Article #127

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PMHF計算の簡便法

posted by sakurai on July 11, 2019

記事#103~#108(暫定的に非公開)のように、マルコフ連鎖図を書き、ひとつずつケース分解して求めるのが一番間違いが無い方法ですが、簡便法を試してみます。ここで簡便法というのは、マルコフ連鎖図を書かずに、時刻$t$におけるIFとSMの状態を別個に考え(結局はマルコフ連鎖図と等価ですが)、時刻$t$から$t+dt$の微小時間間隔でのフォールトについて、サブシステムが故障となる場合を考えます。ここでは1st Editionと同じ条件で、IFがアンリペアラブル、SMがリペアラブルとします。

以下のPUDの導出に際して、前提確率遷移確率に分解して求めます。前提確率とは、時刻$t$において、どの状態になっているかの確率であり、遷移確率とは、微小区間$(t,t+dt]$におけるダウン確率です。今回のモデルでは両者は独立であるため、$\cap$条件は確率の積となります。

IFのフォールトによるVSG

まず前提確率を求めるため、IFのフォールトでVSGとなる、$t$におけるSMの条件を考えるのですが、逆に、IFのフォールトによりVSGとならないのは、表127.1で示すように、「SMが稼働していて、かつそれがVSG抑止する場合」のみです。

図%%.1
図127.1 VSG条件表(IFのフォールト)

よって、その条件の否定がVSG条件なので前提確率式で表せば、 $$ \Pr\{\overline{\text{SM up at }t\cap\text{IF preventable}}\}=1-\Pr\{\text{SM up at }t\}\cdot\Pr\{\text{IF preventable}\}\\ =1-A_\text{SM}(t)K_\text{IF,RF}\tag{127.1} $$

次に遷移確率を求めるため、微小区間$(t, t+dt]$においてIFのフォールトが起きる場合を考えます。この事象を遷移確率式で表せば、 $$ \Pr\{\text{(unrepairable)IF up at }t\cap\text{(unrepairable)IF down in }(t, t+dt]\}=f_\text{IF}(t)dt\tag{127.2} $$ となります。

よってIFのフォールトによるPUDは、前提確率遷移確率の積となるため、 $$ PUD_\text{IF}=\Pr\{\text{(unrepairable)IF up at }t\cap\text{(unrepairable)IF down in }(t, t+dt]\}\\ \cdot\Pr\{\overline{(\text{SM up at }t\cap\text{IF preventable})}\}\\ =\left[1-A_\text{SM}(t)K_\text{IF,RF}\right]f_\text{IF}(t)dt\tag{127.3} $$ となり、IFのフォールトによる平均PUDは $$ \overline{PUD_\text{IF}}=\frac{1}{T_\text{lifetime}}\int_0^{T_\text{lifetime}} \img[-1.35em]{/images/withinseminar.png} \tag{127.4} $$ この後は(62.3)につなげて、積分して平均PUDを求めます。この手法のメリットは、いちいちIFのフォールトによるSPFとDPFを分けて考えずに一度で求められる点です。

SMのフォールトによるVSG

まず前提確率を求めるため、SMのフォールトでVSGとなる、$t$におけるIFの条件を考えると、「IFがダウンしているがVSGとなっていないとき」です。なぜなら、SMのフォールトでVSGとなるのは、SMがSPFを起こせない以上DPFの場合に限られ、かつIFのフォールトによりVSGとなってはIFによるSPFが起きてしまうので、IFのダウンかつVSGでないときに限られます。

図%%.1
図127.2 VSG条件表(SMのフォールト)

よって、VSG条件を前提確率式で表せば、 $$ \Pr\{\text{(unrepairable)IF down at }t\cap\text{IF preventable}\}=F_\text{IF}(t)K_\text{IF,RF}\tag{127.5} $$ 次に遷移確率を求めるため、微小区間$(t, t+dt]$においてSMのフォールトが起きる場合を考えます。これを遷移確率式で表せば、 $$ \Pr\{\text{SM up at }t\cap\text{SM down in }(t, t+dt]\}=q_\text{SM}(t)dt\tag{127.6} $$ よってSMのフォールトによるPUDは、前提確率遷移確率の積となるため、 $$ PUD_\text{SM}=\Pr\{\text{(unrepairable)IF down at }t\cap\text{IF preventable}\}\\ \cdot\Pr\{\text{SM up at }t\cap\text{SM down in }(t, t+dt]\}\\ =K_\text{IF,RF}F_\text{IF}(t)q_\text{SM}(t)dt\tag{127.7} $$ となり、SMのフォールトによる平均PUDは $$ \overline{PUD_\text{SM}}=\frac{1}{T_\text{lifetime}}\int_0^{T_\text{lifetime}} \img[-1.35em]{/images/withinseminar.png} \tag{127.8} $$ この後は(65.1)につなげて、積分して平均PUDを求めます。 次回の記事はこちら。

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