Posts Issued in May, 2019

Kパラメータは条件付き確率か(3)

posted by sakurai on May 12, 2019 #101

前稿(100.1)において、時刻$t$から$t+dt$において、IFのフォールトがVSG抑止される微小確率を求めると、 $$ \Pr\{\mathrm{IF\ prevented}\cap\mathrm{IF\ failed\ in\ }(t, t+dt]\cap\mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}\\ =\Pr\{\mathrm{IF\ prevented}\ |\ \mathrm{IF\ failed\ in\ }(t, t+dt]\cap\mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}\\ \cdot\Pr\{\mathrm{IF\ failed\ in\ }(t, t+dt]\ |\ \mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}\cdot\Pr\{\mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}\\ =K_{\mathrm{IF,FMC,RF}}\lambda_{\mathrm{IF}}R_{\mathrm{IF}}(t)dt \tag{101.1} $$ ただし、 $$ \Pr\{\mathrm{IF\ prevented}\ |\ \mathrm{IF\ failed\ at\ }t\cap\mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}=K_{\mathrm{IF,FMC,RF}},\\ \Pr\{\mathrm{IF\ failed\ in\ }(t, t+dt]\ |\ \mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}=\lambda_{\mathrm{IF}}dt,\\ \Pr\{\mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}=R_{\mathrm{IF}}(t) $$ となりましたが、「DCはSMのアーキテクチャにより決定される」ことを前提とし、フォールト発生とフォールト検出は独立な事象と考えれば、同じ確率式は、 $$ \Pr\{\mathrm{IF\ prevented}\cap\mathrm{IF\ failed\ in\ }(t, t+dt]\cap\mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}\\ =\Pr\{\mathrm{IF\ preventable}\}\cdot\Pr\{\mathrm{IF\ failed\ in\ }(t, t+dt]\ |\ \mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}\\ \cdot\Pr\{\mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}=K_{\mathrm{IF,FMC,RF}}\lambda_{\mathrm{IF}}R_{\mathrm{IF}}(t)dt \tag{101.2} $$ ここで、 $$ \Pr\{\mathrm{IF\ preventable}\}=K_{\mathrm{IF,FMC,RF}}, \\ \Pr\{\mathrm{IF\ failed\ in\ }(t, t+dt]\ |\ \mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}=\lambda_{\mathrm{IF}}dt,\\ \Pr\{\mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}=R_{\mathrm{IF}}(t) $$ と求められます。従って、(101.1)の$\Pr\{\mathrm{IF\ prevented}\ |\ \mathrm{IF\ failed\ at\ }t\}$という確率的な$t$の関数を、(101.2)の$\Pr\{\mathrm{IF\ preventable}\}$という定数に置き換えることができます。

2nd SMの属性である$K_{\mathrm{FMC,MPF}}$についても同様の議論が成り立ち、Kパラメータは条件付き確率ではなく、アーキテクチャ的に決定している能力(定数)として扱います。結論として、

$$ K_{\mathrm{IF,FMC,RF}}:=\Pr\{\mathrm{IF\ preventable}\}\tag{101.3} $$ $$ K_{\mathrm{IF,FMC,MPF}}:=\Pr\{\mathrm{IF\ detectable}\}\tag{101.4} $$ $$ K_{\mathrm{SM,FMC,MPF}}:=\Pr\{\mathrm{SM\ detectable}\}\tag{101.5} $$


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Kパラメータは条件付き確率か(2)

posted by sakurai on May 10, 2019 #100

(99.1)の定義を用いれば、時刻$t$から$t+dt$において発生するIFのフォールトについて、VSG抑止される確率を求めると、条件付き確率のチェインルールを用いれば、 $$ \Pr\{\mathrm{IF\ prevented}\cap\mathrm{IF\ failed\ in\ }(t, t+dt]\cap\mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}\\ =\Pr\{\mathrm{IF\ prevented}\ |\ \mathrm{IF\ failed\ in\ }(t, t+dt]\cap\mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}\\ \cdot\Pr\{\mathrm{IF\ failed\ in\ }(t, t+dt]\ |\ \mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}\cdot\Pr\{\mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}\tag{100.1} $$ ここで、それぞれ $$ \Pr\{\mathrm{IF\ prevented}\ |\ \mathrm{IF\ failed\ in\ }(t, t+dt]\cap\mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}=K_{\mathrm{IF,FMC,RF}},\\ \Pr\{\mathrm{IF\ failed\ in\ }(t, t+dt]\ |\ \mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}=\lambda_{\mathrm{IF}}dt,\\ \Pr\{\mathrm{IF\ not\ failed\ before\ }t\}=R_{\mathrm{IF}}(t) \tag{100.2} $$ であるから、 $$ (100.1)=K_{\mathrm{IF,FMC,RF}}\lambda_{\mathrm{IF}}R_{\mathrm{IF}}(t)dt\tag{100.3} $$ と、IFに関する故障率や信頼度関数で表すことができます。

しかしながら、Kパラメータ($K_{\mathrm{FMC,MPF}}$及び$K_{\mathrm{FMC,RF}}$)が定数だと矛盾が起きます。抑止条件が確率的に作用することにより、例えば1回目にはVSG抑止されたフォールトが、2回目にはVSG抑止されないことが起こりえます。あるいは1回目にはリペアされたフォールトが2回目にはリペアされないことが起こりえます。検出が確率的になされるからとはいえ、同じ故障が検出されたりされなかったりするのは、合理性がありません。

次に、例えば故障検出率$K_{\mathrm{FMC,MPF}}$について考えると、長時間が経ち、故障検出を長く続けると、検出されるフォールトは全量リペアされるのに比べて、検出されないフォールト確率(不信頼度)は上昇し続けます。従って、フォールト中の検出される部分の比率が高まりそうであるのに、これが一定であるとは感覚に反します。

フォールト検出のたびにサイコロで検出を決めているならそのようになりますが、一般的には診断カバレージ(Diagnostic Coverage; DC)はSMのアーキテクチャにより決定され、確率的には検出されないとここでは考えることにします。そうすれば、上記の問題点は解消されます。


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