Article #274

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RISC-Vの調査(3)

posted by sakurai on June 11, 2020 #274

前々稿の記事において、シミュレーションモデルが生成できましたが、これを実行させてみます。

テストプログラムは、add命令単体テストで、

80000000 <_start>:
80000000:       04c0006f                j       8000004c <reset_vector>
8000004c <reset_vector>:

8000004c:       f1402573                csrr    a0,mhartid
80000050:       00051063                bnez    a0,80000050 <reset_vector+0x4>
80000054:       00000297                auipc   t0,0x0
80000058:       01028293                addi    t0,t0,16 # 80000064 <reset_vector+0x18>
8000005c:       30529073                csrw    mtvec,t0
80000060:       18005073                csrwi   satp,0
:

80000100 <test_2>:
80000100:       00000093                li      ra,0
80000104:       00000113                li      sp,0
80000108:       00208f33                add     t5,ra,sp
8000010c:       00000e93                li      t4,0
80000110:       00200193                li      gp,2
80000114:       4ddf1663                bne     t5,t4,800005e0 <fail>

80000118 <test_3>:
80000118:       00100093                li      ra,1
8000011c:       00100113                li      sp,1
80000120:       00208f33                add     t5,ra,sp
80000124:       00200e93                li      t4,2
80000128:       00300193                li      gp,3
8000012c:       4bdf1a63                bne     t5,t4,800005e0 <fail>
:

のように構成されています。Bsimによるシミュレーションは、+v1で命令トレースが、+v2でパイプラインステージの内容を表示させるようになっています。+v2で実行させた結果をgrepにより計数してみると、表274.1のようになりました。パイプラインの各ステージの出力ステータスの意味は、以下のとおりです。

  • EMPTY --- 入力が来ないためアイドルとなっている
  • BUSY --- 入力があるが、処理中で出力がレディではない
  • PIPE --- 入力があり、パイプラインは正常な出力を行っている
  • NONPIPE --- 入力があり、出力は例外的な場合(トラップ等)

表274.1 ステージ毎のパイプラインの状態
状態 StageF StageD Stage1 Stage2 Stage3
BUSY 1,118 0 23 26 0
EMPTY 22 1,094 959 1,373 1,409
PIPE処理 743 789 901 484 474
合計 1,883

この表だけでもいろいろなことが推測されます。
  • 試験命令数は473命令だったので、CPI(Cycles Per Instruction)は3.98となりました。命令キャッシュミスのためにかなり大きく(悪く)なっています。
  • マシンサイクル1,883サイクルのうち、実際に処理しているのは半分くらいであり、主なパイプラインストールは命令キャッシュによるものだと考えられます。
  • StageFがBUSYの分だけStageD以降がEMPTYとなり、空いています。すなわち約1,100サイクルがパイプラインバブルとなっています。
  • Stage1に対してStage2のPIPE処理が半分なのは、ロードストア命令が半分(レジスタとロードストアが1:1)くらいだからかもしれません。
  • StageDに対してStage1のPIPE処理が増加しているのは、マルチサイクル命令のためかもしれません。

これだけ見るとかなり効率が悪そうですが、対象がテストプログラムでループが無いため、基本的にキャッシュミスが頻発します。一般のアプリケーションのようにループがあれば、ずっと効率が向上するはずです。


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