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Lチカの実装

posted by sakurai on May 7, 2018 #40

要求

「Lチカを実現すること」

いわゆるLチカとは評価ボード上のLEDが点滅することで、回路が思い通りに動作していることを示す振る舞いの一例です。LEDの点滅は機能要求ですが、暗黙の非機能要求があります。例えば点滅の周期です。評価ボードは内部クロックは100MHzという高速のクロックで動作しますから、単純にON/OFFさせると人間の目には点滅に見えません。従って点滅と書かれている段階で点滅に見えることが暗黙の非機能要求であり、例えば、点灯を0.5sec、消灯を0.5secのように連続させる必要があります。

PLに接続されているLEDは8bitあるので、右から左に1bitずつずらしながら点灯し、最左端に来たら左から右へ1bitずつ点灯することを要件とします。下図において、赤は点灯、灰色は消灯を意味するものとします。

Lチカ振る舞い説明図
図40.1 Lチカ振る舞い説明図

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Zynq UltraScale+ MPSoC

posted by sakurai on April 28, 2018 #39

FPGAボード

プロセッサを含んだFPGAボードを入手しましたので、お約束のLED点滅を実験してみたいと思います。 まず、FPGAは、XilinxのZynq UltraScale+ MPSoCという部品で、ARM Cortex A53のクアッドコアとARM Cortex R5のデュアルコアを内蔵しています。

ボードの詳細は以下にあります。 http://microzed.org/product/ultrazed-eg-starter-kit

ベースボードとメザニンボードから構成されており、ベースボードの資料は、 http://picozed.org/product/ultrazed-eg-io-carrier-cardに、 メザニンボードの資料は http://microzed.org/product/ultrazed-EGにあります。

メザニンボード上にFPGA、SDRAM、Flash等が搭載されており、ベースボード上には各種高速インタフェースが搭載されています。

図FPGAボード
図39.1 FPGAボード

開発環境

最近のFPGAの開発環境の進歩はいちぢるしく、従来は高価なEDAツールが無償で使えるようになりました。XilinXが無償で提供しているVivado HLx WebPackが、上記FPGAの開発ツールです。このツールには論理合成ツール、配置配線ツール、論理シミュレータ等が含まれます。特に、最近は高位合成ツールまで無償で使用できるので、隔世の感があります。高位合成までいかなくても強力なIPインテグレータが搭載されており、従来はRTL設計するしかなかった各種AXIインタフェースに関して、単にブロックをドロップし、auto connectをクリックするだけで自動結線する、強力な機能を持ちます。

Vivadoの入手はXilinxにアカウントを作成する必要がありますが、無償ですので以下からwebpackを入手してください。 https://japan.xilinx.com/products/design-tools/vivado/vivado-webpack.html

IP Integrator

IPインテグレータでブロック設計をした結果を以下の図に示します。FPGA全体はPS(Processor System)部とPL(Plogrammable Logic)部から構成されていますが、ZynqはFPGA全体ではなく、PS部のみです。blinkはRTLで設計するブロックで、PL内に配置します。

ブロック図
図39.2 ブロック図

Zynqをダブルクリックすると以下の図のようにブロック図が現れます。APUはApplication Processing Unit、RPUはRealtime Processing Unitの略で、それぞれCA53、CR5及びそのキャッシュシステムを意味します。今回はハードのみで動作する回路を設計するため、プロセッサは全く使用しません。

Zynq内部ブロック図
図39.3 Zynq内部ブロック図

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