Posts Tagged with "Design"

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FPGAで機械学習(1)

posted by sakurai on February 16, 2019

機械学習

そもそもFPGAボードを購入したのは機械学習(以降ML)をさせたかったのですが、その前に設計フローの勉強としてインベーダーゲームを作成しました。作成途中では拡張ボードが必要になり、急遽Pt板設計CADを勉強したりPt板を発注したりという作業が発生しましたが、今回からMLの話題に移ります。

エッジAI

AIもMLも同様な意味で使われていますが、本命はエッジAIです。現状は良いモデルの探求や膨大な学習の必要性から、クラウド側でGPUが多用されています。ただ、一旦学習が完了すればそれを多数の端末にデプロイします。せいぜい数十個のGPUがセンター側で必要なのに対し、車載ADAS/ADでは数百万台出荷されるため、半導体ビジネスからみると圧倒的にエッジAIのほうが魅力的です。

エッジAIの部品

エッジAIにおいては何より低電力、低コストが求められるので、一台10万円もするようなGPUは、コスト、電力、発熱共に使用できません。従来はFPGAも高価でしたが、近年のXilinx Zynq UltraScale+等のようなチップであれば価格はGPUの1/100のオーダーです。ということでFPGAでMLすることを考えます。

エッジAIのフレームワークDNNDK

フレームワークとはAIの業界ではTensorFlowやChainerを意味することが多いのですが、ここではエッジAIのソフトウェア基盤の意味で用いています。具体的にはDeePHiの作成した以下に示すDNNDKフレームワークを使用します。DeePHiはXilinxによって昨年買収されました。

図87.1
図87.1 DNNDKスタック


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posted by sakurai on February 8, 2019

ゲームの完成

以前の記事で実装したインベーダゲームを、Ultra96及びUltra96toPMODインタフェースボードの組み合わせと、ジョイスティックで動作させることができました。絵も音も、UltraZedボードと全く同様に出ています。

動画のフルキーボードは全く使用していません。Ultra96に上記PMODインタフェースボードを接続し、それにPMOD-VGAボード、PMOD-I2Sボード、自作PMODジョイスティックSWボードを接続し、動画中のジョイスティック及びスイッチにより操作しています。

図86.1
図86.1 Ultra96のインベーダゲーム

共通シーケンス

ゲーム自体はまだ改良の余地があり、共通ステートシーケンスをソフトで言うところのサブルーチン化する等のリファクタリングを実施中です。図86.2にその一例を示します。パターンROMからいろいろな形、例えばインベーダ、自機、ベース、UFO等をVRAMに矩形転送するシーケンスは、多用されますが、それぞれにシーケンサを用意していると大変なロジック量になります。これをサブルーチンのように、{ソースX座標、ソースY座標、横幅、縦幅、デスティネーションX座標、デスティネーションY座標}の6個を入力パラメータとして、シーケンスを呼びだすことでシーケンスの共通化が可能です。呼び出す前には戻り番地をリターンレジスタに退避してから呼び出します。呼び出し先で戻るときにはリターンレジスタをステートに代入して戻ります。

図86.2
図86.2 共通シーケンス(=サブルーチン)

本来はプロセッサのソフトウェアで実行する、十分複雑なシーケンス制御をハードウェアで実装してみて判明したのは、まさにプロセッサの進化のリバース(逆行)だということです。FSMシーケンスを共用化する目的で、前述のようにリターンレジスタを実装しましたが、これはプロセッサのリンクレジスタと同じです。

水平マイクロ

現在マイクロプログラム処理をあまり見なくなったのは論理合成のためだと思います。論理合成が無い時代はハードウェア論理を変更するのは大変な作業で、それを簡単にするために、FSMではなくマイクロプログラム処理を考え、ROMの内容を書き換えることで、処理の変更を行ったわけです。今回のFSMシーケンス記述は、いわば、インベーダ処理プロセッサの超水平マイクロを書いているようなものです。ちなみに水平マイクロには、普通プロセッサレベルのISAには存在しない、マルチウェイ分岐等の強力な命令があります。

