Posts Issued in October, 2018

posted by sakurai on October 21, 2018

upやdownを数式で書いてみます。

ランダムプロセス$\eta_s$において、確率変数$X$を無故障稼働時間とします。$\mathcal{M}$を稼働状態のサブ集合とし、$\mathcal{P}$を不稼働状態のサブ集合とすれば、$X=\inf\lbrace s:\eta_{s}\in\mathcal{P}\rbrace$と示すことができます。 non-repairable elementの故障率$\lambda(t)$は、 $$\lambda(t)=\lim_{dt\to 0}\frac{\Pr\lbrace X\le t+dt\ |\ t\lt X\rbrace}{dt}$$ より形式的に、 $$\lambda(t)dt=\Pr\lbrace X\le t+dt\ |\ t\lt X\rbrace=\frac{\Pr\lbrace t\lt X\le t+dt\rbrace}{\Pr\lbrace t\lt X\rbrace}=\frac{f(t)}{R(t)}dt$$ repairable elementのダウン$\rho(t)$率は、 $$\rho(t)=\lambda_V(t)=\lim_{dt\to 0}\frac{\Pr\lbrace \eta_{t+dt}\in\mathcal{P}\ |\ \eta_t\in\mathcal{M}\rbrace}{dt}$$ より形式的に、 $$\rho(t)dt=\Pr\lbrace \eta_{t+dt}\in\mathcal{P}\ |\ \eta_t\in\mathcal{M}\rbrace=\frac{\Pr\lbrace \eta_{t}\in\mathcal{M}\cap\eta_{t+dt}\in\mathcal{P}\rbrace}{\Pr\lbrace\eta_{t}\in\mathcal{M}\rbrace}=\frac{q(t)}{A(t)}dt$$ となります。


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posted by sakurai on October 16, 2018

ISO/TR 12489:2013(E)において、信頼性用語の定義がまとめてあるため、それを記載します。ただし、弊社の考えを交えており、そのまま引用しているわけではありません。

☆信頼度(Reliability)

$R_{item}(t)\equiv\Pr\lbrace\mathrm{item\ not\ fail\ in\ }(0, t]\rbrace=\Pr\lbrace\mathrm{item\ up\ at\ }t\rbrace$
非修理系システムで、時刻$t$までに一度も故障していない確率。非修理系なので、一度でも故障すると、故障しっぱなしになるため、一度も故障していない確率になります。

☆不信頼度(Unreliability)

$F_{item}(t)\equiv\Pr\lbrace\mathrm{item\ failed\ in\ }(0, t]\rbrace=\Pr\lbrace\mathrm{item\ down\ at\ }t\rbrace$
非修理系システムで、時刻$t$までに故障した確率。非修理系なので、一度でも故障すると、故障しっぱなしになるため、時刻が0からtまでに故障したことがある確率になります。

☆故障密度(Probability Density)

$f_{item}(t)dt\equiv\Pr\lbrace\mathrm{item\ failed\ in\ }(t, t+dt]\rbrace=(\frac{dF_{item}(t)}{dt})dt$
非修理系システムで、時刻$t$から$t+dt$までに故障する確率。PDF。

☆故障率(Failure Rate)

$\lambda_{item}(t)dt\equiv\Pr\lbrace\mathrm{item\ failed\ in\ }(t, t+dt]\ |\ \mathrm{item\ up\ at\ }t\rbrace$
非修理系システムで、時刻$t$で稼働している条件において時刻$t$から$t+dt$までに故障する確率。ISO 26262の場合は定数として良い。
$=\frac{f_{item}(t)}{R_{item}(t)}dt$

☆稼働度(Availability)

$A_{item}(t)\equiv\Pr\lbrace\mathrm{item\ up\ at\ }t\rbrace$
修理系システムで、時刻$t$で稼働している確率。Point Availablity。

☆不稼働度(Unavailability)

$Q_{item}(t)\equiv\Pr\lbrace\mathrm{item\ down\ at\ }t\rbrace$
修理系システムで、時刻$t$で不稼働な確率。

☆不稼働密度(Unavailability Density)

$q_{item}(t)dt\equiv\Pr\lbrace\mathrm{item\ down\ in\ }(t, t+dt]\rbrace=(\frac{dQ_{item}(t)}{dt})dt$
修理系システムで、時刻$t$から$t+dt$までに不稼働になる確率。Point Unavailability Density (PUD)。failure frequency (故障頻度), unconditional failure intensity (UFI; 無条件故障強度)。

☆ダウン率(Down Rate)

$\rho_{item}(t)dt\equiv\Pr\lbrace\mathrm{item\ down\ in\ }(t, t+dt]\ |\ \mathrm{item\ up\ at\ }t\rbrace$
修理系システムで、時刻$t$で稼働している条件において時刻$t$から$t+dt$までに不稼働になる確率。conditional failure intensity (条件付き故障強度), Vesely failure rate (Veselyの故障率)。
$=\frac{q_{item}(t)}{A_{item}(t)}dt$

