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Pongと強化学習 (106) |
コードの続きの説明です。
このコードブロックは、Deep Q-Network (DQN) で使われる重要なテクニックであるターゲットネットワークのパラメータ更新に関するものです。具体的には、ソフトアップデート手法を用いてターゲットネットワークの重みを徐々に元のQネットワークの重みに近づける処理を行っています。
ソフトアップデートの概要
DQNでは、学習を安定化させるために、二つのネットワークを使用します:一つは学習に使われるQネットワークで、もう一つはターゲットネットワークです。ターゲットネットワークは、Qネットワークの学習が進むにつれて定期的にそのパラメータを更新することで、学習プロセス中の価値推定の変動を緩和します。この更新は、完全なコピー(ハードアップデート)か、徐々にパラメータを移動させるソフトアップデートのどちらかで行われます。
コードの詳細解説
1. 更新頻度のチェック:
if global_step % args.target_network_frequency == 0:
この条件は、指定された頻度(args.target_network_frequency
)ごとにターゲットネットワークのパラメータを更新するタイミングを決定します。
2. パラメータのソフトアップデート:
for target_network_param, q_network_param in zip(target_network.parameters(), q_network.parameters()):
target_network_param.data.copy_(
args.tau * q_network_param.data + (1.0 - args.tau) * target_network_param.data
)
zip(target_network.parameters(), q_network.parameters())
を使用して、ターゲットネットワークとQネットワークの各パラメータを組み合わせます。- ソフトアップデート式は
args.tau * q_network_param.data + (1.0 - args.tau) * target_network_param.data
です。ここでargs.tau
は[0, 1]の範囲の値で、ターゲットネットワークのパラメータをどの程度Qネットワークに近づけるかを決定します。tau
が1に近いほど、ターゲットネットワークはQネットワークに迅速に追従します。
役割と重要性
このソフトアップデートは、DQNの学習過程において重要な役割を果たします。ターゲットネットワークのゆっくりとした更新は、学習中の過大な価値推定の振動や発散を防ぎ、全体の学習プロセスの安定性を保ちます。このメカニズムにより、エージェントはより確実に効果的なポリシーに収束することができます。
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