ESDAツール

最近ではSDSoCなりVivado-HLSなりが使えるので、Cで書こうかとも思いましたが、今回はVerilogで記述してみました。VerilogはCに対するアセンブラとも言われますが、コード量的にはそれほどの差はありません。20年ほど前にESDAツールがあったのですが、最近はどこへ行ってしまったのでしょうか。動作合成が進んだのでなくなったのかもしれません。同じアルゴリズムをCで書いてみると、ESDAが不要かどうかが分かると思います。


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posted by sakurai on February 5, 2019

Ultra96対応だけであれば変換ボードに吸収しても良いのですが、 スイッチ類をUltraZedボードに差し替えて使用する場合には、前述のとおりインタフェースが必要になります。その理由は、遠い場所にあるスイッチは単なるロジックではなく電装線路扱いとしなければ、反射が起き、正常に動作しないためです。

この反射を抑えるために、図85.1のような回路を設計しました。

図85.1
図85.1 回路図

このボードを作成しました。手ハンダでも作成できるようにSMDは使用しないようにしています。

図85.2
図85.2 ボードレイアウト図

EagleUpを用いて3D化します。

図85.3
図85.3 ボードイメージ

前々回作成したUltra96からPMODへのインタフェースボードと組み合わせ、レンダリングしたものが図85.4です。フラットケーブルの先(反対側)には前回のジョイスティック及びスイッチを接続します。

図85.4
図85.4 結合ボードイメージ


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posted by sakurai on February 3, 2019

ジョイスティックとスイッチの入力装置を作成します。ジョイスティックもプッシュスイッチも単なるマイクロスイッチですが、問題は遠いところにあることです。例えば線長が1m程度もあります。そのままだと反射が激しくなり、電装線路の終端が必要になります。今回の場合終端しなければ、しばしば50MHz程度の定常波が発生しました。

図84.1
図84.1 ジョイスティックとスイッチ入力装置

写真のジョイスティックやプッシュスイッチはパーツショップで1,000円程度で購入できます。またそれらを取り付ける台は100円ショップで半透明のPPケースを購入しました。以下に、ボード以外で必要な部品表を示します。

品名 単価 数量 備考
ジョイスティック 980円 1 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-10992/
プッシュスイッチ 150円 2 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-07248/
PPケース 100円 1 https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/simplehome/20170303/20170303152651.jpg
ネジM4x6mm 5円 4 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-07326/(100個入り500円)
ナットM4 10円 4 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-11730/(50個入り500円)
フラットケーブル5芯 79円 1.0m https://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=EEHD-04N5(158円)
配線材料 - 少々 http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-11641/(1mx10本入り300円)


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posted by sakurai on January 29, 2019

生基板

今回はSeeed Fusion PCBという会社に基板を発注し、約22日で届きました。製造に13.16日、配送は最安のシンガポール郵便で9.67日となっています。

費用は送料込みで$7.9でした。送料込み約860円くらいで試作基板が5枚作成できるので、ユニバーサルボード一枚が200円前後することを考えると、非常にお得です。

図83.1
図83.1 PCB

組み立て

部品をハンダ付けにより実装していきます。試作のため手ハンダを前提としたことにより、SMDを極力避けたのですが、レベル変換ICのTXS0108EPWRはDIPの製品は入手できずにSMDとなってしまいました。

図83.2
図83.2 組み立てたPCB

SMDのアマチュア的ハンダ付けには、手ハンダ、ホットプレート法、トースター法等がありますが、今回は手ハンダでやってみます。手付けでなんとかきれいに付けることができました。図83.3にTXS0108EPWRの手ハンダ実装後の顕微鏡写真を示します。

図83.3
図83.3 SMDのハンダ付けの様子

以下の動画を参考にさせて頂きました。
https://www.youtube.com/watch?v=5uiroWBkdFY


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posted by sakurai on January 28, 2019