☆PFH(Probability of Failure per Hour)

注意:Probablity of Failure per Hourは古い定義で現在はaverage failure frequency (平均故障頻度), average unconditional failure intensity (平均無条件故障強度)。PMHFも同様の定義。average unavailability density (平均不稼働密度; AUD)
$PFH\equiv\overline{q_{item}}=\frac{1}{T}\int_0^T q_{item}(t)dt=\frac{1}{T}Q_{item}(T)=\frac{1}{T}\Pr\lbrace\mathrm{item\ down\ at\ }T\rbrace, ただしTは車両寿命$

☆平均ダウン率(Average Down Rate, ADR)

$ADR\equiv\overline{\rho_{item}}$の存在を仮定し、$\rho_{item}(t)A_{item}(t)=q_{item}(t)$の両辺を$0$から$T$まで積分すれば、 $\int_0^T\overline{\rho_{item}}A_{item}(t)dt=\int_0^T q_{item}(t)dt$。ここで、$\int_0^T A(t)dt\approx T$を用いれば、 $ADR=\overline{\rho_{item}}\approx\frac{1}{T}\int_0^T q_{item}(t)dt=\frac{1}{T}Q_{item}(T)=\frac{1}{T}\Pr\lbrace\mathrm{item\ down\ at\ }T\rbrace=PFH$


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規格第3式の導出

posted by sakurai on October 7, 2018

安全機構故障によるVSGの場合のPMHF計算

DPFにはもう1パターンが存在します。それがMの故障が抑止されているが、SM故障が引き続いて起こる場合です。この状態がレイテントになるのかならないのかが曖昧です。具体的には次に示すようにPMHFではレイテントとなると考えられますが、一方でLFMではこの状態は計算に入っていません。

マルコフ状態遷移図でのPRV→DPF

規格第3式では、

図65.1
図65.1 Part10 8.3.3 PMHF規格 第3式

のように「故障の次数がはっきりしない場合」と訳していますが、orderを次数としたのは誤りで、これは順番と訳すべきです。なぜなら、規格第1式は主機能とSMのフォールトの順番を条件としているためです。また、irrelevantにはっきりしない場合という訳は無く、無関係な場合と訳すべきです。

それでは「故障の順番が無関係な場合」とはどういうことでしょうか?実は前項で求めたのが、最初の故障はどうあれ、主機能Mの故障によるVSG確率でした。従って、故障の順番が無関係とは、両方の条件の場合だと考えると、次に必要なのは安全機構SMのフォールトによるVSG確率です。とはいえSMの単一フォールトでVSGとはならないので、SMフォールトのDPF確率のみを考えます。

従って、SMによるVSG(DPF)の微小故障確率PUDは、 $$q_{SM,DPF}(t)dt=\img[-1.35em]{/images/withinseminar.png}\tag{65.1}$$ と求められ、ADRを計算すれば、 $$\overline{\rho_{SM,DPF}}\approx\frac{1}{2}K_{M,FMC,RF}\lambda_M\lambda_{SM}\left[(1-K_{SM,FMC,MPF})T_{lifetime}+K_{SM,FMC,MPF}\tau_{SM}\right]\tag{65.2}$$ となるため、(63.1)と加え合わせれば、順番によらない式(というか、MまたはSMによりVSGとなる確率式) $$M_{PMHF}\approx(1-K_{M,FMC,RF})\lambda_M\\ +K_{M,FMC,RF}\lambda_M\lambda_{SM}\left[(1-K_{SM,FMC,MPF})T_{lifetime}+K_{SM,FMC,MPF}\tau_{SM}\right]\\ =\lambda_{M,RF}+\lambda_{M,DPF}(\lambda_{SM,DPF,lat}T_{lifetime}+\lambda_{SM,DPF,det}\tau_{SM})\tag{65.3} $$ が求められます。

前稿と同様、車両寿命の項と比べて暴露時間による項が十分小さく無視できる場合、つまり$\lambda_{SM,DPF,lat}T_{lifetime}\gg\lambda_{SM,DPF,det}\tau_{SM}$の場合、(65.3)は $$M_{PMHF}\approx\lambda_{M,RF}+\lambda_{M,DPF}\lambda_{SM,DPF,lat}T_{lifetime}\tag{65.4} $$ となり、規格第3式の

図65.2
図65.2 Part10 8.3.3 PMHF規格 第3式

正確に一致します。

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規格第2式の導出

posted by sakurai on October 3, 2018

次に、暴露時間による項が、車両寿命に関する項よりも十分小さく無視できるとした場合、つまり、$\lambda_{SM,DPF,lat}T_{lifetime}\gg\lambda_{SM,DPF,det}\tau_{SM}$の場合は、(63.1)は $$ M_{PMHF,M}\approx\lambda_{M,RF}+\frac{1}{2}\lambda_{M,DPF}\lambda_{SM,DPF,lat}T_{lifetime}\tag{64.1} $$ となり、規格第2式の

図64.1
図64.1 Part10 8.3.3 PMHF規格 第2式

正確に一致します。

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