたverilogのコメント部は以下のとおりです。

    // write                          I     8
    // RDY_write                      O     1
    // EN_write                       I     1

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