3D化による検討

基板と部品の配置を行うために3D化をします。これにより部品どうしの干渉などが発見できます。そのためには3D CADと3D部品が必要ですが、ここでは無償で使用可能なSketch Upを使用してみました。さらにEAGLEからSketch UPへのプラグインが必要となります。

そのプラグインの場所はここです。 https://eagleup.wordpress.com/

ImageMagickを入手してパスを記録しておいてください。ImageMagickのインストール時には、レガシーツール(convert.exe等)もインストールするように、チェックしておいてください。

EAGLEのULP->Browseをクリックし、EagleUpを実行します。最初の一度だけパスを表示する画面が出るので、必要な情報を入力します。

図82.1
図82.1 EAGLE内からEagleUpを実行

EAGLEからULPを開き、EagleUPを実行すると、SketchUpのプラグインで読み込む情報(.eupファイル)が生成されます。SketchUpを立ち上げ、プラグインを実行し、今作成された.eupファイルをロードしたものが図82.2です。ただし部品が一部未搭載です。

図82.2
図82.2 SketchUp内からEagleUpを実行

レンダリングしたものを図82.3に示します。ただし部品が一部未搭載です。

図82.3
図82.3 レンダリングしたボードイメージ


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posted by sakurai on January 27, 2019

プロトタイプボード

以前UltraZedボードに実装したスペースインベーダーを移植します。

Ultra96にはPMODインタフェースが無いため、PMODインタフェースを持つVGAインタフェースボードI2Sインタフェースボードを接続するためのインタフェースボードを作成します。

仕様

Ultra96にPMOD仕様カードを接続するために、PMODコネクタだけでなく、レベル変換ICを搭載します。PMODは3.3V電源が標準ですが、Ultra96の低速インタフェースは1.8V電源であるためです。さらにUltraZedにも接続可能なように設計します。もともとUltraZedはPMODインタフェースが搭載されているので、論理的な意味は無いのですが、PMODカードが複数あり、抜き差しする手間を減らすために、共用にしてみました。

サプライヤ

プロトタイプボードを作成する場合には、これもひと昔前はワイアラッピングやハンダ付けで作成したものですが、最近では10ドル以下で5枚程度のPCBを作成できる工場が現れてきました。これだとユニバーサル基板で作成したほうが高くつくくらいです。送料は別として、

https://www.pcbway.com/⇒基板10枚で5USD
https://www.fusionpcb.jp/⇒基板10枚で4.9USD
https://www.boktech.cc/⇒基板5枚で1USD
https://jlcpcb.com/⇒基板10枚で2USD

最後のJLCPCBはなんと10枚製造して2ドルという、ユニバーサル基板よりも安い金額ですが、送料が別途10ドル程度かかるので、今回はFusion PCBにしてみました。10枚製造して送料込みで7.9ドルです。

PCB設計ツール

PCB設計ツールも無償のものがあり、無償の範囲で十分実用的なPCBが設計できます。今回はEAGLEというPCB設計ツールをインタフェースボードの設計に使用してみました。

図81.1
図81.1 EAGLE設計画面

PCB製造業者とはGarberフォーマットのファイルでインタフェースしますが、設計が完了したレイアウトデータをビュワーにかけたものが図81.2です。

http://mayhewlabs.com/webGerber/

図81.2
図81.2 基板イメージ


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posted by sakurai on January 24, 2019

Ultra96

Avnetから画期的なZynq UltraScale+ FPGA評価ボードが発売されたので入手しました。何が画期的かというと、搭載されているチップが20nm先端プロセス、ARM A53×4コア、R5×2コアを搭載したFPGA評価ボードが、従来20万円以上したいわばプロ用の評価ボードが約3万円という、アマチュアにも手が届く価格になったことです。同じチップを搭載しているボードの過去記事はhttp://fs-micro.com/post/show/id/39.htmlです。また、インベーダゲームを実装した記事はhttp://fs-micro.com/post/show/id/52.htmlであり、同じチップであることから、簡単に実装可能と思われます。

開発ツールも無償のWebpackという論理合成、シミュレーション、配置配線全部入りのツールが使えるので、ひと昔前の設計現場では考えられない素晴らしい環境となりました。EDAによっては数千万円するものもあったのです。

図80.1
図80.1 Avnet Ultra96評価ボード

メーカサイト:
http://zedboard.org/product/ultra96

拡張インタフェース

以前に設計したグラフィックディスプレイコントローラとサウンドコントローラを、本Ultra96ボードのFPGAに実装します。

図80.2
図80.2 Ultra96評価ボード低速インタフェース

問題点としては、図80.2に黄色で示すように汎用GPIOが16本しかなく、グラフィック系だけでも各色4bit×3原色=12bitあり、他にサウンド系4bit、スイッチ系で4bitと少々オーバーします。幸いグラフィクスは各色4bitも使用していないので、各色1bit×3原色=3bitとして本数を減らすことにします。

目的

掲載予定のアプリケーションを示します。

図80.3
図80.3 掲載予定のアプリケーション


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posted by sakurai on January 16, 2019

デジタル的に出力すればOKのグラフィック系と異なり、アナログ系のオーディオ系は正しく動作させるのに案外苦労が必要でした。これだけでなく、リアルタイム性やノイズ防止の考慮を含めるともっと大変でしょう。

出来上がったサウンド系階層のブロック図を図79.1に示します。これはソフトマクロで、中にステートマシン、サウンド格納用ROM、パラシリ変換ユニットから構成されます。

図79.1
図79.1 サウンド系階層ブロック図

基本的に左側のステートマシンが、外部から与えられた音色コードに従い、右上のサウンド格納用ROMから8bitPCM wave情報を読み出し、それを右下のパラシリ変換ユニットを用いてDAC用シリアルデータに変換します。

サウンドの難しい点は演奏終了以前に割込みが入ったらどうする等の、時間的な仕様を定義するところです。本来は同時発声チャネルを複数用意し、サウンドを重ね合わせれば良いはずですが、今回は優先順位表(図79.2)を作成し、優先度の高いサウンドが、演奏中の優先度の低いサウンド演奏を中断させる仕様としてみました。優先度の高いサウンドを待たせるとおかしくなるためです。例えばインベーダの移動音が、弾の発射音を中断させても違和感を感じます。マスキング効果を考えれば、重畳しなくても特に問題ないことが実験により判明しました。

図79.2
図79.2 サウンド優先順位表


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posted by sakurai on January 6, 2019

ここでアナログ波形をDSOで取得してみます。図78.1のような波形が取得されました。青がシリアルDACデータ、黄色がDACの出力のアナログ波形です。

図78.1
図78.1 DSOアナログ波形

一方で、サウンドデータをAudacityで開いてみると、図78.2のような低音の波形となっています。これはインベーダの進行音です。

図78.2
図78.2 Wave波形

シミュレーション波形やwaveデータ波形は図78.2のようであり、アナログ波形はこのようでなければならないはずなのですが、図78.1ではある閾値以上と以下で波形が折り返されているようです。ここで思いつくのがMSBが反転しているのではないかということです。ここまではwaveデータをそのままDACに入力すれば良いと思っていたので、データ構造を調べてみます。すると、以下の事がわかりました。

  • 8bitPCMデータは符号なし
  • 16bitPCMデータは符号付き

従って、パラシリ部で8bitから16bitへ伸長する際にLSBへのゼロ詰めだけではなく、符号なし⇒符号付き変換を実施しなければなりません。ハードウェアにMSBを反転する修正を加えたところ、図78.3のような正しいアナログ波形が得られました。

図78.3
図78.3 DSOアナログ波形

破裂音はロウパスフィルターが入っていないことだと考えていましたが、波形を見て一目瞭然、符号付き⇒符号なしの変換が抜けていたことが根本原因でした。これで音楽データであってもきれいに再生できるはずです。


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